神戸のギャラリーでの個展開催情報です。既に始まっています。

内田太郎 + 小泉孝司 「IMAGINES ! 空想の世界へ」

期 日 : 2026年1月24日(土)~2月8日(日)
会 場 : GALERIE L'OEIL(ギャラリーロイユ) 神戸市中央区北長狭通3−2−10
時 間 : 13:00~18:00
休 館 : 水曜日、木曜日
料 金 : 無料

現実と虚構、その境界を行き来する二人の画家が不思議で思索的な絵画の世界へご案内します。想像力をひらく、二人展です。

アーティスト
内田太郎
佐賀県生まれ。九州産業大学芸術学部美術学科卒業。出鱈目な科学法則が成り立つ夢の中のような世界や、宇宙の外側の空間を思いつつ、写実というスタイルで現実と想像の間の世界を描く。

小泉孝司
同志社大学経済学部卒業。高橋睦郎、横溝正史、松本清張等の挿絵、装画を描きながら、オリジナル作品を制作。絵本 「手のひらのねこ」 文•舟崎靖子 (偕成社) 、画集 「七番目の空」 (光琳社出版)
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内田太郎氏は、最近ちょっと流行りの超写実絵画系に近いのでしょうか。先にグレートーンで印影を描き、後から色を乗せていくグリザイユという手法で描かれているようです。

000小泉孝司氏は、ルネ・マグリットを思わせるシュールな世界観。プロフィールに「高橋睦郎、横溝正史、松本清張等の挿絵、装画」とあるので少し調べたところ、角川書店さんの『野性時代』で'70年代に横溝の「病院坂の首縊りの家」が連載されていた際の挿画が小泉氏によるものでした。また、松本清張の未完の絶筆「神々の乱心」が『週刊文春』さんに'90年代に連載された際も。

その小泉氏の出展作の一つが「ほんとうの空」と題されています。光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来と思われます。画廊主氏曰く「空の向こうの「闇」が雲の切れ間から差し込み、草原に立つ1本の木を燃え上がらせる彩墨・棒絵具で描かれた、シュールで幻想的な風景」。なるほど。

ご実家が和紙問屋さんだそうで、この作品も和紙に彩墨や棒絵具で描く独自の技法を駆使されているそうです。

先日、渋谷区で開催された写真展「UNBOUND#2」では、「智恵子抄」からのインスパイアの写真が展示されましたが、この手の二次創作は大歓迎です。もっとも、そこにリスペクトの精神を込めていただかないと困りますが。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)29 『道程』復元版

昭和22年(1947)6月15日 札幌青磁社 高村光太郎著 
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目次
 一九一〇年
  失はれたるモナ・リザ 生けるもの 根付の国
 一九一一年
  画室の夜 熊の毛皮 人形町 甘栗 庭の小鳥 亡命者 鳩 食後の酒 寂寥 声 風
  新緑の毒素 頽廃者より 「河内屋与兵衛」 髪を洗ふ女 「心中宵庚申」 夏 なまけもの
  手 金秤 はかなごと めくり暦 地上のモナ・リザ 葛根湯 夜半 けもの あつき日
  父の顔 泥七宝 ビフテキの皿
 一九一二年
  青い葉が出ても 赤鬚さん あをい雨 友の妻 ――に 夏の夜の食慾 或る夜のこころ
  おそれ 犬吠の太郎 さびしきみち カフエにて 梟の族 冬が来る カフエにて
  或る宵
 夜 狂者の詩 郊外の人に 冬の朝のめざめ カフエにて 師走十日 戦闘
 一九一三年
  人に カフエにて 深夜の雪 人類の泉 山 よろこびを告ぐ 現実 冬が来た 冬の詩
  牛 僕等
 一九一四年
  道程 愛の嘆美 群集に 婚姻の栄誦 万物と共に踊る 瀕死の人に与ふ 晩餐
  五月の土壌 淫心 秋の祈

内容的には大正3年(1914)の初版と同一です。戦時中に「改訂版」「再訂版」が出ましたが、戦後になって旧に復したこの版が出されたわけです。

復興期の物資不足の折、造本は並製、函はなくカバー装です。