上野のトーハクさんで元日から始まっている企画展示です。

博物館に初もうで

期 日 : 2026年1月1日(木)~1月25日(日)
会 場 : 東京国立博物館 台東区上野公園13-9
時 間 : 9時30分~17時00分 毎週金・土曜日および1月11日(日)は20時00分まで
休 館 : 月曜日 1月12日(月・祝)は開館
料 金 : 東博コレクション展観覧料でご覧いただけます。一般1,000円、 大学生500円

新年恒例の「博物館に初もうで」は、2026年は1月1日(木・祝)13時より開催します
 東京国立博物館(館長:藤原誠)は、2026年は1月1日(木・祝)13時より開館し、恒例の正月企画「博物館に初もうで」を開催します。
 干支をテーマにした特集展示や、長谷川等伯筆 国宝「松林図屛風」(1月1日(木・祝)~1月12日(月・祝) 本館2室にて展示)をはじめ、本館、東洋館の各展示室で、新年の訪れを祝して吉祥作品や名品の数々をご覧いただけます。
 また、当館アンバサダーであり、世界的に活躍する日本画家・千住 博氏より、新作《ウォーターフォール》をご寄贈いただくことになり、1月1日〜1月12日まで本館大階段上にて特別に展示します。1月1・2・3日には本館前ステージでは和太鼓、獅子舞、吟剣詩舞など、新春限定の企画も開催します。
 新たな年のスタートは、ぜひ当館でお迎えください。

常設展示を新春らしくおめでたいものや干支にちなんだ作品で揃え、「博物館に初もうで」としゃれこみましょう、というコンセプトで毎年行われている企画です。
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サムネイル的に使われているのが、後藤貞行作の木彫「馬」(明治26年=1893)です。

光太郎の父・光雲の4歳年下だった後藤は変わった経歴を持つ彫刻家です。旧幕府の騎兵所や、維新後は陸軍省の軍馬局などに勤務した後、馬の彫刻を作りたい一心で光雲の門を叩いて木彫を学び、さらに東京美術学校に奉職、皇居前広場の楠木正成像の馬や、上野の西郷隆盛像の犬などを任されました。

というだけならこのブログでこの展示をわざわざ紹介しませんが、旧臘に発行された『東京国立博物館ニュース』の第783号(2025-2026年12・1・2月号)でこの「馬」が紹介され、「師の高村が1893年に開催されたシカゴ万国博覧会に出品するために制作した老猿(ろうえん 重要文化財、当館蔵)と同じ木から、本作を彫り出したと述べています」との記述。実物を何度か拝見していましたが、これは存じませんでした。
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光雲が「老猿」に使った木材は、栃木県鹿沼市の山林に自生していた栃の巨木でした。昨年は鹿沼でそのあたりに関するイベント等も行われています。そのあたり『東京国立博物館ニュース』では「高村は老猿の材木を求めて栃木県鹿沼市で直径2メートルほどの巨大なトチの木を購入し、東京都台東区の自宅まで運びました。後藤がこのトチの木の調達に尽力したこともあって、材木の一部を譲りうけたのでしょう」と記されています。

いわば「老猿」とこの「馬」、兄弟だったのですね。
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そう思って観ると、また見え方が違ってくるような気がします。

他に群馬県大泉町出土の馬型埴輪や、長谷川等伯筆の「松林図屛風」なども出ているとのこと。それから関連行事として1月10日(土)には本物の馬がトーハクさんにやってきての「在来馬とのふれあい」イベントなども企画されています。
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ぜひ足をお運びください。

【高村光太郎書誌】

本人著作(全体)3 『ロダンの言葉』(近代思潮叢書 第五編)

大正5年(1916)11月27日 阿蘭陀書房 オーギュスト・ロダン著 高村光太郎訳
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目次
 ロダンの芸術(ユージエヌ カリエール)
 ロダン手記
  ヹヌス 原則 フランスの自然 ランスの本寺 夜の本寺 本寺別記
  断片(「本寺」、「真のロダン」其他より) 手紙
 ジユヂト クラデル筆録
 ポール グゼル筆録
  肉づけ 芸術に於ける神秘 動静 断片
 カミーユ モークレール筆録
 フレデリク ロートン筆録
  古代芸術の教訓(一)  同(二) 断片
 ロダンの手帳(クラデル編)

光太郎初の訳書です。元々、フランスにも『ロダンの言葉』という書物は存在せず、さまざまなところで発表されたロダンの談話を光太郎が集めて一冊にまとめました。

装幀は光太郎自身。函題字は光太郎が得意とした白黒反転の「籠書き」文字で書かれています。

当方手持ちのものは大正7年(1918)10月20日改訂増補五版です。