10月28日(火)、愛車を駆って北関東三県を巡りましたレポートの続きです。

栃木市立文学館さんの「『歴程』と逸見猶吉、岡安恒武」展、群馬県立土屋文明記念文学館さんの第127回企画展「愛の手紙-友人・師弟篇-」を制覇し、最終目的地は埼玉県東松山市の総合会館さん。こちらでは光太郎に私淑していた彫刻家・高田博厚の作品を集めた「彫刻家 高田博厚展2025―Vitrail(ヴィトロー)―「窓」から見る高田博厚」を拝見しました。
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同市の元教育長で、光太郎と交流のあった故・田口弘氏が光太郎繋がりで高田とも意気投合、同市での高田の個展や、東武東上線高坂駅前の高田作品を集めた彫刻プロムナード設置などに尽力され、その関係で高田遺族から鎌倉にあったアトリエ閉鎖の際に高田作品や遺品がごっそり寄贈され、それらを毎年、少しずつ展示する催しです。

今年の目玉は、ジョルジュ・ルオーの息女であるイザベル・ルオー作のステンドグラス。鎌倉の高田アトリエに設置されていたものです。
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裏にLEDライトが仕込んであり、良い感じに光が洩れていました。
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そのルオー父娘を高田が作った肖像彫刻。
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父ルオーが元々ステンドグラス職人だったというのは存じませんでした。そういわれてみると、あの太い輪郭線で描いた宗教画には、ステンドグラスの影響がありありと見えます。

いただいてきた無料の簡易図録。
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拝観後、会場を出て、前橋ICから乗って東松山ICで下りた関越道には戻らず一般道を南下。隣接する川島町の川島ICから圏央道に入り、一気に自宅兼事務所最寄りの神崎ICまで。我ながらがっつり走ったな、という感じでした(走ったのは愛車ですが(笑))。
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さて、帰宅したところ、東松山市役所の方からLINEにメッセージ。この日、同市を訪れたこととは関係なく、まったくの偶然ですが「今夜のテレビ東京『開運! なんでも鑑定団』で高田博厚の彫刻が出るそうです」とのことでした。何とタイムリーな。

拝見しましたところ、鑑定依頼品は「ロマン・ロラン像」。さっき見てきたばかりの高田博厚展に並んでいたものと同じものでしたので、さらにびっくり。
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「高田は精神を……」云々は、ロランが語った言葉だそうで。

高田の紹介Vの部分では、光太郎についてもかなり触れて下さいました。
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光太郎没後、記憶と写真を基に高田が作った光太郎像も。同一のものは東松山市の東武東上線高坂駅前彫刻プロムナードにも据えられています。
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で、「ロマン・ロラン像」。鑑定金額は思ったより伸びませんでした。「ニセモノではないが、数多く鋳造されたうちの一つ」という扱いで。たしかにブロンズ彫刻は同一の型から鋳造されたものでも、いつ、どんなコンセプトで、誰が鋳造したか、といった要素でかなり価値の幅が出ます。それにしてもちょっと辛い鑑定のような気もしましたが。

TVerさんなどで配信が見られます。ぜひご覧下さい。東松山市の高田展も11月13日(木)までの開催でして、ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

お前の葉は皆平たい。さうでなく、お前の方へ葉の先が向く様におし。奥行きで作るのだ。平(ひら)で無くだ。いつでもさういふ様に仕事をおし。さうすれば表面が一つの塊まりの端と見える様になる。それでなくては彫刻はうまく行かない。

光太郎訳 ロダン「ロダンの手帳 クラデル編」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃

まだ一人前の彫刻家となる前の若き日のロダンが、修業先の石膏細工の先輩職人から言われた言葉です。無名のこの職人の教えが、ロダンの眼を開かせました。

彼等が手がけていたのは主に建造物の外壁の装飾でしたが、そこに葉っぱをあしらう際、葉っぱと言われて誰もが思い浮かべるこういうアングルでは立体感が出ない、というのです。
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こうではなく、先端を手前に配せ、と先輩職人。
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なるほど。

ちなみにこの葉は、光太郎智恵子ゆかりの花、グロキシニアです。5月くらいに咲き始め、以来、半年近くしぶとく花をつけ続けています(笑)。
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