一昨年出た四六判単行本が文庫化されました。
光太郎の親友だった碌山荻原守衛は、パリからの帰国に際し、ロダンに別れの挨拶し、「帰国後は師と仰ぐべきものがないが、誰を師と仰ぐべきか」と尋ねると、ロダンから「自然、自然こそ最大の師ではないか」と諭されたそうです。
発行日 : 2025年10月24日
著者等 : 柳川一
版 元 : 東京創元社
定 価 : 780円+税
大正8年(1919年)東京・本郷区駒込団子坂。平井太郎は、通と敏男の二人の弟とともに《三人書房》という古書店を開いた。店には同年に亡くなった女優・松井須磨子の遺書らしい手紙をはじめ、奇妙な謎が次々と持ち込まれ──。同時代を生きた、宮沢賢治や宮武外骨、高村光太郎たちとの交流と不可解な事件の顛末を、若き日の平井太郎=江戸川乱歩を通して描く、滋味深い連作推理。著者あとがき=柳川一/解説=辻真先
目次
「三人書房」 「北の詩人からの手紙」 「謎の娘師(むすめし)」 「秘仏堂幻影」
「光太郎の〈首〉」
「光太郎の〈首〉」
五話の連作で、それぞれ江戸川乱歩がらみのミステリーです。表題作、そして表紙に描かれている「三人書房」は、史実で乱歩が弟たちと共に経営していた古書肆です。
最終話「光太郎の〈首〉」が、題名通り、光太郎彫刻に関わる事件を描いています。架空の事件ですが、さもありなんという感じです。
他の登場人物等は、宮沢賢治、横山大観、宮武外骨など。さらに物故者として松井須磨子や葛飾北斎、その娘お栄(応為)、岡倉天心、そして智恵子らにも触れられます。
単行本でお買い求め頂いていない方、ぜひどうぞ。
【折々のことば・光太郎】
先づ第一に、芸術は唯自然の綿密な研究です。此が無くてはわらわれは救はれない。芸術家たり得ない。
最終話「光太郎の〈首〉」が、題名通り、光太郎彫刻に関わる事件を描いています。架空の事件ですが、さもありなんという感じです。
他の登場人物等は、宮沢賢治、横山大観、宮武外骨など。さらに物故者として松井須磨子や葛飾北斎、その娘お栄(応為)、岡倉天心、そして智恵子らにも触れられます。
単行本でお買い求め頂いていない方、ぜひどうぞ。
【折々のことば・光太郎】
先づ第一に、芸術は唯自然の綿密な研究です。此が無くてはわらわれは救はれない。芸術家たり得ない。
光太郎訳 ロダン「ロダンの手帳 クラデル編」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃
光太郎の親友だった碌山荻原守衛は、パリからの帰国に際し、ロダンに別れの挨拶し、「帰国後は師と仰ぐべきものがないが、誰を師と仰ぐべきか」と尋ねると、ロダンから「自然、自然こそ最大の師ではないか」と諭されたそうです。
