NHKさんで平成23年(2011)から放映されている「グレーテルのかまど」。そろそろ長寿番組ですね。
10月6日(月)の放映では光太郎がメインで扱われます。
再放送NHK総合 10月13日(月) 11:05~11:30 NHK Eテレ 10月15日(水) 15:10~15:35
スタジオでの調理や試食などと、取り上げる人物等のVでの紹介が半々、Vの方で出演させていただきます。製作会社さんからお話があり、先月、撮影クルー総勢4名の皆さんが千葉の事務所兼自宅へロケにいらして下さいました。都心からそこそこ遠いところ、申し訳なく存じました。
「珈琲店(カフヱ)より」は、明治43年(1910)4月、雑誌『趣味』に発表されたエッセイで、前年まで留学で滞在していたパリでの出来事が振り返られています。「レモンコーヒー」という語は書かれていませんが、「好きなCAFÉ AMRICANのCITRONの香ひを賞しながら室を見廻した」の一節があり、「CITRON」は「カフェ・ド・シトロン」を指すと考えられます。アメリカンコーヒーにグレナデンシロップを入れ、レモンスライスを浮かべたものだそうで。
スタジオ部分で出演、調理を担当される瀬戸康史さんは、グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」のヘンゼル15代目という設定。キムラ緑子さんがグレーテルかと思いきやそうではなく、「魔法のかまど」。お声のみのご出演で、ヘンゼルにレシピを伝授する役どころです。お二人の軽妙な掛け合いには毎回笑わせていただいております。
瀬戸さんは平成27年(2015)秋から翌春にかけての連続テレビ小説「あさが来た」で、智恵子の母校・日本女子大学校の創設者、成瀬仁蔵を演じられました。光太郎は同校の依頼で成瀬の胸像を制作しています。
キムラさんは、平成27年(2015)までBS朝日さんで放映されていた5分間番組「いにしへ日和」のナレーションを務められていました。同番組では「#107 福島県・二本松市・智恵子の空」(平成26年=2014)、「#122 岩手県・花巻市・高村光太郎と大沢温泉」(同)の2回、光太郎智恵子に触れてくださいました。
レモンと言えば智恵子。今回の放映も10月5日の智恵子忌日「レモンの日」にちなんでのもの。そこで智恵子についても語らせていただき、手許にある詩集『智恵子抄』初版も撮影されました。ちなみにこの初版本、やはりNHKさんの「(平成27年=2015)などにも「出演」。持ち主よりも活躍しています(笑)。
また、昨夜放映された予告編では、バックに米津玄師さんの「lemon」が流れていました。切ないメロディーが「レモン哀歌」の世界観にぴったりだと改めて感じました。
ぜひご覧下さい。
【折々のことば・光太郎】
又伝へるものは優美の事もあらうし、烈しい強さの事もあらうし、愛情的魅力の事もあらうし、制し難い激越の事もあらう。
ロダンが彫刻について語った一節ですが、詩の世界にも言えることのような気がします。訳した光太郎もそう感じていたのではないでしょうか。
10月6日(月)の放映では光太郎がメインで扱われます。
NHK Eテレ 2025年10月6日(月) 22:00~22:25
再放送
仕事や子育てに追われながらも、ほっと一息つく大切な時間。お菓子にまつわる数々の物語、そして思いがけない誕生のドラマを、15代ヘンゼル(瀬戸康史)と魔法のかまど(キムラ緑子)がお届けします。
高村光太郎とレモンにまつわる芸術と愛の物語を、パリでの出来事を書いた「珈琲店より」や智恵子抄の詩などとともに紹介します。スタジオでは「珈琲店より」に出てくるレモンコーヒーのほか、番組オリジナルのレモンコーヒーに合うレモンスイーツなどを作ります。
出演者 【声】キムラ緑子【出演】瀬戸康史高村光太郎とレモンにまつわる芸術と愛の物語を、パリでの出来事を書いた「珈琲店より」や智恵子抄の詩などとともに紹介します。スタジオでは「珈琲店より」に出てくるレモンコーヒーのほか、番組オリジナルのレモンコーヒーに合うレモンスイーツなどを作ります。
スタジオでの調理や試食などと、取り上げる人物等のVでの紹介が半々、Vの方で出演させていただきます。製作会社さんからお話があり、先月、撮影クルー総勢4名の皆さんが千葉の事務所兼自宅へロケにいらして下さいました。都心からそこそこ遠いところ、申し訳なく存じました。
「珈琲店(カフヱ)より」は、明治43年(1910)4月、雑誌『趣味』に発表されたエッセイで、前年まで留学で滞在していたパリでの出来事が振り返られています。「レモンコーヒー」という語は書かれていませんが、「好きなCAFÉ AMRICANのCITRONの香ひを賞しながら室を見廻した」の一節があり、「CITRON」は「カフェ・ド・シトロン」を指すと考えられます。アメリカンコーヒーにグレナデンシロップを入れ、レモンスライスを浮かべたものだそうで。
スタジオ部分で出演、調理を担当される瀬戸康史さんは、グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」のヘンゼル15代目という設定。キムラ緑子さんがグレーテルかと思いきやそうではなく、「魔法のかまど」。お声のみのご出演で、ヘンゼルにレシピを伝授する役どころです。お二人の軽妙な掛け合いには毎回笑わせていただいております。
瀬戸さんは平成27年(2015)秋から翌春にかけての連続テレビ小説「あさが来た」で、智恵子の母校・日本女子大学校の創設者、成瀬仁蔵を演じられました。光太郎は同校の依頼で成瀬の胸像を制作しています。
キムラさんは、平成27年(2015)までBS朝日さんで放映されていた5分間番組「いにしへ日和」のナレーションを務められていました。同番組では「#107 福島県・二本松市・智恵子の空」(平成26年=2014)、「#122 岩手県・花巻市・高村光太郎と大沢温泉」(同)の2回、光太郎智恵子に触れてくださいました。
レモンと言えば智恵子。今回の放映も10月5日の智恵子忌日「レモンの日」にちなんでのもの。そこで智恵子についても語らせていただき、手許にある詩集『智恵子抄』初版も撮影されました。ちなみにこの初版本、やはりNHKさんの「(平成27年=2015)などにも「出演」。持ち主よりも活躍しています(笑)。
また、昨夜放映された予告編では、バックに米津玄師さんの「lemon」が流れていました。切ないメロディーが「レモン哀歌」の世界観にぴったりだと改めて感じました。
ぜひご覧下さい。
【折々のことば・光太郎】
又伝へるものは優美の事もあらうし、烈しい強さの事もあらうし、愛情的魅力の事もあらうし、制し難い激越の事もあらう。
光太郎訳 ロダン「ロダンの言葉 ポール グゼル筆録」より
大正5年(1916)頃訳 光太郎34歳頃
ロダンが彫刻について語った一節ですが、詩の世界にも言えることのような気がします。訳した光太郎もそう感じていたのではないでしょうか。















