光太郎の父・光雲の手になる彫刻(大正12年=1923)が施された祭車が出る祭礼です。

桑名石取祭

期 日 : 2025年8月2日(土)~8月3日(日)
会 場 : 春日神社(桑名宗社)周辺 三重県桑名市本町46番地
時 間 : 8月2日(土) 試楽 (午前0時叩き出し)  8月3日(日) 本楽

 「日本一やかましい祭り」「天下の奇祭」として知られる、桑名市の春日神社を中心に行われる祭です。華麗な装飾を施した最大40台の祭車に鉦や太鼓をつけ、それらを一斉に打ち鳴らす音が、見る者を圧倒させる勢いある勇壮な祭りで、桑名の夏の風物詩として、地元の方に昔から親しまれています。
 本楽では春日神社への巡行を行うため、旧東海道などを練り歩くその姿は荒々しく、勇敢さを感じると言われています。
 立川和四郎富重の彫刻や高村光雲作の飾り物をもつ歴史的にも価値の高い祭車もあり、各地区の住民は総出で参加し、一年一度の最大の娯楽行事ともなっています。
 2007(平成19)年3月7日に国の重要無形民俗文化財に指定され、2016(平成28)年12月1日には、「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産代表一覧に記載されました。
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光雲の木彫が施されているのは、「羽衣」という祭車。「組」としては「第一組」、今年は春日神社さんへの渡りが12番目だそうです。
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上の2枚は公式サイトから。

宮大工(株)飛鳥工務店さんのサイトにアップされている写真をお借りします。
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すべて一木造りでしょう。人間業とは思えません。機械でも無理でしょうが。3Dプリンタなら、とも思いましたが木材には対応していないでしょうし、そもそも3Dプリンタも元になる造型がなければどうしようもないわけで。これはこれで文化財に指定されてもおかしくない、というかされるべきものだと考えます。

もう一台、「太一丸」という祭車にも光雲工房作の木彫があしらわれているのですが、こちらの祭車は残念ながらもうしばらく出ていません。担い手不足などが原因とすれば淋しい限りです。それを言えば、全体の数も昨年は40台だったのが今年は39台のようで、それもそうなのでしょうか。石取祭と同時にユネスコ無形文化遺産に登録された、当会事務所兼自宅のある千葉県香取市の「佐原の大祭」でも同様のケースがありました。残る「羽衣」の祭車が出なくなるという事態はあってほしくないものです。

というわけで、ぜひ足をお運びの上、光雲の超絶技巧をご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

当日饗宴の半ばに中座でもするといけないと思ふので、失礼ながら五日には不参にして、自宅から祝福を送ります。何だか心が花やぐ思ひです。


昭和30年(1955)11月3日 髙村豊周宛書簡より 光太郎73歳

「饗宴」は、光太郎実弟の豊周息女(つまり光太郎令姪)の美津枝さん(ご健在です)と、岩波映画社の故・高村武次氏の結婚披露宴です。闘病中でなければぜひとも出席したかったでしょう。