始まってしまっています。

きもののヒミツ 友禅のうまれるところ

期 日 : 2025年7月19日(土)~9月15日(月)
会 場 : 京都国立近代美術館 京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
時 間 : 午前10時~午後6時
休 館 : 月曜日 ただし7月21日(月・祝) 8月11日(月・祝) 9月15日(月・祝)は開館
      7月22日(火)、8月12日(火)
料 金 : 一般:2,000円(1,800円) 大学生:1,300円(1,100円)
      高校生:600円(400円) ※( )内は20名以上の団体料金

 きものは衣服として、人々の身体を彩ってきました。そして表面を意匠で装飾されるきものは、一定の幅の反物を直線縫いで仕立てるため非常に強い平面性をもつ一方で、施された多彩な意匠は、衣服として身にまとうことで立体性が生まれます。この平面と立体を行き来するところに、デザインされたものをはじめから立体裁断で制作していく洋服とは大きく異なるおもしろさがあります。
 小袖と呼ばれたきものは桃山時代から江戸時代にかけて形式が整い、それを装飾するものとしてさまざまな意匠・模様構成が展開しました。幕末になるとパターン構成の形式化が進みますが、明治時代以降の京都においては日本画家の構想力や空間構成を活かした新たな染織図案が生み出され、斬新なデザインが次々と出現しました。こうしたきものの制作現場では、当時も現在も、平面に描いた下絵から染色図案になる過程で、着用して立体となることを想定した応用や調整の手が加えられてきました。ここに「きもののヒミツ」がひそんでいるのです。
 本展は近世から近代のきものの優品や、近世の流行を支えた雛形本などの資料、さらに円山応挙から始まる京都画壇の展開と染織図案との関わり、図案を染織作品へと応用する過程、染織図案の流行が他の工芸品とも共有するものであったことも紹介。これまでにない視点から「きもののヒミツ」に 迫ります。

展示構成
 第1章 平面と立体のあいだで きものと雛形本
 第2章 京都画壇の日本画と下図、染色図案
 第3章 図案から染織品へ 描かれた図案と染められた図案
  3-Ⅰ 図案から友禅へ
  3-Ⅱ 流行模様と友禅、工芸
 第4章 平面と立体のあいだで 京都の友禅の人間国宝

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基本的にきものそのものの展示が中心です。ただ、それだけでなく図案や関連するアイテムなどの紹介も。そこで出品目録に依れば、「3-Ⅱ 流行模様と友禅、工芸」中に光太郎の父・光雲も腕を揮った「福禄封侯図飾棚」(明治16年=1883 旭玉山、石川光明、大谷光利、香川勝廣、加納鐡哉、加納夏雄、柴田是真との合作)が展示されています。
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こちらは令和3年(2021)に同館で開催された「モダンクラフトクロニクル―京都国立近代美術館コレクションより―」展でも出品されました。なかなかに手の込んだ作ですね。

よくある音声ガイドは、女優の常盤貴子さん。

ぜひ足をお運びください。

【折々のことば・光太郎】

神経痛はまだ治りません、 一切中西夫人の手を煩はしてゐますが、今月から食事担当の家政婦さんを一人たのみました、


昭和30年(1955)9月30日 宮崎春子宛書簡より 光太郎73歳

もはや「神経痛」と言っているレベルではなく、肺はボロボロなのですが、心配をかけまいという心遣いでしょう。

「家政婦さん」は中野家政婦会から派遣された堀川スイ子。最初に雇ったのは別の人でしたが、すぐに交代、堀川には亡くなるまで面倒を見て貰いました。

光太郎が没した直後に発行された『文芸 臨時増刊 高村光太郎読本』に、堀川による「高村先生の思ひ出」という飾らない文章が掲載され、昭和34年(1959)に刊行された草野心平編『高村光太郎と智恵子』という80余名の回想録にも転載されました。