昨日は同じ千葉県内の野田市に行っておりました。過日ご紹介した「森優子朗読ライブ Teatime Concert in 琥珀茶寮あずき」拝聴のためです。

会場の琥珀茶寮あずきさん。
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市の中心部を少し外れた住宅街の一角で、こちらも元々は普通の住宅だったようなたたずまいでした。光太郎の父・光雲の木彫も展示されている茂木本家美術館さん、光雲の師・東雲の彫刻が納められている琴平神社さんや報恩寺さんなども近いと云えば近いあたりです。

こちらではミニコンサートやアート制作のワークショップなど、様々なイベントも行われており、昨日はその一環としての朗読会でした。ご出演は森優子さんという方。ちょっと離れた松戸市にお住まいのようです。元々あずきさんにお客様としていらしていたそうですが、あずきさんのオーナーの方が、昨年松戸で開催された森さんの朗読会を聴かれ、「それならうちでも」とお願いなさって実現したとのこと。

さて、昨日の朗読会。まずは光太郎の「智恵子抄」から。読まれた詩は順に「人に(遊びぢやない)」(大正2年=1913)、「樹下の二人」(大正12年=1923)、「あなたはだんだんきれいになる」(昭和2年=1927)、「あどけない話」(昭和3年=1928)、「値(あ)ひがたき智恵子」(昭和12年=1937)、「レモン哀歌」(昭和14年=1939)、「梅酒」(昭和15年=1940)。

詩の朗読というと、ゆったりとかみしめるように読まれる方が多い中、森さんは少し早口めのきびきびした読み方で、なるほど、こういうのもありだな、と思いました。さらにいつも思うのですが、光太郎の詩はわざとらしくない踏韻や内在律が素晴らしく、聴いていて心地よいものでした。

後半は、光太郎と軽く交流のあった芥川龍之介の「杜子春」。もちろん知らない話ではありませんでしたが、細かな部分は忘れており、「ああ、そういえばそうだった」「このあとどうなるんだっけ?」「あれ、ここはこうだったんだ」という感じで、ある意味新鮮でした。さらにアンコール的に、これも光太郎とつながりのあった中原中也の「吹く風を心の友と」。これでおおむね一時間ちょっとでした。

10月にはまたタッグを組まれ、福島の会津でやはり「智恵子抄」を含む公演をなさるそうです。これまたありがたいお話です。

それも含め、今後のますますのご活躍を祈念いたします。

以上、野田市レポートでした。

【折々のことば・光太郎】

先日はおてがみでいろいろ御様子をうかがひ、よろこびました、又剣舞の人形もいただきました、これは運送の途中ボール箱がおしつぶされて人形の足などが破損しましたが、修繕して飾りました、

昭和30年(1955)8月11日 高橋正亮宛書簡より 光太郎73歳

「剣舞」は「けんばい」と読み、岩手を代表する郷土芸能です。宮沢賢治が詩にしたことで江刺の「原体剣舞」が有名ですが、光太郎第二の故郷・花巻でも多くの地区に独自の剣舞が伝わっています。