公式サイトに情報が出るのを待っていたのですが、まだ出ていません。しかし開幕が迫っていますので、見切り発車でご紹介してしまいます。

春季企画展 特別展示 智恵子紙絵 高村智恵子紙絵 高村光太郎詩稿

期 日 : 2025年4月19日(土)~6月22日(日)
会 場 : 碌山美術館杜江館 長野県安曇野市穂高5095-1
時 間 : 9:00-17:10
休 館 : 4月21日(月) 5月以降無休
料 金 : 大人 900円 高校生 300円 小中生 150円 20名様以上団体料金

高村智恵子の紙絵は、会期中展示の入れ替えを行います。

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光太郎の親友だった彫刻家・碌山荻原守衛の個人美術館、碌山美術館さん。

髙村家所蔵の智恵子紙絵、光太郎詩稿のそれぞれ実物が展示されます(紙絵は複製も)。めったにない機会です。常設展示では光太郎ブロンズも出ています。

併せてご紹介しますが、守衛の忌日「碌山忌」も会期中に催されます。会場内グズベリーハウスで地元の方々を中心としたコンサート、夕方から守衛の墓参(館の方、サポートメンバーの方が車を出して下さいます)、その後再びグズベリーハウスで懇親会を兼ねた碌山を偲ぶ会。昨年の模様はこちら
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また、碌山忌の関連事業として記念講演会も企画されています。

碌山美術館第115回碌山忌記念講演会 姜尚中 アートが拓く地域力

期 日 : 2025年4月19日(土)
会 場 : 穂高会館 長野県安曇野市穂高5047
時 間 : 13:30~15:00
料 金 : 無料(要碌山美術館入場チケット)
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かつてNHKEテレさんの「日曜美術館」で司会を務められ、同館で老朽化した碌山館(本館)補修のためのクラウドファンディングを行った際には、真っ先にメッセージを送られた姜尚中氏が講師です。ただ、既に定員となってしまっているようです。しかしキャンセル等もあるかと思われますので一応。

当方、22日の碌山忌の日に伺います。みなさまもぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】fbf18a8c

花巻出発の際はあんな深夜にわざわざ停車場までお見送り下され、感謝いたしました、無事東京につきましたが、ひどく忙がしい事がつづき今日に至りました、


昭和27年(1952)10月29日 
駿河哲夫宛書簡より 光太郎70歳

生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のため、花巻駅から夜行列車に乗ったのが10月11日。翌朝9時45分、上野駅に着き、大勢の出迎えを受けました。

早速、上野駅で生ビールを堪能、そしてこの日は駒込林町155番地の実家に泊まりました。

光太郎令甥の髙村規氏が、平成25年(2013)の碌山忌記念講演会「伯父 高村光太郎の思い出」で語った回想から。

 光太郎が東京へ帰って来た晩、家へ泊って久しぶりで兄弟とか伯父さん、僕の妹やなんかみんな集まって、茶の間で、自分が三十才で独立するまで住んでた家ですから、昔のまんま、仏壇でも何でも残ってるもんですから、久しぶりで物珍しげに部屋を見て回ってました。戦前からいたばあやがまだ元気でいたんですね。ばあやが挨拶に部屋へ出て来て。そしたら「おばさんまだ元気だったの、よかった。じゃあお小遣いをあげなきゃ」とか言いながら、昔とおんなじ気分で炬燵へ足を突っ込んで。その晩はかなり遅くまでしゃべってました。何を作るのか。僕は高校三年生でした。

微笑ましいエピソードです。