「春が来た」といいたいところですが、まだまだ今日明日あたりは寒波が居座るようで……。

先日、岐阜県白川町さんの広報誌『広報しらかわ』今月号に光太郎詩「冬が来た」(大正2年=1913)が取り上げられていたのをご紹介しましたが、同様に北海道新篠津村さんの『広報新しのつ』さん今月号にも「冬が来た」が取り上げられていました。

UP DATE 地域おこし協力隊「冬が来た」

003 私の好きな高村光太郎さんの「冬が来た」という詩を紹介します。

  冬が来た
 
 きつぱりと冬が来た
 八つ手の白い花も消え
 公孫樹(いてふ)の木も箒になつた

 きりきりともみ込むやうな冬が来た
 人にいやがられる冬
 草木に背(そむ)かれ、虫類に逃げられる冬
  が来た
 
 冬よ
 僕に来い、僕に来い
 僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
 
 しみ透れ、つきぬけ
 火事を出せ、雪で埋めろ
 刃物のやうな冬が来た

 この詩は、冬の厳しさを人生の困難に例えているように感じられます。しかし、きっぱりとそれを潔く受け入れて迎えようとする強い意志が感じられるように思います。私達しんしのつの冬もまた、様々な厳しさがありますが、この激しい雪も、雪溶けの豊かな恵み深い水に繋がって行くことを思い起こし、毎日黙々と雪かきに向かいたいと思います。
 さて、今年も冬の最大イベント「しんしのつ天灯(ランタン)祭り」が2月22日(土)に開催されます。初めての試みとして『冬の花火』を打ち上げます。
 春は『桜』、秋は『紅葉』、冬は『雪』、そして夏が『花火』。四季を彩る風物詩の中で、唯一つ自然が織りなすものでないのが『花火』。人が作り演出しなければならないのが花火です。これを冬の風物詩『雪』の中で『天灯』とともに願いを込めて打ち上げます。
 しんしのつの冬は、毎日しんしんと雪が降り続きますが、村の人も村外の人も一緒にランタン祭りを楽しみましょう!

今月の担当:早瀬 慶四郎(農商工連携推進員)


新篠津村さんというのが北海道のどの辺なのか全く存じませんでしたが(すみません)、調べたところ、札幌の北東、岩見沢の西、日本海側ですので豪雪地帯なのでしょう。
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温暖な房総で「寒い、寒い」と言っているのが申し訳なく存じます。

「冬が来た」ついでにもう1件。

NHK Eテレさんで今月18日の未明に「NHK高校講座 言語文化 冬が来た(高村光太郎)」の放映がありました。てっきり再放送だと思っていたのですが、初回放映だったようで、放映後になってNHKさんのサイトで動画が公開されました。
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ナビゲーターはナレーター・声優の木本景子さん、解説で中央大学杉並高等学校さん教諭の齋藤祐氏、詩朗読がフリーアナウンサー・高山久美子さん。
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なかなかよくできた作りでした。
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特に「冬」と「僕」は一体化してしまっている、といったくだり。
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なるほど。

ぜひNHKさんのサイトからご覧下さい。

それにつけてもやはり「春が来た」と早く言いたいものです(笑)。

【折々のことば・光太郎】

東京も寒くなつたとききます。こちらも厳寒となりました。


昭和27年(1952)1月7日 草野心平宛書簡より 光太郎70歳

昭和27年(1952)の年が明け、光太郎、数え70歳となりました。以前から「70になったら本当の仕事を始める」と宣言していた通り、この年の秋には花巻郊外旧太田村での蟄居生活を切り上げ、上京。生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作にかかります。その話が舞い込むのは春になってからで、この時点では未だ伝えられていませんでした。