オンラインでの講座を2件ご紹介します。

戦争とモダニズムの詩学 現代詩の源流と詩作のヒント

期 日 : 2025年2月8日(土)
時 間 : 13:30~15:00
料 金 : 一般3,850円
主 催 : 朝日カルチャーセンター新宿教室

 1920年代から30年代は、現代詩の源流ともいうべきモダニズム詩の時代。今から見ても斬新・お洒落で、胸を打つ作品が沢山生まれました。一方で、それは戦争はじめ動乱の時代、人間性が危機に直面する時代でした。様々な危機に直面して、詩人たちが思いを託したのが機械や動物など「人間ではないもの」のイメージです。
 こうした表象を探りつつ、近年話題となった左川ちかや、萩原恭次郎、高村光太郎その他の詩を探訪し、バラエティ豊かな作品から、詩を創作する際のヒントも提示します。
 Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。

講 師 : 鳥居万由実
 文学研究者、詩人、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。近著に『「人間ではないもの」とは誰か: 戦争とモダニズムの詩学』(2022年、青土社)。2008年、第一詩集『遠さについて』(ふらんす堂)により中原中也賞最終候補。他に、実験的散文集『07.03.15.00』(ふらんす堂、2015年)がある。
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講師の鳥居氏、紹介文にあるとおり青土社さんから『「人間ではないもの」とは誰か-戦争とモダニズムの詩学-』を刊行されています。同書ではまるまる一章費やして光太郎にも触れて下さいました。

もう1件。

心に響くオンライン朗読講座~基本スキル編~

期 日 : 2025年2月14日(金)・2月28日(金)・3月14日(金)
時 間 : 10:30~12:00
料 金 : 9,900円
主 催 : NHKカルチャー西宮ガーデンズ教室

声の響きや作品の息遣いを楽しみながら、朗読の世界に心を遊ばせてみましょう。伝わる声づくりから明瞭な発音、声の表現力の磨き方、朗読の基本をオンラインで受講していただけます。声と言葉の豊かさは心の豊かさ。人生をより豊かに、実りあるものにしてくれます。ぜひ、朗読にチャレンジしてみてください。

●1回目:ここちよく声を出すために 「あどけない話」高村光太郎等
 伸びやかな声のためのストレッチ、声を心を安定させる腹式呼吸、明瞭な発音の基本
●2回目:声の可能性にチャレンジ 「やまなし 五月」宮沢賢治
 ベストボイスを探す、苦手な発音を克服、声の5要素を深める
●3回目:声の表現力を広げる 「やまなし 十二月」宮沢賢治
 朗読の手順、作品の息遣いを伝える表現

講 師 : 川邊暁美(朗読家・神戸女学院大学非常勤講師)
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川邊氏は同様の講座で昨年1月11月にも講師を務められました。たびたび光太郎作品を取り上げて下さり、ありがたいかぎりです。

それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

あの写真は今年撮影したものです。標柱再建に際して文字を書いてゐるところを偶然撮影されたものです。


昭和26年(1951)6月20日 矢沢高佳宛書簡より 光太郎69歳

「あの写真」は、『文藝春秋』第29巻第9号の巻頭グラビアページに載った田村茂の撮影になるもの。父・光雲の十三回忌を記念して、昭和21年(1941)に山小屋脇に栗の実を植え、建てた標柱が傷んだため、この年再建した際のものです。
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標柱は光太郎没後に石材にコピーされ、巨木に生長した栗の木の傍らに建てられました。現物は高村光太郎記念館さんで保存しています。

その後、残念ながら平成29年(2017)頃にこの栗の木が枯死してしまい、倒壊の危険があるということで、やむなく伐採されてしまいました。石の標柱は元の場所に現存しています。
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