先月、ちょぼちょぼといろいろなところに光太郎の名が出たのですが、速報の必要のないものは紹介しきれていませんでしたので、今日明日あたりで取り上げます。

今日は地方紙『岩手日日』さん、12月15日(日)の記事。

花巻の物知り度は ご当地検定に18人挑戦 歴史や文化、先人、方言も

 花巻観光協会のご当地検定「はなまき通検定」が14日、花巻市葛の市交流会館で行われた。市民らが花巻の歴史や文化、先人、観光など知る人ぞ知る花巻の難問に挑んだ。
 はなまき通検定は、花巻に関する知識の深さを認定する検定試験で、観光従事者だけでなく市民が観光客をもてなせるよう、花巻の知識習得を目的に実施。8回目となった今回は市内を中心に18人が挑戦した。
 受検者は、事前配布された検定の問題作成の基本となるテキストなどで学習。宮沢賢治や高村光太郎、新渡戸稲造らゆかりの先人に関わる設問をはじめ、市内にある高速道路のインターチェンジの数、わんこそば全日本大会の制限時間、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録された花巻の郷土芸能、方言「とのげる」の意味、メジャーリーガーの菊池雄星投手がプロデュースするトレーニング施設名など多岐にわたった。
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主催は花巻観光協会さん。4択問題が50問出され、1問2点の計算で80点以上が合格だそうです。事前に配付されるテキスト『はなまき通検定 往来物』は全75ページ。結構な分量ですね。
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今回で8回目ということですが、その都度改訂も入っているそうです。確かに記事には花巻東高出身の菊池雄星投手の件など、最近のネタも出題されたとあります。

我らが光太郎についても〈キラリと輝く先人達〉という章で「高村光太郎」の項を設けて下さっています。ありがたし。
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他にも大沢温泉さん、鳥谷崎神社さん、萬鉄五郎、多田等観、佐藤隆房、金田一国士などの項にも光太郎の名。よそ者でも地域に貢献すればこういう扱いになるのですね。

ちなみに令和2年(2020)に行われた第4回の際にも報道に光太郎の名があったので、このブログでご紹介していました。
「はなまき通検定」問題。

全国の自治体さん社会教育のご担当、観光協会さんなど、ご参考までに。

【折々のことば・光太郎】

おてがみによると来月見舞に来訪との事ですが、これは取りやめにしてください。無駄な旅費をかけることになります。おめにかかるのはうれしい事ですが実際は病気にはよくありません。静かにしてゐるのが一番いいわけですから。見舞いといふものは精神的慰撫ですが、小生は精神的には堅固です。

昭和26年(1951)3月15日 宮崎稔宛書簡より 光太郎69歳

宮崎は光太郎姻族。結核性の肋間神経痛でペンを持つのも一苦労という光太郎を見舞おうとしましたが、光太郎の方で謝絶。「見舞いといふものは精神的慰撫ですが、小生は精神的には堅固です」。これは決して強がりではなかったように思われます。