明日開幕です。

コレクション展III いのちを彫る 時を刻む 呉美の彫刻コレクション

期 日 : 2024年12月14日(土)~2025年2月11日(火・祝)
会 場 : 呉市立美術館 広島県呉市幸町入船山公園内
時 間 : 10:00~17:00
休 館 : 火曜日 12月29日(日)~2025年1月3日(金)
料 金 : 一般 300円、高校生 180円、中学生・小学生 120円

日本では古来より仏像などを中心に立体作品が制作されてきました。西洋の制度や文化が流入した明治以降、美術教育にも外来の手法が取り入れられ、そのなかで「彫刻」という概念も誕生します。特にロダンの生命感溢れる人体表現は多くの日本人芸術家や文人たちを魅了し、高村光太郎ら「白樺」の面々を中心に明治から大正期の日本で積極的に紹介され、日本近代彫刻の形成に多大な影響を与えました。また日本の木彫の技術も、西洋の彫刻術を研究したうえで伝統を深化させた木彫家たちによって継承されてきました。戦後は使用される素材や圭太も多様となり、こんにちでは彫刻作品は美術館に限らず街の至るところに点在して、私たちの目を楽しませてくれます。

本展では当館の収蔵作品より近現代の彫刻作品約50点を紹介します。ロダンやブールデルの彫刻を熱心に学んだ高村光太郎、佐藤忠良、舟越保武らをはじめ、平櫛田中の木彫作品、堀内正和や清水九兵衛らによる抽象表現、そして上田直次や水船六洲といった呉ゆかりの彫刻家の作品を通じて、彫刻の多様な表現をお楽しみください。
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関連行事

 鋳造体験ワークショップ「低融点合金を使ってペーパーウェイトを作ろう」
  日 時:2025年2月9日(日) 13:00~15:00
  会 場:地下講座室
  定 員:10名(小学生以上、小学生は要保護者同伴)
  参加費:1,000円(含入館料)
  申 込:12月4日(水)~1月31日(金)に電話もしくはweb専用フォームから

 館長講座 「近代彫刻と現代彫刻について」
  日 時:2025年1月19日(日)、1月26日(日)
  時 間:13:30~15:00
  講 師:横山勝彦館長
  定 員:30名(予約不要・先着順)

 学芸員によるギャラリートーク
  日 時:12月14日(土)、1月11日(土)、2月8日(土)  11:00~(約30分)


同館、近現代の彫刻作品の収集・展示に力を入れられていて、そのコレクション展です。総数約50点を出すというので、かなり見応えがありそうです。

フライヤー表面、メインで光太郎のブロンズ「手」(大正7年=1918)。ありがたし。他にも光太郎作品は「裸婦坐像」(大正6年=1917)が収蔵されており、出展があるかもしれませんが、出品目録がネット上に出ていません。

ご興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

岩手人には素質がある。必ずいまに続々いい画家や彫刻家が出ると確信してゐる。のぼせないでしっかりやることだ。

昭和25年(1950)9月30日 金野照夫宛書簡より 光太郎68歳

金野はこの時岩手県立美術工芸学校在学中。おそらく新制作派展入賞の知らせに対する祝辞的な書簡と思われます。

戦争協力への悔悟から、自らに対する罰として花巻郊外旧太田村に隠棲し、彫刻の実作からは離れていた光太郎ですが、岩手の若い芸術家たちへの期待は大きいものがありました。