うまいこと考えるもんだな、と感心しました。

【米津玄師と文学】フェア『LOST CORNER』

期 日 : 2024年10月9日(水)~11月17日(日)
会 場 : 紀伊國屋書店横浜店 横浜市西区高島2-18-1そごう横浜店7F
時 間 : 10:00〜20:00
料 金 : 無料

『LOST CORNER』でまた素晴らしい音楽世界を披露してくれた米津さん。米津作品の大きな魅力の一つである豊かな言葉の世界をより深く理解するためのフェアを始めました!店長+横浜地区の米津ファンスタッフによる熱いPOPとともに展開しています!
入口入って右奥の棚にて。
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フェア書目
新編宮沢賢治詩集 新潮文庫 (改版) 宮沢賢治、天沢退二郎/新潮社
新編 銀河鉄道の夜 新潮文庫 宮沢賢治/新潮社
山椒魚 新潮文庫 井伏鱒二/新潮社
厄除け詩集 講談社文芸文庫 井伏鱒二/講談社
茨木のり子詩集 岩波文庫 茨木のり子、谷川俊太郎/岩波書店
詩のこころを読む 岩波ジュニア新書 茨木のり子/岩波書店
一握の砂/悲しき玩具 ― 石川啄木歌集 新潮文庫 (改版) 
 石川啄木、金田一京助/新潮社
中原中也詩集 新潮文庫 中原中也、吉田熈生/新潮社
二十億光年の孤独―Two Billion Light‐Years of Solitude 集英社文庫 
 谷川俊太郎、ウィリアム・I.エリオット/集英社
山頭火句集 ちくま文庫 種田山頭火、村上護/筑摩書房
三四郎 新潮文庫 夏目漱石/新潮社
パリの砂漠、東京の蜃気楼 集英社文庫 金原ひとみ/集英社
君のクイズ 小川哲/朝日新聞出版
みどりいせき 大田ステファニー歓人/集英社
アンソロジー 死神 角川ソフィア文庫 東雅夫/KADOKAWA
わたしを離さないで ハヤカワepi文庫 カズオ・イシグロ、土屋政雄/早川書房
日々の泡 新潮文庫 ボリス・ヴィアン、曽根元吉/新潮社
うたかたの日々 光文社古典新訳文庫 ボリス・ヴィアン、野崎歓/光文社
ブレーメンの音楽師―グリム童話〈3〉 新潮文庫
 ヤーコプ・グリム、ヴィルヘルム・グリム/新潮社
不思議の国のアリス 新潮文庫 ルイス・キャロル、矢川澄子/新潮社
マザー・グース 〈1〉 講談社文庫 谷川俊太郎、和田誠(イラストレーター)/講談社
デューン 砂の惑星〈上〉〈中〉〈下〉 ハヤカワ文庫SF
 フランク・ハーバート、酒井昭伸/早川書房
海からの贈物 新潮文庫 (改版)
 アン・モロー・リンドバーグ、吉田健一(英文学)/新潮社
風の谷のナウシカ(7巻セット)
 ― トルメキア戦役バージョン アニメージュコミックスワイド版
海獣の子供 〈1〉~〈5〉 IKKI COMIX 五十嵐大介/小学館
うろんな客 エドワード・ゴーリー、柴田元幸/河出書房新社
エドワード・ゴーリーの世界 濱中利信、柴田元幸/河出書房新社
外科室・天守物語 新潮文庫 泉鏡花/新潮社
永遠も半ばを過ぎて 文春文庫 中島らも/文藝春秋
我が愛する詩人の伝記 講談社文芸文庫 室生犀星/講談社
文学部唯野教授 岩波現代文庫 筒井康隆/岩波書店
死について考える 知恵の森文庫 遠藤周作/光文社
歌うクジラ〈上〉〈下〉 講談社文庫 村上龍/講談社
人間の土地 新潮文庫 (改版) サン・テグジュペリ、堀口大学/新潮社
人間の大地 光文社古典新訳文庫 サン・テグジュペリ、渋谷豊/光文社
智恵子抄 新潮文庫 (改版) 高村光太郎/新潮社
ヴァルター・ベンヤミン―闇を歩く批評 岩波新書 柿木伸之/岩波書店
クレーの天使 パウル・クレー、谷川俊太郎/講談社
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ご存じ米津玄師さんが、楽曲のモチーフになさったり、インスパイアの元となったりした作品を含むであろう書籍をまとめて販売するというコンセプト。単体でボンと置いておいてもそれほど売れ筋とは言えないものも、こうすることによって相乗効果と言いましょうか、付加価値と言いましょうか、そういうものが生まれて売れて行く、と。

平成30年(2018)のヒット曲「lemon」がらみで光太郎の『智恵子抄』新潮文庫版も入れていただいています。当初はラインナップに外れていたのですが、先月末に新たに組み込まれました。
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CDリリース前に、音楽チャート・Billboard(ビルボード)の日本公式サイト「Billboard JAPAN」さんに載ったインタビュー

--米津さんは文学もお好きだと思うんですけど、私はタイトルを見たときに梶井基次郎の『檸檬』が頭をよぎりました。
米津玄師:確かに「レモン」って文学的なニュアンスがあるとは思ってて。他にも高村光太郎の『智恵子抄』(「レモン哀歌」)とか。そういうものからレモンが無意識的に自分の頭の中にはあって、そこから出てきたっていう面はあるかもしれないです。

行かれた方のSNS投稿等を見ると、各書籍につけられたポップが素晴らしいとの声多数。

「紙の書籍は売れない」「街の書店が危機」……さんざん聴かされていますが、努力次第でいくらでもこうした工夫が出来るはずですね。

ご紹介が遅れてしまいまして、会期あと僅かですが、ぜひ足をお運びの上、『智恵子抄』、お買い求めください。

【折々のことば・光太郎】

此の間澤田伊四郎さんが突然来訪、懇請されたので「智恵子抄その後」六篇と戦後の雑文とを一冊にまとめて出版することを承諾しました、


昭和25年(1950)5月29日 宮崎稔宛書簡より 光太郎68歳

52de0e93澤田伊四郎の龍星閣(オリジナル『智恵子抄』版元、前年に戦時の休業から復興)から『智恵子抄その後』が刊行されたのは11月。この年1月の雑誌『新女苑』に載った連作詩「智恵子抄その後」6篇を根幹に、それ以前の智恵子に関する詩「もしも智恵子が」「噴霧的な夢」(新潮文庫版『智恵子抄』にすべて収録)、智恵子に関わる散文をいくつか、あとは智恵子とは無関係な散文、詩で構成されています。函などには「詩集」と印刷されていますが、「詩文集」とすべきものです。

澤田にあてた、同書に関わる光太郎書簡等が澤田の故郷である秋田県小坂町に寄贈されています。