智恵子の故郷、福島の地方紙『福島民友』さんから。

「智恵子に親しみを」 高村夫妻結婚110周年、顕彰会が学校に絵本寄贈へ

 「智恵子抄」で知られる福島県二本松市出身の洋画家・紙絵作家高村智恵子と夫の詩人・彫刻家光太郎を顕彰する同市の「智恵子のまち夢くらぶー高村智恵子顕彰会」は12月、高村夫妻の結婚110周年などを記念し、智恵子の生涯を描いた絵本を智恵子の母校油井小をはじめ同市の全23小中学校と4地区の図書館、図書室に寄贈する。代表の熊谷健一さんは「絵本が二本松の次世代を担う子どもたちに美と愛を貫いた智恵子への親しみと理解を深めるきっかけにしたい」と期待を寄せている。
 贈呈は結婚110周年のほか、「僕の前に道はない 僕の後ろに道はできる」でおなじみの光太郎の詩集「道程」出版110周年、同くらぶ発会20周年の節目を祝って実施する。
 贈呈する絵本は、同くらぶと親交のある作家で画家、智恵子研究者坂本富江さん(東京都)が制作した紙芝居「夢を描くひとー高村智恵子」を今回の贈呈に合わせ、坂本さんが一部手直しして絵本化したもの。
 同団体は2005年に設立、智恵子講座などを通じて智恵子と光太郎の世界を研究している。贈呈式は12月15日に二本松市で開かれる「発会20年を祝うつどい」の席上、実施する。
 同団体は本年、各種記念事業として今月16日、安達太良山の“ほんとの空の下”で智恵子抄朗読大会の開催などを予定している。
 熊谷さんは「絵本を通して波瀾(はらん)万丈の生涯を生き抜いた高村夫妻の遺徳を後世に伝承するとともに、子どもたちに今後、さらに濃密、充実した人生を歩んでもらえる生きた教材として活用してほしい」と贈呈を心待ちにしている。
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絵本作者の坂本富江さん、太平洋美術会さんに所属され、絵を描かれている方です。同会に入会なさった動機の一つが智恵子もこちらに通っていたことだという筋金入りの智恵子ファンで、都内智恵子生家で個展を開かれたり、平成24年(2012)には『スケッチで訪ねる『智恵子抄』の旅 高村智恵子52年間の足跡』、同27年(2015)には同書の増補改訂版を刊行なさったりしました。それを元に、智恵子母校の二本松市立油井小学校さんや光太郎母校の荒川区立第一日暮里小学校さんなどで紙芝居の御披露もなさっています。

今回の絵本、当方、校正を担当いたしました。刊行は未だ少し先のようですが、世に出ましたらまた詳しくご紹介いたします。

その前に、記事にある「智恵子のまち夢くらぶー高村智恵子顕彰会」さんのイベント「智恵子純愛通り記念碑第15回建立祭」が10月14日(月・祝)に行われ、その中でまた坂本さんの紙芝居実演がプログラムに入っています。

これも近くなりましたら詳しく取り上げますのでよろしくお願い申し上げます。。

【折々のことば・光太郎】

今スルガさんに頼んで便所を新築してもらふ事にしてゐます。スルガさんが一切引きうけてくれました。


昭和24年(1949) 宮崎稔宛書簡より 光太郎67歳

光太郎が7年間の蟄居生活を送った花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)脇に建っている便所のことと思われます。「スルガさん」は土地を提供してくれていた駿河重次郎です。
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左側が「小」。右側が「大」で、その壁に明かり採りのため「光」一字を刳り抜きました。
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