主催者側発表には情報が無く、見に行かれた方のSNS等から「そうだったんだ」ということに気づく場合が時々あり、今回もそうでした。

福島ビエンナーレ2024"風月の芸術祭 in 白河―起" 

期 日 : 2024年8月24日(土)~9月15日(日)
会 場 : 福島県白河市
       白河市立図書館 りぶらん
        開館時間 10:00~20:00(土曜・日曜は9:30~18:00 休館日 月曜日)
       白河文化交流館コミネス
        開館時間 9:00~22:00(月曜は20:00まで 休館日 火曜日)
       しらかわ観光ステーション
        開館時間9:00~18:00 期間中無休
       マイタウン白河「風月の芸術祭」総合案内所
        展示時間10:30~18:30(施設は 9:00~21:00 期間中無休)
       旧脇本陣柳屋旅館蔵座敷
        開館時間 10:00~16:00(休館日 月曜日・祝日の際は火曜日)
       コミュニティ・カフェ EMANON
        営業時間 平日 15:00~20:00 土日 13:00~19:00(水曜・木曜定休日)
       翠楽苑
        開館時間 10:00~17:00(期間中無休)
       龍興寺
        展示時間 9:00~16:00
       だるまランド
        営業時間10:00~17:00
       南湖公園 芝生広場 湖畔 千世の堤 谷津田川(土橋~新橋)
料 金 : 基本的に無料、施設により要入場料

 本企画は、白河市の歴史、文化を基盤として、現代アートの創作、鑑賞、体験等の活動を展開するものです。
 「風月の芸術祭」というタイトルは、江戸時代の白河藩主、松平定信公の雅号「風月」に由来します。自然を愛で、文化を享受する心を伝えています。「風月」をテーマに、松平定信と関連する白河小峰城や南湖公園、白河関跡、奥州街道にある城下町の歴史・文化資源を活用し、多種多様なアート(絵画、彫刻、現代美術、書、文学、舞踊、演劇、映像作品、アニメーション等)の展覧会、上映や公演、講演会、シンポジウム、ワークショップを開催します。
 国際的なアーティスト等を招待し、地域住民との協働によって、雰囲気のあるまちづくり、地域を巡回して楽しめるエリア形成に取り組む中で、白河市を広くパブリック・リレーションズ( Public Relations; PR )します。

参加アーティスト
 吾子可苗/ 荒井経/ アヤ・カザリス/ 飯野和好/ 井波純/ 伊藤公象/ 伊藤有壱/
 今井トゥーンズ/ 大竹京/ 岡村桂三郎/ 金子富之/ カネコマスヲ/ 北村はるか/
 木下史青/ 黒沼令/ 鴻崎正武/ 小澤基弘/ 小松美羽/ 五味太郎/ 斎藤岩男/
 ダルライザー/ 柴﨑恭秀/ 白鳥建二/ 鈴木美樹/ ボンド・亜貴/ 関本創/ 鳥山玲/
 野沢二郎/ 灰原千晶/ 林剛人丸/ 萩原朔美/ 福井利佐/ 船井美佐/ 三沢厚彦/
 宗像利浩/ 森合音/ リチャード・ボンド/ 山田慎一/ ヤノベケンジ/ 艾沢詳子/
 与那覇大智/ 若木 るみ/ 王尽遥/ 渡邊晃一/

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「福島ビエンナーレ」。ビエンナーレですから2年に1度の開催。県内各地の自治体さんを持ち回りでメイン会場とし、今回は白河市が会場です。今回、というか、前々回、前回も白河市での開催でした。

かつて平成28年(2016)平成30年(2018)には智恵子の故郷・二本松市が会場となり、智恵子生家でも展示が行われました。平成28年(2016)には墨絵や版画などを手がけられている小松美羽氏、平成30年(2018)が切り絵作家の福井利佐氏が、それぞれ智恵子生家でのインスタレーションをなさいました。間に挟まれた平成29年(2017)には、福島ビエンナーレではない「重陽の芸術祭」で、清川あさみ氏の刺繍作品の展示も行われました。

さて今回、翠楽苑さんというところで小松氏の作品の展示が行われており、「智恵子抄」インスパイアの作品も、という情報をSNS上で見付けました。使用許可を頂きましたので、見に行かれた方の撮影された画像を転載させていただきます。
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なるほど、平成28年(2016)の智恵子生家での展示と確かによく似ています。智恵子と共に、安達ヶ原の鬼婆からのインスパイアもあるようです。

ちなみに平成30年(2018)に智恵子生家で智恵子抄オマージュの作品をを出された福井氏もご参加。作品は「マイタウン白河 ギャラリー」というところで展示されています。だるまをモチーフとした切り絵で、今回は光太郎智恵子と関わらないようです。

小松氏、福井氏、その後の令和2年(2020)と令和4年(2022)のビエンナーレにもご参加なさっていました。もしかするとその際にも「智恵子抄」がらみの展示があったのかも知れませんが、不明です。

さて、今回、他に絵本界の大御所・五味太郎氏、光太郎と交流のあった萩原朔太郎令孫の萩原朔美氏(映像作家でもあらせられたそうで、存じませんでした)、かつての重陽の芸術祭でのメインオブジェを作られたヤノベケンジ氏などもご参加。

ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

何よりもあせる事はよくありません。静かに着実に進むべきです。

昭和24年(1949)4月2日 鈴木政夫宛書簡より 光太郎67歳

鈴木は愛知岡崎出身の彫刻家。主に石彫を手がけていました。花巻郊外旧太田村に蟄居していた光太郎の元に押しかけ弟子を志願、それに対する返答の一節です。