光太郎の父・光雲の手になる彫刻が施された祭車も出る祭礼です。

桑名石取祭

期 日 : 2024年8月2日(金)~8月4日(日)
会 場 : 春日神社(桑名宗社)周辺 三重県桑名市本町46番地
時 間 : 8月2日(金) 叩き出し  24:00~
      8月3日(土) 試楽    18:00頃~
      8月4日(日) 本楽    13:00~ 南市場整列  18:30~ 花車渡祭

 石取祭(いしどりまつり)は、桑名南部を流れる町屋川の清らかな石を採って祭地を浄(きよ)めるため春日神社に石を奉納する祭りで、毎年8月第1日曜日とその前日の土曜日に執り行われています。
 町々から曳き出される祭車は、太鼓と鉦で囃しながら町々を練り回ります。 試楽(土曜日)の午前0時には叩き出しが行われ、祭車は各組(地区)に分かれ、組内を明け方まで曳き回し、その日の夕方からも各組内を回り、深夜にはいったん終了します。
 本楽(日曜日)は午前2時より本楽の叩き出しが明け方まで行われ、いよいよ午後からは各祭車が組ごとに列を作り、渡祭(神社参拝)のための順番に曳き揃えを行います。 浴衣に羽織の正装で行き交う姿は豪華絢爛な祭絵巻を醸し出します。一番くじを引いた花車を先頭に午後4時30分より曳き出された祭車は列をなし、午後6時30分からは春日神社への渡祭が順次行われます。
 渡祭後は七里の渡し跡(一の鳥居)を経て、午後10時頃より始まる田町交差点における4台ずつの祭車による曳き別れが行われるのも見逃すことのできない場面です。
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光雲の手になる彫刻が施された祭車は「羽衣」。今年は30番目の登場だそうです。
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平成28年(2016)には、全国の「山・鉾・屋台行事」の一つとしてユネスコ無形文化遺産に認定されました。しかし、新型コロナウイルスの影響で令和2年(2020)と翌年は中止、一昨年は規模を縮小して再開、昨年4年ぶりに元の形に戻ったとのこと。

一昨年はBSイレブンさんで、祭りのハイライト「渡祭」の一部が生中継されました。メインの撮影場所は、春日神社(桑名宗社)さん。周辺を練り歩いた各祭車が、籤で決められた順番にここにやってきて、御神前で鉦や太鼓を打ち鳴らし、演奏・演舞を奉納。「羽衣」の祭車は5番目で、ちょうど放送開始の時に映りました。
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今年は地元ケーブルテレビで中継されるそうです。

昨年の様子がこちら。0:53頃から「羽衣」の祭車が映ります。


お近くの方、ぜひ足をお運びください。

【折々のことば・光太郎】

村の人々が小生に風呂場を寄附してくれ、今大工さんが建築中です。今年の冬は助かります。

昭和23年(1948)9月24日 椛沢ふみ子宛書簡より 光太郎66歳

蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋には風呂が無く、行水で済ませていたようです。そこで村人達や宮沢家、佐藤隆房らが光太郎に風呂を寄進しました。
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現物が現存しており、平成29年(2017)に花巻高村光太郎記念館さんで開催された企画展「光太郎と花巻の湯」で展示されました。

しかし、コスパが悪く、大量に薪を必要としたため、あまり使われることはありませんでした。