一昨日、昨日と、1泊2日で仙台に行って参りました。レポートいたします。

メインの目的が宮城野区鉄砲町のAntique & Cafe TiTiさんで開催された、ヴォイスパフォーマー・荒井真澄さん、箏曲奏者の元井美智子さんのお二人のコラボ公演「夏の朝、音を描くコンサート 箏の調べと智恵子抄」の拝聴でした。
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今年の連翹忌で知り合われて意気投合されたお二人が、花巻と仙台で計3公演を行われ、その最後です。

まず公演前夜、セッティングの際にお邪魔しました。
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外見からはそうとは分かりにくいのですが、築100年ほどの蔵を秋田の横手から移築したという店舗で、カフェ以外にアンティークショップも兼ねています。店内至るところに置かれている品々は売り物。いい感じですね。
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こちらは売り物ではなく(笑)、元井さんの箏。
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これを車に積まれて各地を転々となさっているわけで、いや、大変だな、と思いました。箏自体が大きいものですし、しっかりした板で作られている台の重いこと重いこと。終演後に元井さんの車まで運んだのですが、筋トレになりました(笑)。

さて、翌朝。平日午前中にもかかわらず、多くのお客様。
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キャパが20弱で、あっという間に予約でいっぱいになったということで、先週、追加公演を別の会場でなさったそうです。

前半は元井さんのソロ。定番の「春の海」、オリジナル曲、そして「花は咲く」。
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休憩時間。ご自分でも音楽活動をなさっているというお客様が多く、皆さん、興味津々で箏の周りに。元井さん、質問攻めにあっていました(笑)。
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後半は、荒井さんによる「智恵子抄」系詩篇の朗読。元井さんのアドリブ演奏にのせて。
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思い起こせば荒井さんの朗読は10年以上前から何度も聴いていますが、何度聴いてもいいものです。運命の人・智恵子と出会ってから晩年の花巻郊外旧太田村までの、光太郎の生涯に思いを馳せながら拝聴しました。
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元井さんの箏は、うるさすぎず、それでいて勘どころはしっかりと押さえ、お二人の息もぴったり。光太郎詩の世界観が存分に表され、これが相乗効果というものかと感じ入りました。

最後は1曲だけ、荒井さんの歌で宮沢賢治作詞作曲の「星めぐりの歌」。もちろん箏の伴奏で。これもナイスでした。

合間に当方のべしゃくりも少し。花巻の高村山荘/光太郎記念館さん、二本松の智恵子生家/智恵子記念館さんのパンフレットやフライヤーをお配りしましたので、ぜひ足を運んで下さい的な。それから例によって、光太郎終焉の地・中野アトリエの保存運動のための署名について。皆様、快くご協力下さいました。多謝。

荒井さん、元井さん、ともに今後もさまざまな公演を控えてらっしゃいます。光太郎智恵子系ではありませんが。
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お二方のさらなるご活躍を祈念いたします。無題

【折々のことば・光太郎】

今朝花巻新報の揮毫をいたしましたので、上出来とはゆきませんが同封いたします。

昭和23年(1948)8月25日 佐藤隆房宛書簡より
 光太郎66歳

『花巻新報』は、『岩手自由新聞』『岩手大衆新聞』『読む岩手』を統合して誕生した地方紙ですが、戦前にあった『花巻新報』の名を踏襲しました。復刊はこの年11月7日でした。

佐藤隆房は賢治の主治医でもあった総合花巻病院長でしたが、同紙の運営にも関わり、その題字の揮毫を光太郎に依頼しました。光太郎筆の題字、昭和35年(1960)の終刊号まで使われました。