光太郎第二の故郷・岩手花巻郊外旧太田村で開催中の「令和6年度高村光太郎記念館テーマ展 山のスケッチ~花は野にみち山にみつ~」につき、一昨日、NHK盛岡放送局さんが県内向けのローカルニュースでご紹介下さいました。

疎開先の花巻で描く 高村光太郎の草花のスケッチ展示

 詩人で彫刻家の高村光太郎が、疎開先の花巻で描いた花などのスケッチが、花巻市にある「高村光太郎記念館」で展示されています。
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 高村光太郎は1945年、62歳の時に東京のアトリエが空襲で焼け、花巻に疎開して7年間を過ごしました。
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 今回の企画展には光太郎が疎開中に描いた身近な草花のスケッチやスケッチしている最中の写真などが展示されています。
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 このうち湯治に訪れた西鉛温泉で描いたスケッチは、山菜のミズを描いています。昭和20年6月20日という日付ともに、「丈1尺5寸」などと観察したミズの大きさなどもつづっています。
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 今回の展示では「七月一日」と題された散文の直筆の原稿が初めて公開されました。この文章では山菜のミズを朝食のみそ汁に入れて食べたとし、珍味だと記しています。
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 秋田県横手市から訪れたという男性は「緻密な中にもほのぼのとしたスケッチを初めて見ました。自然を愛する心が表れているように思えました」と話していました。
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 東京から訪れたという女性は「光太郎が山野草をスケッチしているのに驚きました。精密に描かれていて感動しました」と話していました。
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 この企画展「山のスケッチ」は「高村光太郎記念館」で来月7日まで、開かれています。
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会期末に近くなってきましたが、かえってこのタイミングで紹介していただくと、「ああ、そんなのやってるんだ。あれ、もうすぐ終わりか、では行ってみよう」というニーズを掘り起こすことになりますので、ありがたいところです。

展覧会詳細情報はこちら

まだ行かれていない方(既に行かれた方もリピーターとして)、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

「花と実」は今年はものになるかと思ひますが「至上律」誌上の印刷では随分ひどい成績でしたが、果して印刷が出来るものでせうか。せめて鉛筆単色でも、その感じが印刷で出ればいいのですが。「花と実」はあくまでたのしい詩集に、「猛獣篇」はきびしい詩集にしたいと思つてゐます。


昭和23年(1948)2月19日 鎌田敬止宛書簡より 光太郎66歳

「令和6年度高村光太郎記念館テーマ展 山のスケッチ~花は野にみち山にみつ~」に展示されている山野草のスケッチを添えた詩集『花と実』、そして戦前から書きためていた連作詩「猛獣篇」をまとめ、鎌田の経営していた白玉書房から出版する計画がありましたが、いずれも実現しませんでした。