都内から演奏会情報です。
コール淡水・東京(CTT)第11回定期演奏会
期 日 : 2024年6月2日(日)
会 場 : トッパンホール 東京都文京区水道1-3-3
時 間 : 13:30開場 14:00開演
第1ステージ 男声合唱とピアノのための『土佐日記による前奏曲集』
作:紀貫之 作曲:次郎丸智希
第2ステージ 『The Best of THE BEATLES』
編曲:次郎丸智希
第3ステージ 『雨にうたるるカテドラル』(委嘱作品・初演)
詩:高村光太郎 作曲:次郎丸智希
第11回定期演奏会を永原恵三氏の全曲指揮で開催する運びとなりました。コロナ禍を何とか凌いで5年振りです。今回も次郎丸智希氏の委嘱作品の初演をいたしますが、3ステージ全て次郎丸作品としました。是非ご来場くださいませ。
「淡水会」さんというのは、兵庫県立神戸高等商業学校さん・兵庫県立神戸経済専門学校さん・神戸商科大学さん・兵庫県立大学(神戸商科キャンパス)さんの同窓会だそうで、「コール淡水・東京」さんは神戸商科大学グリークラブさんの都内在住OBの方々が立ち上げられた男声合唱団だとのことです。30名ほどの編成のようです。
全ステージ、次郎丸智希氏という方の作品(編曲を含む)で、最終ステージが光太郎詩に曲を付けられた「雨にうたるるカテドラル」。ありがたし。
「雨にうたるるカテドラル」(大正10年=1921)、110行にもなる長大な詩ですので、これまで日本でこの詩をテキストにした合唱曲、独唱歌曲とも、当方は寡聞にして存じません(寡聞なので存じ上げないだけで作曲が為されていることがあるやもしれませんが)。
ただ、アメリカの作曲家スティーブン・ハートキ(Stephe Hartke)氏が、「Cathedral in the Thrashing Rain」という男声合唱曲を発表なさっていて、手許にCD(平成15年=2003)があります。
歌詞は基本、英語です。しかし、数ヶ所「O mata fukitsunoru ame kaze」「O nanto iu ame kaze no shuuchuu」などと、日本語を配していまして(ところどころ間違っているのですが(笑))、日本人・光太郎へのオマージュなのかな、という感じです。
ヒリヤード・アンサンブルという合唱団のア・カペラで、そうと知らねばラテン語によるルネサンス期の教会音楽のようにも聞こえます。
閑話休題、おそらく日本語としては初の「雨にうたるるカテドラル」、ぜひお聴き下さい。
【折々のことば・光太郎】
上野の表慶館にあるといふ西洋画展は飛行機でもあれば一日いつてみたい気がいたします、日本の油画は、もう一度本当に苦しまねば本当にならないと存ぜられます。梅原安井にしてもあんまり早く、小さく日本化してしまひました。もつと「大きさ」が画格になくてはなりません。
花巻空港が開港したのは17年後の昭和39年(1964)でした。
油絵に関してのひと言、辛辣ではありますが、ある意味その通りかも知れません。かつての留学仲間・梅原龍三郎や安井曾太郎に対しても斟酌なしですね。
全ステージ、次郎丸智希氏という方の作品(編曲を含む)で、最終ステージが光太郎詩に曲を付けられた「雨にうたるるカテドラル」。ありがたし。
「雨にうたるるカテドラル」(大正10年=1921)、110行にもなる長大な詩ですので、これまで日本でこの詩をテキストにした合唱曲、独唱歌曲とも、当方は寡聞にして存じません(寡聞なので存じ上げないだけで作曲が為されていることがあるやもしれませんが)。
ただ、アメリカの作曲家スティーブン・ハートキ(Stephe Hartke)氏が、「Cathedral in the Thrashing Rain」という男声合唱曲を発表なさっていて、手許にCD(平成15年=2003)があります。
歌詞は基本、英語です。しかし、数ヶ所「O mata fukitsunoru ame kaze」「O nanto iu ame kaze no shuuchuu」などと、日本語を配していまして(ところどころ間違っているのですが(笑))、日本人・光太郎へのオマージュなのかな、という感じです。
ヒリヤード・アンサンブルという合唱団のア・カペラで、そうと知らねばラテン語によるルネサンス期の教会音楽のようにも聞こえます。
閑話休題、おそらく日本語としては初の「雨にうたるるカテドラル」、ぜひお聴き下さい。
【折々のことば・光太郎】
上野の表慶館にあるといふ西洋画展は飛行機でもあれば一日いつてみたい気がいたします、日本の油画は、もう一度本当に苦しまねば本当にならないと存ぜられます。梅原安井にしてもあんまり早く、小さく日本化してしまひました。もつと「大きさ」が画格になくてはなりません。
昭和22年(1947)10月24日 多田政介宛書簡より 光太郎65歳
油絵に関してのひと言、辛辣ではありますが、ある意味その通りかも知れません。かつての留学仲間・梅原龍三郎や安井曾太郎に対しても斟酌なしですね。