3件ご紹介します。

まず地方紙『福島民報』さん連載から。

福島県 今日は何の日 3月19日 1957(昭和32)年3月19日 二本松市で映画「智恵子抄」のロケ始まる004

 東宝映画「智恵子抄」の二本松ロケが、高村智恵子の生家があった安達村油井(現二本松市油井)の旧長沼家で始まった。
 旧長沼家のロケは熊谷久虎監督のメガホンで、地元のエキストラ数十人が総出演。華やかだった当時の旧長沼家の造り酒屋「花霞」の面影を再現した。約2000人の見物人が訪れた。

智恵子役が原節子さん、光太郎を山村聰さんが演じられた東宝映画「智恵子抄」。昭和恐慌のあおりで破産、一家は離散し既に人手に渡っていた智恵子生家でのロケも敢行されました。昭和32年1957)の時点ではまだ明治期の面影がかなり残っていたようです。
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ここに映っている人々は、ほぼ現地で募集されたエキストラ。おそらくご存命の方も多いのではないでしょうか。
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平成28年(2016)、二本松で開催された「高村智恵子生誕130年記念事業】原節子主演「智恵子抄」フィルム上映会」の際、当時のこの手の新聞記事や、当方がお貸ししたポスター、パンフ、スチール写真などが展示されました。

智恵子生家がらみでもう1件。二本松市さんのサイトから。

「二本松周遊観光タクシー」でお得に観光名所を巡りませんか?

観光誘客PR及び観光客数の増加を図るため、市内の観光名所を巡る観光タクシーが期間限定で通常料金の半額で利用できます。

対象期間 令和6年4月1日から令和7年1月31日まで
※対象期間中でも予算上限に達し次第通常料金の半額での利用は終了となります。

利用方法
 対象タクシー会社に事前に連絡し、利用日時、コース名、人数をお伝えください。また、対象期間中でも予算に達し次第通常料金の半額での利用が終了となりますので、通常料金の半額での利用が可能かご確認ください。

対象タクシー会社
 昭和タクシー(株) TEL:0243-22-1155 住所:二本松市成田町一丁目753番地3
 丸やタクシー(有) TEL:0243-22-2744 住所:二本松市金色久保226番地15

対象コース及び利用料金
 ※利用料金については、助成適用後の金額を記載しています。
 ※乗車可能人数は普通車が4人、特大車(ジャンボタクシー)が9人です。

注意事項
 交通事情や当日の天候により所要時間は異なります。
 料金についてはタクシーの運行料金のみ含まれております。
 入館料・入園料等は別途支払いが必要です。
酒蔵見学は利用される方自身で申し込みください。
 ※詳細についてご質問がある際は、対象タクシー会社にご質問ください。

実施主体
 二本松地区ハイヤータクシー経営者協議会
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令和3年(2021)から一昨年(2022)にかけても同様の試みが行われていました。その際は全15コースだったのが、今回は21コースに増えています。21コース中、智恵子生家/智恵子記念館を含むプランにつき、上記画像で赤枠で囲んでおきました。

路線バスや電車等の公共交通機関では回りにくく、さりとて自家用車で現地までとか現地でレンタカーとかも厳しい、という方々にはありがたいのではないでしょうか。

ついでというと何ですが、もう1件。こうした旅のお供に……ということで。

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 清冽な水と新鮮な地元産の粉で打つ会津そば 地酒がおいしい居酒屋
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 世代交代も進むご当地ラーメンの雄・喜多方ラーメンのおすすめ店舗を一挙紹介
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 福島タウン 必食!ふくしま円盤餃子
 いわき スパリゾートハワイアンズ/環境水族館アクアマリンふくしま
収録エリア
 会津若松/磐梯高原・猪苗代/喜多方/大内宿/福島タウン/郡山・白河/いわき
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おそらく昨年版などと較べても、それほど大きく内容が変わっているわけでもないのでしょうが、今回の版では『智恵子抄』所収の光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語が多用され、そのため当方の検索網に引っかかってしまい(笑)、ついつい購入してしまいました。

福島市を中心とした中通りの「福島エリア」中に、安達太良山や智恵子生家などが取り上げられています。
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そのメインのページでは正しく「詩集「智恵子抄」に出てくる「ほんとの空」……」とあるのですが、目次ページのすぐ後、サムネイル的な箇所で、昭文社さん、やらかしちゃっています(笑)。
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詩人・智恵子抄が、この山の上には「ほんとの空」があると詠った……」(笑)。

ま、これもご愛敬ということで(笑)、ぜひお買い求めの上、二本松に足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

水野君は小生と同年、小生が三月生れ、水野君が四月生れです。初期「明星」の頃水野蝶郎といつて若々しい歌を書いてゐた時分からの友達です。いろいろな時代を経て、最後まで親友であり得た事がせめてもの慰めですが、小生が七十歳頃からそろそろ始める本当の仕事をつひに見てもらへなくなつたのが残念です。

昭和22年(1947)2月10日 宮崎稔宛書簡より 光太郎65歳

親友・水野葉舟の死に際し、葬儀の代参に行ってもらった姻戚・宮崎宛の書簡から。無二の友を失った喪失感がよく伝わってきます。そう思える友を持てたことは幸せだったのでしょうが。