福島から市民講座の情報です。

澤正宏先生の春の講座「与謝野晶子と高村光太郎」

期 日 : 2024年3月25日(月)000
会 場 : NHKカルチャー郡山教室 
      福島県郡山市麓山1-5-21 NHK郡山放送会館内
時 間 : 13:30~15:00
料 金 : 会員 2,519円 一般(入会不要) 2,860円

講 師 : 澤正宏 福島大学名誉教授 

歌人であり詩人でもあった二人は、晶子の新詩社を通してつながりがあった。二人の人間や社会や自然などの見方には対照的な特色があるので、詩歌を読みながらそれらの特色を詳しく見て行きたいと考えます。


澤氏、智恵子の故郷・福島二本松で智恵子顕彰に当たられている智恵子のまち夢くらぶさん主催の「智恵子講座」講師を複数回務められたり、同じく「高村智恵子没後80年記念事業 全国『智恵子抄』朗読大会」審査委員長を務められたりなさいました。

最近ですと、昨年刊行された『草野心平研究資料集』(クロスカルチャー出版)の編集に当たられたりもなさっています。

今回は、光太郎の本格的文学活動の出発点たる雑誌『明星』主宰の与謝野鉄幹夫人・晶子との関わり。晶子は光太郎の5歳年上で、よき姉貴分でした。
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右上は雑誌『スバル』第2年第2号(明治43年=1910)の裏表紙を飾った光太郎の絵。口から蛇を吹き出すエジプトの女神ですが、モデルは晶子です。このシリーズで光太郎は森鷗外、北原白秋なども茶化して描いています。まぁ、親しみの表れですね。

他に、晶子の著書に挿画や序文を寄せたことも複数回ありましたし、晶子の有名な「百首屏風」と同じようなコンセプト(鉄幹の渡航費用捻出のための販売用)で光太郎が絵を描き、晶子が短歌を揮毫した屏風も現存します。そうした交流は晶子が亡くなる昭和17年(1942)まで、断続的、不即不離に続きました。

そういった話プラス、作品面での2人の対比といったお話になるようです。興味おありの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

昨日にひきかへて今日は午后猛烈な風が吹き出し、ザラメ雪を交へてすごい吹雪風景となりました。風が積雪を吹き上げて煙のやうに空にまひ上げ、一望ただ白く、向うの森も見えなくなります。

昭和22年(1947)1月20日 宮崎稔宛書簡より 光太郎65歳

「地吹雪」というやつですね。

この書簡には、イラストも附けてありました。花巻郊外旧太田村の山小屋周辺の雪上に見られる狐と兎と鼠の足跡です。
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