今年1年の振り返り、最後です。

10月2日(月)
『しんぶん赤旗』さんの歌人の寺井奈緒美氏の連載「くねくねTANKAロード」が「レモン哀歌 高村光太郎」でした。

10月5日(木)
当会より『光太郎資料』第60集を発行しました。
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10月5日(木)~11月19日(日)
福島県二本松市の智恵子生家/智恵子記念館 さんで「高村智恵子レモン祭」が開催され、生家二階部分の特別公開及びライトアップ、紙絵実物展示、紙絵制作体験など様々なコンテンツが用意されました。

10月5日(木)~11月30日(木)
岩手県花巻市の花巻高村光太郎記念館さんで「令和5年度高村光太郎記念館企画展 光太郎と吉田幾世」が開催されました。関連行事として11月2日(木)、当方による同題の市民講座が開催されました。
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10月6日(金)~11月28日(火)1ab34b95-s
鎌倉市の笛ギャラリーさんで「高村光太郎と尾崎喜八 詩と友情 その10」展が開催されました。11月11日(土)には関連行事として朗読会が行われました。

10月7日(土)
札幌市資料館さんで「第31回 葦の会 朗読会」が開催され、佐藤春夫著『小説智恵子抄』の一節の朗読も為されました。

10月7日(土)~12月24日(日)
和歌山市の和歌山県立近代美術館さんで小企画展「原勝四郎と同時代の画家たち」が開催され、光太郎油彩画「佐藤春夫像」が展示されました。

10月9日(月)
福島県二本松市の市民交流センターさんで「智恵子講座2023」の第一回が開催されました。主催は智恵子のまち夢くらぶさん。講師は同会代表・熊谷健一氏。同じく熊谷氏による第二回、第三回が11月19日(日)、12月17日(日)、同じ会場で開催されました。
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10月12日(木)~12月17日(日)
愛媛県西条市の五百亀記念館さんで「開館10周年記念企画展 秋川雅史彫刻展~彫り奉らん~」が開催され、テノール歌手にして木彫にも取り組まれている秋川雅史氏作の楠正成像模刻の他、氏のコレクションから光雲木彫数点が展示されました。
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10月13日(金)
岩波書店さんから谷川俊太郎氏選『永瀬清子詩集』が岩波文庫の一冊として刊行されました。随所で光太郎に触れられています。

10月14日(土)~11月26日(日)
石川県金沢市の石川県立美術館さんと国立工芸館さんで「第38回国民文化祭 第23回全国障害者芸術・文化祭 いしかわ百万石文化祭2023 皇居三の丸尚蔵館収蔵品展 皇室と石川-麗しき美の煌めき-」が開催され、光雲、山崎朝雲、由木尾雪雄の合作「萬歳楽置物」、光雲と竹内久一の合作「鶴亀置物」が展示されました。
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10月16日(月)~11月7日(火)
埼玉県東松山市の東松山市民文化センターさんで「彫刻家 高田博厚展2023」が開催され、光太郎に関わる展示も為されました。

10月17日(火)
東京都中野区のオルタナティブスペースRAFTさんで「くつろぎの朗読」が開催され、朗読家・出口佳代さんによる「智恵子抄」朗読がプログラムに入りました。
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10月19日(木)
東京都渋谷区のHakuju Hallさんで「Hakuju Hall 20周年記念 カウンターテナーの饗宴」が開催され、藤木大地氏による加藤昌則氏作曲「レモン哀歌」が演奏されました。

同日、株式会社ワークスさん発行、一般社団法人パズル検定協会さん監修の『別冊漢字館 Vol.112』が「特集 ある芸術家の愛と哀 高村光太郎」を組んで下さいました。
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10月25日(水)
千葉県立図書館さん3館(中央・西部・東部図書館)において「千葉県誕生150周年記念 房総文学カード 第2弾」の配付が開始されました。「高村光太郎 智恵子抄 九十九里エリア 九十九里町」がラインナップに入っていました。

10月27日(金)~11月15日(水)
東京都荒川区のギャラリーHIGURE17-15casさんで、「『消えないし、 』展 O JUN 船木美佳 ー戦時下資料ラボー」が開催されました。現代アート作家のO JUN氏、船木美佳氏による光太郎詩を含む翼賛詩歌をモチーフとしたものでした。11月14日(火)に船木氏の故郷・福岡に本社を置く『西日本新聞』さんで紹介されましたが、会期終了前日で、このブログではご紹介しませんでした。この場を借りて取り上げさせていただきます。
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10月29日(日)
岡山市の岡山シンフォニーホールさんで「岡山市民合唱団鷲羽 第50回記念定期演奏会」が開催され、上月明氏作曲「智恵子抄 三章」(岡山市民合唱団鷲羽 第50回定期演奏会記念作品)が演奏されました。
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10月29日(日)、11月26日(日)
富山県高岡市の市民大学たかおか学遊塾さんで市民講座「高村光太郎『智恵子抄』を語り合おう」が開催されました。講師は茶山千恵子氏でした。

10月31日(火)
愛知県名古屋市のメニコンHITOMIホールさんで「藤木大地カウンターテナー・リサイタル」が開催され、藤木大地氏による加藤昌則氏作曲「レモン哀歌」が演奏されました。
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11月1日(水)
文藝春秋さん発行の月刊文芸誌『文學界』2023年11月号に近現代史研究者の辻田真佐憲氏による「花巻に高村光太郎の戦争詩碑を訪ねる」という記事が載りました。

同日、岩手県花巻市の宮沢賢治イーハトーブ館さんでトークリレー「高村光太郎生誕140周年記念事業 続 光太郎はなぜ花巻に来たのか」が開催されました。メインパネラーは宮沢賢治実弟・清六の令孫にして林風舎代表取締役の宮沢和樹氏、パネリストは生前の光太郎をご存じの皆さんなど、コーディネーターは当方でした。
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11月2日(木)
散文「智恵子の半生」の一節と詩「レモン哀歌」が課題文で録音審査による開催だった「第16回山形大学高校生朗読コンクール」の審査結果発表がありました。

11月4日(土)
東京都中央区の王子ホールさんで「福成紀美子ソプラノリサイタル~作曲家 朝岡真木子とともに~」公演があり、朝岡真木子氏作曲の「冬が来た」が初演されました。歌唱は福成紀美子氏、ピアノは朝岡氏でした。
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11月5日(日)
千葉県木更津市の木更津市中央公民館さんで「第116回 房総の地域文化講座 没後100年、画家・柳敬助の生涯」が開催され、光太郎についても触れられました。講師は渡邉茂男氏 (君津市文化財審議会委員)でした。

11月8日(水)
『毎日新聞』さんの連載「山は博物館」で「光太郎「岩手の山」に自ら流刑 己の戦争詩に「暗愚」見る」が掲載され、光太郎がメインで取り上げられました。
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11月12日(日)~11月20日(月)
京都市の複数の寺院を会場に「京都非公開文化財特別公開」が行われ、一念寺さんでは光太郎の書が展示されました。
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11月15日(水)~2024年1月14日(土)
東京都港区の大倉集古館さんで「大倉組商会設立150周年記念 偉人たちの邂逅―近現代の書と言葉」展が開催され、光雲作の「大倉鶴彦翁夫妻像」が展示されました。

11月16日(木)
茨城県水戸市の水戸市立東部図書館さんで朗読会「あなたに贈る読みがたりーいい夫婦の日ー」が開催され、「あどけない話」の朗読がありました。
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11月23日(木)~11月30日(木)
大阪市の竹井事務所さんで「古美術上田 EXHIBITION」が開催され、光太郎ブロンズ「手」の展示即売が行われました。

11月24日(金)
作家の伊集院静氏が亡くなりました。平成30年(2018)に文藝春秋さんから刊行された『文字に美はありや』で光太郎の書について取り上げて下さった他、小説でも光太郎詩を引用したりなさっていました。

11月25日(土)
東京都文京区のアカデミー茗台さんで「第66回高村光太郎研究会」が開催されました。
研究発表は前田恭二氏「米原雲海と口村佶郎――新出“手”書簡の後景――」、北川光彦氏「西洋・東洋・時代を超えて 高村光太郎・智恵子が求めたもの」、当方の「智恵子、新たな横顔」でした。

11月26日(日)
千葉市の千葉アートサロンさんで「潮見佳世乃 CD発売記念LIVE 歌物語×JAZZ」が開催されました。第1部が「歌物語 智恵子抄」でした。
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11月29日(水)
東京都渋谷区の渋谷区文化総合センター大和田伝承ホールさんで「弓田真理子ソプラノ・リサイタル~歌声をあなたのもとに~」が開催され、甲田潤氏作曲「冬の朝のめざめ《智恵子抄》より」が演奏されました。

12月1日(金)
メディア業界紙「文化通信」を発行する文化通信社が主催する「ふるさと新聞アワード」の第3回の受賞記事が決まり、『いわき民報』元日号掲載で光太郎にも触れられた「草野心平生誕120周年記念特集」が「ひと」(一部「もの」)部門で優秀賞を受賞、表彰式が行われました。

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12月4日(月)
東京都渋谷区の渋谷区文化総合センターさくらホールさんで「男声合唱のためのウルトラセブン 楽譜出版記念コンサート」が開催され、蒔田尚昊氏作曲「『智惠子抄』より あどけない話」がテノール歌手・加耒徹氏の歌唱で演奏されました。

12月6日(水)
山形県北村山郡大石田町の大石田町町民交流センター虹のプラザさんで「第3回読書会「声に出して読みたい日本語 part2」が開催され、光太郎詩「道程」が取り上げられました。
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12月10日(日)
文治堂書店さんからPR誌『とんぼ』第17号が発行されました。評論家の芹沢俊介氏の追悼文、文治堂さんから詩集も覆刻されている光太郎と交流のあった詩人・野澤一が暮らした甲州四尾連湖のレポート、当方の『連翹忌通信』などが載っています。

12月16日(土)
東京都台東区のやなか音楽ホールさんで「歌曲個展+5 ドイツロマン派の歌曲――残照の時――」の公演があり、根本卓也氏作曲「組曲『智恵子抄』(新作初演)」の演奏がありました。ご出演はソプラノ・坂口真由氏、バスバリトン・牧山亮氏、ピアノ・蓜島啓介氏でした。
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12月18日(月)
地上波NHK Eテレさんで「にほんごであそぼ 健康」の放映があり、俳優の津田健次郎さんによる「レモン哀歌」朗読がありました。再放送は12月21日(木)、12月23日(土)でした。

12月22日(金)~2024年2月12日(月)
石川県七尾市の石川県七尾美術館さんで「彫刻って面白い!〜これってなんだ?からそっくりまで〜」展が開催され、光雲作の「聖観音像」が出品されました。
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12月23日(土)
新潟市のゆいぽーとさんで市民講座「二葉アーツスクール2023 めだかの学校 高村光太郎にとっての新潟」が開催されました。講師は山浦武夫氏でした。

同日、光太郎第二の故郷・岩手県の地方紙『岩手日日』さんに以下の記事が載りました。

賢治没後90年・光太郎生誕140年 人間味伝わる話題を

 宮沢賢治没後90年の今年は取材を通じて知らなかった賢治の一面に触れた。今春公開の映画「銀河鉄道の父」は父政次郎とその家族を通じて賢治の人生を描いた物語。家業を継ぐのを拒否し謎の商売を始めようとしたり、宗教に生きると言って家出したりと人間味にあふれる賢治を、舞台あいさつに立った成島出監督は「天真爛漫(らんまん)」と表現した。
 命日に営まれる賢治祭では生前に録音してあった父政次郎の肉声を聴いた。イメージよりも少し高い声でとうとうとお経のことを説き、賢治の弟・清六の孫に当たる宮澤和樹さんは「こういうお父さんに育てられたからこそ賢治があると思う」と語った。
 清六を頼って花巻に疎開した詩人で彫刻家の高村光太郎も生誕140年の節目の年だった。サンタクロースに扮(ふん)して子供を喜ばせたり、訪ねてきた女学生に足を崩してくつろぐよう勧めたりする光太郎の思いやりにあふれたエピソードを生前親交のあった人たちが披露し、主催した太田地区振興会の平賀浩会長は「後世に語り継がれる一材料になれば」と願った。
 今も昔も変わることのない人間味を伝えられる話題を届けていきたい。


さらに同日、新宿区のK’s cinemaさんで、映画「火だるま槐多よ」が封切られました。タイトルは光太郎詩「村山槐多」から採られ、劇中でも抜粋して朗読されました。
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12月25日(月)
東洋館出版社さんから山本茂喜氏著/野宮レナ氏イラスト『大人もときめく国語教科書の名作ガイド』が刊行されました。第5章 「そんなにもあなたはレモンを待っていた~文豪もときめきがお好き~」中に「1 愛する人に捧げます/「レモン哀歌」」という項が含まれました。

また、この項でその都度ご紹介はしませんでしたが、道の駅はなまき西南(愛称・賢治と光太郎の郷)さんのテナントのミレットキッチン花(フラワー)さん販売の豪華弁当「光太郎ランチ」。メニューは光太郎の日記などを元に、光太郎が作った料理や使った食材などを研究し、現代風にアレンジし、彼の地で光太郎顕彰に当たられているやつかの森LLCさんの考案です。令和2年(2020)からの毎月15日に限定販売、今年も継続されました。
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同じく花巻市のワンデイシェフの大食堂さんでは、やつかの森LLCさんによる「こうたろうカフェ」の出店も5回、なされました。こちらも光太郎が作った料理や使った食材などを研究し、現代風にアレンジした料理が振る舞われました。
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というわけで、いろいろあった1年でした。新型コロナウイルス感染症が感染症法上の位置づけで「5類感染症」に変更された影響もあり、さまざまなイベントやコンサート、企画展示等が旧に復した感があり、ありがたいところです。しかし、「高村光太郎? 誰、それ?」、「高村光雲? 知らんなぁ」、「高村智恵子? 聞いたことない」という状況になるとこうは行きませんので、そうならないよう来年以降も微力ながら努力いたします。ご協力の程、よろしくお願いいたします。

【折々のことば・光太郎】

雪はまだとけず、降雪も三日に一日位は降ります。雪をかいて道をつけると又忽ち埋れます。雪解は三月末でせう。


昭和21年(1946)2月28日 鎌田敬止宛書簡より 光太郎64歳

花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)で暮らし始めた初めての冬。まだまだ物珍しいことが多かったようです。