昨日は千葉市に行っておりました。同市ご在住のジャズシンガー・潮見佳世乃佳世乃さんの「CD発売記念LIVE 歌物語✖️JAZZ」拝聴のためです。

会場は県庁近くの千葉アートサロンさん。ライヴハウス的なスペースと、他のフロアにはギャラリーもあるようで。昭和の香りが色濃く漂う外観で「おお」と思いました(笑)。
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潮見さんのライヴは過去3回拝聴しましたが、最後はやはり千葉市で令和3年(2021)6月でしたので約1年半ぶり。今回を含め、すべて潮見さんのレパートリーの一つ「歌物語 智恵子抄」がプログラムに入ったものでした。今回は「CD発売記念」ということでしたが、CDは「智恵子抄」ではなく、「歌物語 遠野物語」。最初のMCはその「盤宣」でした。
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潮見さん、他にも「歌物語」と銘打ったレパートリーをたくさんお持ちです。そのシリーズ、亡くなったお父さまの高岡良樹氏が始められたもので、お父さまもかつて「歌物語 智恵子抄」を演(や)られたそうです。そちらは当方聴けませんでしたが。

潮見さんの「歌物語 智恵子抄」、伴奏は平成27年(2015)に大田区大森で初めて拝聴した際はフォークギターとキーボード、令和3年(2021)の熱海での公演ではベードルのピアノ、直後の千葉市ではピアノプラス箏でした。今回はピアノに尺八。「不易と流行」と申しますが、変えない部分と変えていく部分と、しっかり考えられているようです。
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ピアノは熱海での公演と同じく沢村繁さん。尺八が大河内淳矢さん。
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やはり「和」のテイストが入ると「智恵子抄」の世界観がより鮮烈になる気がします。
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「智恵子抄」に入る前に、「智恵子抄」以外の光太郎詩の朗読がありました。季節柄、ということでしょう、「美しき落葉」(昭和19年=1944 戦時中にしては珍しく翼賛的な内容をほぼ含まない詩です)と「冬が来た」(大正2年=1913)。
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そして「智恵子抄」。基本的な構成はこれまでとおそらく同一でした。語りだけ、メロディー付きとバリエーションに富み、構成的にもドラマチックです。取り上げられた詩は以下の通り。

「樹下の二人」(大正12年=1923)
「あどけない話」(昭和3年=1928)
「千鳥と遊ぶ智恵子」(昭和12年=1937)
「風にのる智恵子」(昭和10年=1935)
「値ひがたき智恵子」(昭和12年=1937)
「山麓の二人」(昭和13年=1938)
「レモン哀歌」(昭和14年=1939)
「亡き人に」(同)

このうち、「千鳥……」と「風にのる……」は二つの詩の詩句を行ったり来たり。

第一部が「歌物語 智恵子抄」で、第二部はお召し物もがらっと変えて「レフト・アローン」などジャズのスタンダードナンバー等でした。潮見さん、「智恵子抄」とジャズはよく合う、とおっしゃって、毎回そうなさっていますが、確かにそうですね。
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インストで大河内さんと沢村さんによる「ルパン三世 PART2」オープニングテーマも。盛り上がりました。

やはり音楽はいいものですね。自分も趣味でやっていた音楽活動、いろいろ忙しくて止めてしまいましたが、また余裕が出来たら始めようかと思いました。

お三方、今後のさらなるご活躍を祈念いたします。

【折々のことば・光太郎】

本阿弥光悦は京都の鷹ヶ峯で当時の最高文化の部落を作りました。形は違ひますが、小生の企てもいく分似たところがあります。


昭和20年(1945)8月24日 椛沢ふみ子宛書簡より 光太郎63歳

花巻郊外太田村への移住について。この段階では、若い頃から北方の僻地で生活することを夢みていたことが実現できる喜びが大きかったようです。実際にその生活を始めてから、自らの戦争責任への省察が始まります。