神奈川県鎌倉市から展示及びイベント情報です。

回想 高村光太郎と尾崎喜八 詩と友情 その10

期 日 : 2023年10月6日(金)~11月28日(火)の火・金・土・日曜日
会 場 : 笛ギャラリー 神奈川県鎌倉市山ノ内215
時 間 : 11:00~16:00
休 業 : 月・水・木曜日
料 金 : 無料

関連行事 : 高村光太郎と尾崎喜八の詩朗読会 11月11日(土) 15:00~
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「あじさい寺」として有名な北鎌倉は明月院さんの裏手にあるカフェ兼ギャラリー「笛」さん。
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ご主人の奥様が、光太郎のすぐ下の妹・しづの令孫にあたられ、お宅には光太郎直筆の書や古写真など、さまざまなものが伝わっています。昨年はNHKさんの「鶴瓶の家族に乾杯 市川猿之助が鎌倉でがんばる人を探す旅&坂道を走る人を叱る」で、笑福亭鶴瓶さんがお店をご訪問なさいました。
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また、すぐご近所に、光太郎と交流の深かった詩人・尾崎喜八の令孫・石黒敦彦氏(サイエンス・アート研究者)もお住まいで、そちらには喜八の関連資料、そして光太郎から喜八の結婚祝い(新婦は光太郎の親友・水野葉舟息女)に贈られたブロンズの「聖母子像」も。
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毎年この時期に、こうした品々の展示をなさっています。昨年の様子はこちら。昨年から関連行事として、光太郎・喜八の詩の朗読会も開かれています。

今年も11月11日(土)に朗読会だそうで、当方、その日にお邪魔するつもりです。

皆様もぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

校歌作曲は弘田龍太郎氏が適当かと思ひます、同君は本郷区向岡弥生町三番地に居ますが木下小学校から直接におたのみになるなら名刺でも送りませうか。作曲料を予め問合せるといいと思ひます。

昭和15年(1940)5月11日 水野葉舟宛書簡より 光太郎58歳

葉舟作詞の校歌に関わります。

弘田龍太郎」は作曲家。大正年間、鈴木三重吉主宰の『赤い鳥』によって展開された童謡運動に共鳴、北原白秋らの作詞による童謡を同誌に相当数発表しました。今日でも歌い継がれている作品としては「靴が鳴る」(大正8年=1919 清水かつら作詞)、「叱られて」(同9年=1920 同)、「雀の学校」(同11年=1922 同)、「春よ来い」(同12年=1923 相馬御風作詞)などがあります。

また、正確な作曲年は不明で、楽譜が刊行された記録も見あたりませんが、昭和18年(1943)12月に日本コロムビア改め日蓄工業株式会社(戦時中の「敵性語追放」によります)から、光太郎の「ぼろぼろな駝鳥」に弘田が曲を付けた歌曲のレコードがリリースされています。

木下(きおろし)小学校」は、千葉県印西市に現存し、校歌は葉舟の作詞、弘田の作曲です。一帯は当時木下(きおろし)町。葉舟が居住していた遠山村(現・成田市)と同じ印旛郡に属し、おそらく地域の名士・葉舟に校歌作詞、併せて作曲家を紹介してほしい旨の依頼があり、さらに葉舟から光太郎に適当な作曲家は誰かという問い合わせがあったものと思われます。