テレビ放映情報2件ご紹介します。

まず、7月31日(月)の朝。

にほんごであそぼ「空」

地上波NHK Eテレ 2023年7月31日(月) 08:35~08:45 再放送 8月5日(土) 07:00~07:10

書道で学ぶにほんご・漢字アニメ/空、偉人とダンス/この空は私たちの真上にある 究極のアートギャラリーなのである。(ラルフ・ワルド・エマーソン)、こどもスタジオ/空前絶後、朗読(高杉真宙)/「あどけない話」高村光太郎、文楽/山のあなたの・・・、童謡「りすりす小りす」

【出演】南野巴那,高杉真宙,竹本織太夫,鶴澤清介,三世 桐竹勘十郎,青柳美扇,おおたか静流,中村彩玖,川原瑛都,川田秋妃

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光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)が取り上げられます。

ただ、番組説明欄の区切れ目がどこかよく分からない書き方です。おそらく「朗読(高杉真宙)/「あどけない話」高村光太郎」で、俳優の高杉真宙さんによる朗読ではないかと思うのですが……。もしかすると「「あどけない話」高村光太郎、文楽」かもしれません。というのも、今回も出演なさる人間国宝の桐竹勘十郎さんによる「あどけない話」も、以前に複数回ありましたので……。

もう1件、同日昼の放映。故・内田康夫氏原作の『「首の女」殺人事件』が原作です。

ドラマ・浅見光彦〜最終章〜▼第9話 草津・軽井沢編

BS-TBS 2023年7月31日(月) 12:59〜13:55

ベストセラー作家・内田康夫の大人気サスペンス小説「浅見光彦シリーズ」。光彦の2人の幼馴染・野沢光子(星野真里)と宮田治夫(吹越満)と久しぶりの再会を経て楽しい気分でいる頃、光子の父が殺害された…。

【出演】沢村一樹、風間杜夫、原沙知絵、黒田知永子、佐久間良子、
    星野真里、吹越満、 天野ひろゆき(キャイ〜ン)、鶴田忍、清水綋治

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平成21年(2009)に地上波TBSさんで連ドラの枠として放映された「浅見光彦〜最終章〜」の最終回。したがって2時間ドラマではありません。

何が「最終章」かというと、平成12年(2000)から2時間ドラマで浅見光彦役を演じられてきた沢村一樹さんの卒業、というコンセプトだったようです。ことによるとTBSさんでの「浅見光彦シリーズ」自体、これで満了、という予定だったのかもしれません。

しかし沢村さん、この後も平成23年(2011)から翌年にかけ、同じく地上波TBSさんの3本の2時間ドラマで浅見光彦役を演じられ、結局、何が「最終章」だったのかよくわかりません(笑)。さらにこの後、TBSさんの浅見光彦役は速水もこみちさんにバトンタッチされました。いろいろ大人の事情があったのでしょう。

で、「草津・軽井沢編」。光太郎彫刻の贋作にまつわる連続殺人事件を描いた『「首の女」殺人事件』を原作としています。
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途中には光太郎の人となり、詩の紹介も。
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同じ『「首の女」殺人事件』を映像化したフジテレビさん版(中村俊介さん主演)は、かなり原作に近く作られていたのですが、こちらでは大胆に変更。原作では事件の舞台は安達太良山、それから島根県でしたが、こちらでは草津と軽井沢が現場となり、ストーリーや登場人物の設定等も大幅に変えられています。

「浅見光彦〜最終章〜」として、平成22年(2010)にDVDボックスが発売されています。
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ちなみに第1話は「恐山・十和田湖・弘前編」。本編では映りませんでしたが、付録のメイキング映像には、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」が。
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本編でも取り上げていただきたかったのですが(笑)。

さて、それぞれ、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

貴著詩集「瀧」及御てがみ忝くおうけとりしました。丁度寸暇無き家事の状態にさしかかりました為めお礼のてがみさへ遅れて失礼しました。詩集はもつとよく落ちついてから精読したいと思つてをりますから、その上何か申上げたいと存じます。

昭和7年(1932)11月 岡本弥太宛書簡より 光太郎50歳

岡本弥太は高知出身の詩人。戦後、光太郎が岡本の詩「白牡丹図」を揮毫した石碑が建立されました。

寸暇無き家事の状態」は心を病んだ智恵子の自殺未遂を指します。

この書簡、『高村光太郎全集』には『瀧批評集』という書籍からの転載で収録されていますが、同書の刊行年が「昭和一八年」と誤記されています。正しくは「昭和八年」です。