都内の画廊で開催中、及び明日からの展示を2件。
まずは地方紙『福島民報』さんの記事から。
まずは地方紙『福島民報』さんの記事から。
安達太良高原の自然生かした作品注目集める 15日まで都内で作品展 福島市出身の照明デザイナー・東海林弘靖さん
福島県の安達太良高原の自然光や風景、音をアートにした作品展「MIND LIGHTNESS」が東京・銀座のギャラリー「巷房」で開かれ、注目を集めている。福島市出身の照明デザイナー・東海林弘靖さん(65)=東京・LIGHTDESIGN社長=が二本松市に建設した光の研究観測施設「あだたらキャビン」からライブ配信される映像のインスタレーション(空間芸術)と、東海林さんが現地で受けた印象を描いたクレヨン画50点を展示している。15日まで。
ライブ映像にはあだたらキャビンから見える安達太良山の空の変化が映し出され、風や森のざわめき、野鳥のさえずりや虫の音が響く。作品名を「ほんとの空/Watch inside yourself」と名付けた。画面を薄い紙で覆い、幻想的な効果を演出する一方、鮮明な自然の音で想像力を刺激。都会と本県の雄大な自然を結び、来場者を魅了している。
クレヨン画はさまざまな色の空や山、街の明かりなどを「光のかけら」として10センチ角のキャンバスに抽象的に表現した。世界各地を旅して浴びた光の印象を描いた作品もある。
東海林さんは「東京で感じ、発信する安達太良山の力は一層大きく感じる」と語る。2025年大阪・関西万博の会場デザインプロデューサー補佐・照明デザインディレクターを務めており、あだたらキャビンで得られた光と照明の研究成果を生かす考えだ。
照明デザイナー・東海林弘靖氏。やはり『福島民報』さんで今年2月、「ほんとの空」がらみで紹介されていました。
で、東海林氏の個展。
照明デザイナー・東海林弘靖氏。やはり『福島民報』さんで今年2月、「ほんとの空」がらみで紹介されていました。
で、東海林氏の個展。
東海林弘靖展 MIND LIGHTNESS REAL NATURE - SUPER NATURE
期 日 : 2023年7月3日(月)~7月15日(土)
会 場 : 巷房 東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル3F+B1F
時 間 : 12:00 - 19:00 / final day 17:00
料 金 : 無料
コロナ禍で人々が孤立し、自然豊かな場所に回帰していく流れに、東海林はこれからの光の在り方を問いました。そして、太陽が生み出す豊かなフルスペクトルの波長と、赤外域のあたたかさが、人間の心を包む光の原点ではないかと考えるに至りました。
東海林は、人工的な照明によって自然光を模倣するのを嫌い、むしろ、その場を訪れた人が自らの内にある、記憶の中の光景をみつけに行くためのトリガーとして、光の要素をデザインしていくことで、自然光、人工光を問わず人間の心を包む光に到達できないだろうかと考えています。
本展覧会では、照明デザイナーである東海林弘靖が光をデザインする立場から離れ、光と人との新しい関係を考えるインスタレーションを行います。
人間の五官の情報能力のうち、視覚が87%、聴覚が7%とされています。約9割を占める視覚は、光の刺激を受けることで生じる感覚です。
3階巷房では、視覚にはやや曖昧な情報、聴覚にはクリアで臨場感溢れる情報、感覚比率の逆転した実験を提示します。地下1階では、東海林が採取した光の断片を展示します。この時、人は目から入る情報を補うために、時に聴覚情報を頼りに記憶の中の光を探しにいくのか?
多くの皆様に体験いただけますと幸いです。
もう1件。東京藝術大学さんの院生、学部生の皆さんによる絵画の展示。
『うたの心—絵筆に託す—展』Vol.2
期 日 : 2023年7月14日(金)~7月20日(木)
会 場 : 東京九段耀画廊 東京都千代田区三番町7-1-105 (朝日三番町プラザ1F)
時 間 : 12:00〜19:00 (最終日 〜17:00) ※会期中無休
料 金 : 無料
「出品作家」欄に名のある竹石楓さんという方がツイッターに「高村光太郎の詩から2篇選んで制作しました。🌙🐕 是非お越しください!」と投稿していらっしゃいました。ありがたし。
「東海林弘靖展 MIND LIGHTNESS REAL NATURE - SUPER NATURE」の方は、気づくのが遅れ、明日までとなってしまっていますが、それぞれ、ぜひ足をお運び下さい。
【折々のことば・光太郎】
瀧波さんに彫つてもらつた印を捺す為に色紙など書いたら皆画きそこないました。さういふ事を考へてかかるとやつぱりいけません。
「瀧波さん」は瀧波善雅、篆刻家です。「彫つてもらつた印」は、おそらく左下画像のもの。この年刊行された評伝『ロダン』のペーパーバック普及版奥付の検印紙です。同じ『ロダン』でも前年に出たオリジナルのハードカバーの検印紙(右下)に捺されていたのは何だか三文判のような……。
新しい印を捺したいばかりに色紙に何か描いたところ、そんな不埒な考えで描くとやっぱりだめだったと云うわけで、笑えますね。
ちなみに後に愛用するようになる斉白石制作の印も、宮崎を通じて作ってもらっています。
人にはそれぞれ大切にしている歌があります。悲しい時ふと思い出す歌、嬉しい時つい口ずさむ歌、そして愛する人を思い出したい時の歌などいろいろとあります。
本展の『うたの心』展では、第一回と同様に参加の作家の皆さんが大切にしている歌を思い出して、「うたの心」を想い音符ではなく絵筆で表出して頂く展示であります。
出品作家
東京藝術大学大学院:原澤亨輔(二年)、陳天逸(二年)
東京藝術大学:四年生:今野沙知子、三年生:伊勢菜々美、中川理裟、中原玲奈
二年生:伊東彩那、金井玲、竹石楓、新沼緑、日野樹来
日本画を詩歌からのインスパイアで、ということなのでしょう。「出品作家」欄に名のある竹石楓さんという方がツイッターに「高村光太郎の詩から2篇選んで制作しました。🌙🐕 是非お越しください!」と投稿していらっしゃいました。ありがたし。
「東海林弘靖展 MIND LIGHTNESS REAL NATURE - SUPER NATURE」の方は、気づくのが遅れ、明日までとなってしまっていますが、それぞれ、ぜひ足をお運び下さい。
【折々のことば・光太郎】
瀧波さんに彫つてもらつた印を捺す為に色紙など書いたら皆画きそこないました。さういふ事を考へてかかるとやつぱりいけません。
昭和3年(1928)3月13日 宮崎丈二宛書簡より 光太郎46歳
「瀧波さん」は瀧波善雅、篆刻家です。「彫つてもらつた印」は、おそらく左下画像のもの。この年刊行された評伝『ロダン』のペーパーバック普及版奥付の検印紙です。同じ『ロダン』でも前年に出たオリジナルのハードカバーの検印紙(右下)に捺されていたのは何だか三文判のような……。
新しい印を捺したいばかりに色紙に何か描いたところ、そんな不埒な考えで描くとやっぱりだめだったと云うわけで、笑えますね。
ちなみに後に愛用するようになる斉白石制作の印も、宮崎を通じて作ってもらっています。