邦楽と西洋音楽のコラボです。

第二回 掬月会

期 日 : 2023年7月15日(土)
会 場 : 宝生能楽堂 東京都文京区本郷1丁目5-9
時 間 : 14:00開演 
料 金 : S席 8,000円 A席 7,000円 B席 6,000円 C席 5,000円 自由席 3,000円

ご挨拶 水上優
 第二回掬月会では様々な「うた」をテーマにお届けします。
 私は宮中の「歌合」が題材の能「草紙洗」を舞わせて頂きます。
 また、田崎隆三師に「通小町」を連吟で謡って頂き、長男達は大伴黒主が志賀明神となる舞囃子「志賀」、次男嘉は亡霊となった平忠度が、和歌の師である藤原俊成の元を訪ねる仕舞「俊成忠度」をそれぞれ勤めます。
 今回声楽家の紀野洋孝氏に「声楽作品と能」についてのお話と独唱を生田流箏曲家福田恭子様の伴奏で演奏して頂きます。
 和歌、謡曲、歌曲、古代から現代、東洋と西洋、様々な「うた」をお楽しみいただければ幸いです。

 お話と演奏 声楽作品と能 紀野洋孝
 演奏 テノール 紀野洋孝、伴奏(箏)福田恭子
  別宮貞雄作曲歌曲集《智恵子抄》より「晩餐」 平井康三郎作曲「平城山」
 舞囃子「志賀」 水上達 安福光雄 小寺真佐人 曽和伊喜夫 藤田貴寛
 仕舞「俊成忠度クセ」 水上嘉 
 連吟「通小町」 田崎甫 田崎隆三 小倉健太郎 辰巳和麿
 狂言「鬼瓦」 山本則孝 山本泰太郎
 能「草紙洗」 水上優 野口能弘 山本凜太朗 宝生和英 田崎隆三 他
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テノールの紀野洋孝氏。別宮貞雄氏作曲の歌曲集「智恵子抄」を複数の演奏会で積極的に演目に入れられたり、CDをリリースされたりなさっています。今回は、通常、ピアノでの伴奏を箏曲で。ご本人、ツイッターで「めちゃくちゃいい感じです!!!」とつぶやかれていました。別宮氏の「智恵子抄」が、日本語のフレーズを大切にした作曲なため可能なのでしょう。

ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

私はまだ多くの迷を持つ。まだ多くの燃えはじまらない炎のくすぶりを持つ。そのけむりは時として自分をさへ窒息させかねない。しかし息をとめてゐる事は私を殺さないで却て私の肺臓を容量多くするといふ事にも気がついた。 私は今猛烈に勉強してゐる。一方は自分を棄てる事に。一方は自分を獲る事に。棄ててから獲るのでない所に中世的の夢から一歩出てゐると信ずる。

昭和3年(1928)1月27日 中野秀人宛書簡より 光太郎46歳

何だか詩のような手紙ですね(笑)。悪い意味での「ポエム」ではなく。