テレビ番組の再放送系、2件ご紹介します。

日曜美術館「クォ・ヴァディス」の秘密〜シュルレアリスム画家北脇昇の戦争

地上波NHK総合 2023年7月9日(日) 20:00~20:45

ゴーギャンと並んで教科書にも登場した「クォ・ヴァディス」。題は聖書の引用「何処へ行くのか?」。前衛画家の終戦直後の作だが作者の意図は謎だった。今意外な真実が明らかに。

シュルレアリスム画家・北脇昇が終戦後、死の直前に残した「クォ・ヴァディス」。画家の意図は謎に包まれてきた。後姿の復員兵らしき男は何処へ行こうとしているのか? シュルレアリスムが日本にもたらされたのは戦時下。画家たちは抑圧の中で絵を描き終戦を迎えた。その心情の反映なのか?過去の評論家は行き暮れた男の姿に作者の挫折を重ね、戦争でシュルレアリスムが結実しなかったことを嘆いた。だが、近年の研究で意外な秘密が。

出演者
【出演】東京国立近代美術館副館長…大谷省吾
【キャスター】小野正嗣 柴田祐規子


シュルレアリスム画家・北脇昇を中心に取り上げたもので、本放送は7月2日(日)でした。
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同番組、光太郎智恵子や光太郎の父・光雲らと関わらないと思われる作家を取り上げる際などは、拝見しないことがあります。今回がそうでした。ところが、放映終了後、お仲間の一人からメールで「光太郎が紹介されたよ」。「ありゃま」と思い、見逃し配信のNHKプラスさんで拝見。

すると、戦時中や終戦直後、当時の芸術家等が戦争や敗戦とどう向き合ったのか、という中で光太郎が紹介されていました。
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他に金子光晴など。例によって金子に関しては、光太郎同様戦時中にコテコテの翼賛詩も書いていたことには触れられず、「反戦の詩人」と云った扱いでしたが。金子に対してはもはやそういう評価がほぼ定着してしまっていますね。別に金子をディスるつもりもありませんが、翼賛詩は書かなかったことにしてしまおう、という本人あるいは取り巻きの策謀が功を奏しているようです。

閑話休題、もう1件。

プレイバック日本歌手協会歌謡祭

BSテレ東 2023年7月11日(火) 17:58~19:00

「日本歌手協会歌謡祭」名曲&懐かしの名場面を一挙放送!

楽曲1
「東京アンナ」大津美子  「ダイナ」ディック・ミネ  「ダイアナ」鈴木ヤスシ
「硝子のジョニー」谷龍介  「傷だらけのローラ」高道(狩人)  
「シェリー」九重佑三子、田辺靖雄  「ジョニィへの伝言」ペドロ&カプリシャス
「メリー・ジェーン」つのだ☆ひろ
楽曲2
「サチコ」ニック・ニューサ  「ひとみちゃん」神戸一郎
「そんな夕子にほれました」増位山太志郎  「智恵子抄」二代目コロムビア・ローズ
「お吉物語」天津羽衣  「おーい中村君」若原一郎
「ハチのムサシは死んだのさ」セルスターズ  「姿三四郎」姿憲子  「与三さん」照菊

<司会>合田道人
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物故者を含め、過去の歌唱映像の再編で構成されている番組。令和2年(2020)に亡くなった二代目コロムビア・ローズさんの「智恵子抄」(昭和39年=1964)も流れます。亡くなって以来、何度かこの手の番組で取り上げられ続けています。

それぞれぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

「大調和」が予想にたがはず、内容豊富で、又体裁も奇麗なので喜びました。あなたの労苦も思ひやられました。お金も思ひがけなく沢山もらつて大よろこびです。早速出しにゆきます。講演会のお礼には本当に恐縮しました。

昭和2年(1927)3月23日 笹本寅宛書簡より 光太郎45歳

この年創刊された「大調和」は武者小路実篤主宰の雑誌。笹本はその編集者で、後に小説家としても名を馳せます。

3月17日にはその「創刊記念文芸講演会」が催され、光太郎も登壇、「五分間」と題して講演をしました。また、創刊号には光太郎の評論「ホヰツトマンの事」も載りました。そのあたりのもろもろで振り込みがあったようで、「沢山もらつて大よろこび」「早速出しにゆきます」(笑)。