新刊です。

おとなのスケッチ塗り絵 花と叙情の詩文集

2023年5月21日 絵・名司生 エムディエヌコーポレーション発行 定価1,200円+税

スケッチするように塗り絵を楽しむ「おとなのスケッチ塗り絵」。最新作の『花と叙情の詩文集』は、日本文学をテーマにしました。

美しい日本語で紡がれた日本文学。シリーズ24作目は名作として長く読み継がれている文学作品をテーマにしました。「植物」「動物」が登場する一編を取り上げ、その情景をイメージして図案化。物語のワンシーンを切り取ったような叙情的で美しいイラストが特徴です。金子みすゞ、高村光太郎、海達公子、宮沢賢治、萩原朔太郎といった日本を代表する作家たちの作品から選出。一度は読んだことがある名作ばかりなので、読書をした当時の記憶や気持ちを思い出しながら塗り絵が楽しめるでしょう。

塗り絵の対向ページには、作家や作品の紹介と参考にした一編を掲載しています。塗り絵は、自律神経を整えたり認知機能を高めたりするのに有効なアイテム。手を動かすことで脳に刺激をあたえますが、とくに「昔の思い出などを想像しながら塗る」という行為が、脳の働きを活性化するそうです。

011イラストは同シリーズで人気の『おとなのスケッチ塗り絵 万葉の花』を担当したイラストレーターの名司生さん。本のイメージを大切にオリジナルの世界観で描きました。イラストにはかわいい妖精たちも登場するので注目してください!

目次
 準備するもの
 塗り方のテクニック[基本]
 塗り方のテクニック[応用]
 [花と叙情の詩文集 塗り絵集]
  01 チューリップ(三好達治)
  02 芙蓉の花(野口雨情)
  03 金雀枝(野口雨情)
  04 学校(室生犀星)
  05 月草(室生犀星)
  06 藤の花(海達貴文)014
  07 ばら(海達公子)
  08 秋の朝(海達公子)
  09 水ヒアシンス(北原白秋)
  10 曼珠沙華(北原白秋)
  11 どんぐりと山猫(宮沢賢治)
  12 冬が来た(高村光太郎)
  13 六月の雨(中原中也)
  14 春と赤ン坊(中原中也)
  15 梅(八木重吉)
  16 星とたんぽぽ(金子みすゞ)
  17 げんげの葉の唄
(金子みすゞ)
  18 こころ(萩原朔太郎)
  19 桜の森の満開の下
(坂口安吾)

この手の書籍、最近流行りですね。こちらも「シリーズ24作目」だそうで。

認知症予防などにも使われているようで、一昨年亡くなった義母も、ディサービスの施設でこの手の塗り絵をやっていました。

前半が手本のページ。オールカラーです。書籍自体が大判なので(25.0㌢×25.0㌢)、スキャンできませんでした。右ページが光太郎「冬が来た」のページです。左は宮沢賢治「どんぐりと山猫」。
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後半ページがワークシート的な。切り取って手本ページを見ながら塗れるように、キリトリ線が印刷してあります。簡略な作品解説も。
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手本ページの美しい絵を見ているだけで心が和まされます。

ぜひお買い求めを。

【折々のことば・光太郎】

又あの愛らしいみち子さんの方は 初め木炭でいろいろ素描を試み今早朝の時間を以て八号のカムバスへ油画に致して居ります あの無邪気な晴朗とした面影を捉へたいと念じて居ります


大正7年(1918)8月23日 渡辺湖畔宛書簡より 光太郎36歳

渡辺湖畔は新潟佐渡島の素封家にして与謝野夫妻の新詩社同人だった歌人。「みち子さん」はこの年4月、3歳で早世した渡辺の娘。光太郎が写真を元に肖像画を描きました。
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親としては涙無しには見られなかったのではないかと思われます。