取り上げるべき事項が多く、5件まとめてご紹介します。

まず、光雲の「老猿」が出品されている、竹橋の東京国立近代美術館さんで開催中の「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」関係で2件。

日曜美術館 選 重要文化財の秘密 知られざる日本近代美術史

NHK Eテレ 2023年4月23日(日) 9:00~9:45

明治以降に制作された日本近代美術を代表する重要文化財の絵画や彫刻。どのような評価を経て、指定されるに至ったのか?誰もが知る傑作の、知られざる物語をひもときます。

文化財保護法に基づいて国がその価値を認めて指定する重要文化財。美術工芸分野の重要文化財件数は1万件を超える。しかしそのうち明治以降の絵画・彫刻・工芸はわずか68件に過ぎない。時代が浅く、絶対的な評価が固まり切れない中で重要文化財に指定された作品たちはどのような評価を経て、指定されるに至ったのか?誰もが一度は目にしたことのある傑作中の傑作、その知られざる物語をひもとく。

出演者
【司会】小野正嗣,柴田祐規子,【出演】東京国立近代美術館副館長…大谷省吾

4月2日(日)に初回放映のあったものの再放送です。通常、この番組の再放送は次週の夜20:00~なのですが、4月9日(日)は統一地方選挙の特番がEテレさんでも為され、そのため「選」と題して通常枠で再放送です。

同じく「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」を取り上げ、4月19日(水)に放映されたBS日テレさんの「ぶらぶら美術・博物館」では、予想通り(予告編、番組解説欄で触れられていませんでして)光太郎の父・光雲作の「老猿」はスルーされてしまい残念でしたが、こちらでは「老猿」が長めの尺で取り上げられました。
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ちなみに「ぶらぶら美術・博物館」でも、会場内のフォトスポットにプリントされた「老猿」、それから会場内での通りすがりに「老猿」(笑)。
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もう1件、同展がらみで。

東京サイト「重要文化財の秘密」

地上波テレビ朝日 2023年4月27日(木)  13:45~13:49

今後ますますの進化が期待される日本の首都・東京。この世界屈指の巨大都市の知られざる魅力を発見し、暮らしに役立つ最新情報をお届けします。

東京国立近代美術館は企画展「重要文化財の秘密」を開催中。シカゴ万博に出品された高村光雲の「老猿」など、重要文化財に指定されるまでの美術史の秘密に迫っています。

ナビゲーター 林家きく姫
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こちらは番組説明欄に「老猿」。ありがたし。ただし、5分間番組ですが。

続いては、光太郎と宮沢賢治の関係で。やはり再放送です。

業の花びら 〜宮沢賢治 父と子の秘史〜

NHK BSプレミアム 4月23日(日) 10:30~12:00

宮沢賢治の詩碑文にと父が推したのは、「雨ニモマケズ」ではなく「業の花びら」という詩だった。なぜその詩だったのか。ディレクター今野勉が迫る「賢治・もう一つの顔」。

岩手県花巻市郊外に建つ、詩人・童話作家の宮沢賢治の記念詩碑。碑文は有名な「雨ニモマケズ」だが、賢治を最も理解していた父が推したのは「業の花びら」という詩だったという。なぜ「業の花びら」だったのか。賢治の素顔を追い続けてきたディレクター今野勉は、賢治の“業”への強いこだわりに注目。対立の最中に父子で出かけた関西旅行、“業”をテーマにした童話「二十六夜」の謎に迫る。今明かされる、賢治・もう一つの顔。

【語り】森田美由紀

3月24日(金)に初回放映がありました。「雨ニモマケズ」詩碑文の揮毫が光太郎であることが紹介され、碑文の朗読の際には光太郎の筆跡をテロップに使って下さいました。
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そして戦災で焼け出された光太郎を花巻に招いてくれた、賢治の父・政次郎と賢治の関係性。ちょうど来月には映画「銀河鉄道の父」(門井慶喜氏原作)が封切られますし、タイムリーですね。

花巻といえば、こちら。

ミステリー「花ふぶき女スリ三姉妹のみちのく温泉デラックス無銭ツアー」

BS松竹東急(無料放送) 2023年4月22日(土) 15:00~17:00

逮捕も覚悟で一世一代の大仕事! 先祖代々のスリ一家に育った三姉妹、美恵・佳恵・沙恵は父譲りの妙技でスリを働いていた。そんな三人が、温泉とスリの旅にみちのくへ向かう。三人を見張る老刑事堀田もその後を追った。旅先で沙恵は松岡というエリート風の青年に出会い一目惚れ。その彼が会社の重要書類を盗まれて困っていると知り、沙恵たち三人は、川田たち三人のスリグループから、書類を取り返そうとする…。

【公開・放送年】 1988年
【出演者】 叶和貴子、美保純、宮下順子、佐野浅夫、美木良介、八名信夫、宮尾すすむ、
      ビートきよし(ツービート)、猪野修平、美角友亮、不破万作

初回放映が昭和63年(1988)、地上波テレビ朝日さん系列での「火曜スーパーワイド」枠でした。そこで、その後も再放送が繰り返し行われていたと推定されますが、このブログでは初のご紹介です。

サブタイトルの「みちのく温泉」から、「大沢温泉さんとか岳温泉さんとか、そのあたりがロケ地かな?」と思って、公式サイトを見たところ、下の画像。
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「こ、これは!」でした。「何が?」と突っ込まれそうですが、キャストの方々ではなく、後の壁と窓です。

「この壁と窓、高村山荘(光太郎が昭和20年=1945秋から丸7年間暮らした山小屋)だ!」。調べてみました。すると、この手の2時間ドラマのロケ地をまとめたサイトで、たしかに高村山荘でロケが行われていたことが判明。上の画像で気がついた自分を自分でほめたくなりました(笑)。これまで知らなかったというのは減点対象ですが(笑)。

ちなみに「業の花びら」にも出てくる賢治詩碑、賢治記念館、光雲が主任となって制作された上野の西郷隆盛像などでもロケが敢行されていました。

ちなみに「みちのく温泉」はやはり光太郎御用達の花巻温泉さんでした。

さて、2時間ドラマでもう1件。こちらは毎年のように再放送が為されており、このブログで何度もご紹介しています。

ミステリー・セレクション・湯けむりバスツアー桜庭さやかの事件簿1 露天風呂に浮かぶ遺体の謎…22年ぶりの兄妹対面で起こった兄殺し欲望渦巻く故郷で迎えた驚愕の結末とは!!

BS-TBS 2023年4月25日(火) 09:59~12:00

高校生の娘と中学生の息子を持つシングルマザー・桜庭さやかは、ベテランバスガイド。しっかり者の子供たちに今日も起こされ、元気いっぱい仕事へと飛び出していく。今回のツアーは、猪苗代湖〜安達太良山〜会津若松を巡り、山形へと向かう旅。大盛り上がりのサンライズ商店街御一行様を前にさやかの名調子が冴える。ツアー客の中にはフラワーショップを営む佐野雄二と香織の兄妹も参加していた。2人はツアーの途中で22年ぶりに兄・修一に再会できることを楽しみにしていた。しかし、その兄が安達太良山で死体となって発見される。

出演者 萬田久子、葛山信吾、酒井美紀、石橋保、大浦龍宇一、未來貴子、伊藤洋三郎、
    斉藤暁、徳井優、竜雷太(他)
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安達太良山が第一の事件現場という設定で、「智恵子抄」にもちらりと触れられます。

それぞれぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

随分御無沙汰しました。お葉書拝見しました。僕はこの頃一人の人間に頭を傾け尽してゐたので、みんなに失敬してゐました。

大正2年(1913)1月9日 内藤鋠策宛書簡より 光太郎31歳

頭を傾け尽してゐた」という「一人の人間」は、智恵子。「恋は盲目」といいますからね(笑)。