神戸から演奏会情報です。
それだけでなく、ゲストにカウンターテナーの藤木大地氏を迎え、独唱のステージも。その中で、加藤昌則氏作曲の「レモン哀歌」が演奏される予定です。
藤木氏、同じ「レモン哀歌」を、横浜と広島で開催された演奏会「藤木大地&みなとみらいクインテットコンサート」で歌われましたし、同コンサートは来月、新潟市民芸術文化会館さん、奈良県大和高田市さざんかホールさんでも開催予定で、「レモン哀歌」も予定曲目に入っています。詳細は追ってご紹介します。
加藤昌則氏作曲の「レモン哀歌」は、バリトンの宮本益光氏の歌唱で、何度かコンサートで演奏されたりCDに収録されたりもしています。
ちなみに今回の会場は神戸文化ホールさん。昭和48年(1973)の竣工で、外壁には智恵子紙絵をあしらった神戸市民の花・紫陽花の巨大壁画が。そのホールで「レモン哀歌」。いいですね。
ところで、全日本合唱コンクール課題曲のうちの一曲が三善晃氏作曲の女声三部「街路灯」。作詞者が北岡淳子氏で、「ありゃま」と思いました。北岡氏、日本詩人クラブさんの会長を務められていて、昨年行われた同会12月例会では当方が「2022年の高村光太郎――ウクライナ、そして『智恵子抄』――」と題して講演をさせていただき、非常にお世話になりました。また、過日の第67回連翹の集いにもご出席下さっています。
音楽方面でも光太郎、さらにいろいろと取り上げ続けていただきたいものです。
【折々のことば・光太郎】
気候のよろしき為めか彫刻の感興抑へがたくいつぞやちよつと御覧に入れたるお姉様の肖像をいぢり始めてつひ半日又半日と重なりて意外の我儘をいたしあなたの御心配のほどに今日思ひ及びまことに恐縮 ひたすら恥ぢ入り候
セキは智恵子のすぐ下の妹。したがって「お姉様の肖像」は智恵子像です。光太郎、複数の智恵子像を制作しましたが、残念ながら、すべて現存が確認できていません。例外は生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」ですが、純粋に「智恵子像」というわけでもありません。
写真だけ残されている智恵子像、左は大正5年(1916)、右は昭和2年(1927)です。
合唱コンクール課題曲コンサート2023~藤木大地を迎えて~
期 日 : 2023年4月23日(日)
会 場 : 神戸文化ホール 大ホール 兵庫県神戸市中央区楠町4-2-2
時 間 : 14:00開演
料 金 : [全席指定]一般:2,000円 U25(25歳以下):500円
合唱の二大コンクール、Nコン(NHK全国学校音楽コンクール)と、全日本合唱連盟さん主催の全日本合唱コンクール、それぞれの今年の課題曲が演奏されるコンサートです。プログラム
2023年度NHK全国学校音楽コンクール(Nコン2023)課題曲
♪ 小学校の部「緑の虎」 廣嶋玲子 詞/村松崇継 曲
♪ 中学校の部「Chessboard」 Official髭男dism 制作/横山潤子 編曲
♪ 高等学校の部「鳥よ空へ」 劇団ひとり 詞/信長貴富 曲
2023年度全日本合唱コンクール 課題曲より
♪ 花々と木々(「光に寄す」から)サンサーンス 詩・曲
♪ Ⅰ―空と涙について― (「恋の色彩」から)古今和歌集より/田畠佑一 曲
♪ Salut, Dame Sainte(「アッシジの聖フランチェスコの四つの小さな祈り」から)
プーランク曲
プーランク曲
♪ 街路灯(「街路灯」から)北岡淳子 詩/三善晃 曲
藤木大地独唱ステージ
♪ シャガールと木の葉(2022委嘱初演)木下牧子 曲/谷川俊太郎 詩
♪ 日々草 加羽沢美濃 曲/星野富弘 詩
♪ ぼくが死んでも 信長貴富 曲/寺山修司 詩
♪ レモン哀歌 加藤昌則 曲/高村光太郎 詩
過去のNHK全国学校音楽コンクールより
♪ 気球に乗ってどこまでも(1974年度)東龍男 詩 平吉毅州 曲
♪ 生きる(1995年度)谷川俊太郎 詩 新実徳英 曲
♪ 手紙 ~拝啓 十五の君へ~(2008年度)アンジェラ・アキ 詩・曲
♪ ひとつの朝(1978年度)片岡輝 詩 平吉毅州 曲
出演
指揮・ピアノ 佐藤正浩 ゲスト 藤木大地(カウンターテナー)
合唱 神戸市混声合唱団
合唱 神戸市混声合唱団
それだけでなく、ゲストにカウンターテナーの藤木大地氏を迎え、独唱のステージも。その中で、加藤昌則氏作曲の「レモン哀歌」が演奏される予定です。
藤木氏、同じ「レモン哀歌」を、横浜と広島で開催された演奏会「藤木大地&みなとみらいクインテットコンサート」で歌われましたし、同コンサートは来月、新潟市民芸術文化会館さん、奈良県大和高田市さざんかホールさんでも開催予定で、「レモン哀歌」も予定曲目に入っています。詳細は追ってご紹介します。
加藤昌則氏作曲の「レモン哀歌」は、バリトンの宮本益光氏の歌唱で、何度かコンサートで演奏されたりCDに収録されたりもしています。
ちなみに今回の会場は神戸文化ホールさん。昭和48年(1973)の竣工で、外壁には智恵子紙絵をあしらった神戸市民の花・紫陽花の巨大壁画が。そのホールで「レモン哀歌」。いいですね。
ところで、全日本合唱コンクール課題曲のうちの一曲が三善晃氏作曲の女声三部「街路灯」。作詞者が北岡淳子氏で、「ありゃま」と思いました。北岡氏、日本詩人クラブさんの会長を務められていて、昨年行われた同会12月例会では当方が「2022年の高村光太郎――ウクライナ、そして『智恵子抄』――」と題して講演をさせていただき、非常にお世話になりました。また、過日の第67回連翹の集いにもご出席下さっています。
音楽方面でも光太郎、さらにいろいろと取り上げ続けていただきたいものです。
【折々のことば・光太郎】
気候のよろしき為めか彫刻の感興抑へがたくいつぞやちよつと御覧に入れたるお姉様の肖像をいぢり始めてつひ半日又半日と重なりて意外の我儘をいたしあなたの御心配のほどに今日思ひ及びまことに恐縮 ひたすら恥ぢ入り候
大正元年(1912) 3日(年代推定 月不詳)
長沼セキ宛書簡より 光太郎30歳
長沼セキ宛書簡より 光太郎30歳
セキは智恵子のすぐ下の妹。したがって「お姉様の肖像」は智恵子像です。光太郎、複数の智恵子像を制作しましたが、残念ながら、すべて現存が確認できていません。例外は生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」ですが、純粋に「智恵子像」というわけでもありません。
写真だけ残されている智恵子像、左は大正5年(1916)、右は昭和2年(1927)です。