智恵子の故郷・福島二本松系の新聞記事を3件ご紹介します。
まず、『福島民報』さん、一昨日の一面コラム。光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語を使って下さいました。
記事を読む前、「百年桜」というので、樹齢百年を超える大木の桜が見頃、的な話かと思ったらさにあらず。もとの古木が枯れてしまい、同校の創立百周年を期して新たな桜が植えられ、花を咲かせたそうで。
ネットで調べたところ同校の『創立100周年記念事業実行委員会だより』がヒットしまして、下記の記事が出ていました。昨年のもののようです。
「ほんとの空」のもと、この木、そして生徒さんたちも逞しく成長してほしいものです。
続いて『福島民友』さん。やはり桜がらみで、過日ご紹介した市内循環バス「春さがし号」の件。
多くの乗客の方々で賑わっているといいのですが。
最後に『朝日新聞』さん。今日の土曜版から。朝食を食べながら、これが掲載されていることに気付き、読み進めて吹きました(笑)。イラストレーター・みうらじゅん氏の連載「マイ走馬灯」です。
【折々のことば・光太郎】
此の間の夜はあまり突然のこととて何の御愛想もいたされませんでしてまことに失礼いたしました それに折角お目にかゝりながらろくろくお話さへも出来ませんで本意ない事に存じました どうぞあれにおこりにならず御暇もございましたら又お遊びにおいで下さいますやう うまい紅茶やお好きなあづきもたんとさし上げますから
セキは智恵子の直ぐ下の妹。智恵子と同じく日本女子大学校に進み、最近分かったのですが、さらに東京女子高等師範学校に入学し直し、この年7月に卒業しています。この後、智恵子の郷里の父母らは光太郎との交際にいい顔をしませんでしたが、セキだけは光太郎と直接面識を持ち、二人の後押しをいろいろしてくれたようです。前月に智恵子が光太郎を追って銚子犬吠埼を訪れた際も、同行していました。
書簡に書かれたセキの光太郎訪問については、智恵子も一緒だったのかなど、詳細が不明です。
まず、『福島民報』さん、一昨日の一面コラム。光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)由来の「ほんとの空」の語を使って下さいました。
あぶくま抄 百年桜
足早な春に、小さなエドヒガンザクラが数輪の花を付け、やがて若葉に変わった。二本松市の安達高の正門横で大切に育てられている。今年の学校創立100周年に合わせて記念事業実行委員会が植え、生徒会が「百年桜」と名付けた▼安達高は1923(大正12)年に県立安達中として開校し、地元の若者が志を抱いて勉学に励んだ。1、2回生が卒業を記念して植えた桜が風霜に老いて今回、代替わりした。二本松藩主に目をかけられ、開校時から生徒を見守る「三顧の松」、放射線医学の世界的権威で文化勲章を受けた高橋信次博士の像が近くに立つ▼「入学の日、坂を上り学校へ向かう私を、母はいつまでも見送ってくれた。涙で私のセーラー服姿が見えなくなったとよく話していた」。同窓会長の五輪美智子さんは、10日の入学式で思い出を明かした。娘の成長を喜ぶ母の思いを重ね、当時と同じセーラー服と学生服に身を包む150人の新入生を祝福した▼百年桜のお披露目を兼ねた吹奏楽のスプリングコンサートがきょう13日に催される。伝統の校歌や若い世代に人気の曲を奏でる。ほんとの空に響く澄んだ音色を、100年先も桜が覚えているといい。記事を読む前、「百年桜」というので、樹齢百年を超える大木の桜が見頃、的な話かと思ったらさにあらず。もとの古木が枯れてしまい、同校の創立百周年を期して新たな桜が植えられ、花を咲かせたそうで。
ネットで調べたところ同校の『創立100周年記念事業実行委員会だより』がヒットしまして、下記の記事が出ていました。昨年のもののようです。
「ほんとの空」のもと、この木、そして生徒さんたちも逞しく成長してほしいものです。
続いて『福島民友』さん。やはり桜がらみで、過日ご紹介した市内循環バス「春さがし号」の件。
二本松の名所循環バス 16日まで6便、9カ所停車
二本松市中心部の名所旧跡を循環する恒例の臨時バス「二本松春さがし号」が始まり、16日までの毎日、JR二本松駅前を発着する計6便が運行している。
国指定史跡「二本松城跡」がある県立霞ケ城公園や智恵子の生家、二本松少年隊の墓がある大隣寺などを巡るコースで、同駅前を除き9カ所で停車する。午前9時~午後3時台のおおよそ1時間おきに運行され、ゆったりと城跡や公園の散策などをしても次の便に乗車して移動できる。
にほんまつ観光協会と福島交通二本松営業所が運行。運賃は中学生以上170~500円、小児90~250円で乳幼児無料。乗り降り自由の1日フリー乗車券は中学生以上500円、小児250円で、大山忠作美術館と智恵子記念館の入館料が割引となる。
運行初日の7日に二本松駅前で出発式が行われ、安斎文彦会長、鈴木友和営業所長がテープカットした。
問い合わせは同営業所(電話0243・23・0123)、同協会(同0243・24・5085)へ。
多くの乗客の方々で賑わっているといいのですが。
最後に『朝日新聞』さん。今日の土曜版から。朝食を食べながら、これが掲載されていることに気付き、読み進めて吹きました(笑)。イラストレーター・みうらじゅん氏の連載「マイ走馬灯」です。
マイ走馬灯 ひらパーの菊人形
幼い頃、大阪のひらかたパークで見た(いや、見せられた)菊人形がとても怖かった。まわりの大人たちがそれを「綺麗(きれい)やなァー」と絶賛しているのもまた、ホラー。そんなトラウマがいつしか面白さに変化して、40代後半のマイブームとなったのである。
絵の左下にあるのは福島県で見た高村光太郎(丸メガネ)の菊人形。中央下のカエル(これは僕の漫画キャラ。走馬灯画には必ずどこかに登場する)は、実際にオリジナルで作った菊人形だ。白い犬は映画にもなった青森の『わさお』。飼い主のおばさんから、わさおの抜け毛をプレゼントされた思い出もある。
右端は京都、三十三間堂のグッとくるルックスの婆藪(ばす)仙人像。耳にハイビスカスは歌手の日野てる子さん。今でも『夏の日の思い出』を口ずさむ。その隣は僕の青春アイドル、栗田ひろみさんで、映画『犬神家の一族』のスケキヨと、プロレスラーのミル・マスカラスはマスク繋(つな)がりだ。そして中央には、5年前からグッズを買い続けているワニ。きっとみなさん、マイ走馬灯に出てくれるはず!
みうら氏、幼少期に見たある意味無気味な菊人形に対するトラウマが相当に強いようで、令和元年(2019)には『産経新聞』さんの連載コラムでも、その件に触れられていました。そこでは「二本松の菊人形」に並んだ光太郎の菊人形を写真入りで紹介なさっていました。ちなみにまだ先の話ですが、今年の「二本松の菊人形」のテーマ、「徳川家康」だそうです。
二本松では今月末から恒例の「高村智恵子生誕祭」として、通常非公開となっている智恵子生家の2階部分の限定公開や、智恵子記念館では智恵子紙絵実物の展示もありますし、来月には安達太良山の山開き、さらに地元で智恵子顕彰をなさっている「智恵子のまち夢くらぶ」さん主催のイベント等も計画されています。また後ほど詳しくご紹介いたします。
右端は京都、三十三間堂のグッとくるルックスの婆藪(ばす)仙人像。耳にハイビスカスは歌手の日野てる子さん。今でも『夏の日の思い出』を口ずさむ。その隣は僕の青春アイドル、栗田ひろみさんで、映画『犬神家の一族』のスケキヨと、プロレスラーのミル・マスカラスはマスク繋(つな)がりだ。そして中央には、5年前からグッズを買い続けているワニ。きっとみなさん、マイ走馬灯に出てくれるはず!
みうら氏、幼少期に見たある意味無気味な菊人形に対するトラウマが相当に強いようで、令和元年(2019)には『産経新聞』さんの連載コラムでも、その件に触れられていました。そこでは「二本松の菊人形」に並んだ光太郎の菊人形を写真入りで紹介なさっていました。ちなみにまだ先の話ですが、今年の「二本松の菊人形」のテーマ、「徳川家康」だそうです。
二本松では今月末から恒例の「高村智恵子生誕祭」として、通常非公開となっている智恵子生家の2階部分の限定公開や、智恵子記念館では智恵子紙絵実物の展示もありますし、来月には安達太良山の山開き、さらに地元で智恵子顕彰をなさっている「智恵子のまち夢くらぶ」さん主催のイベント等も計画されています。また後ほど詳しくご紹介いたします。
【折々のことば・光太郎】
此の間の夜はあまり突然のこととて何の御愛想もいたされませんでしてまことに失礼いたしました それに折角お目にかゝりながらろくろくお話さへも出来ませんで本意ない事に存じました どうぞあれにおこりにならず御暇もございましたら又お遊びにおいで下さいますやう うまい紅茶やお好きなあづきもたんとさし上げますから
大正元年(1912)10月5日(年代推定) 長沼セキ宛書簡より 光太郎30歳
セキは智恵子の直ぐ下の妹。智恵子と同じく日本女子大学校に進み、最近分かったのですが、さらに東京女子高等師範学校に入学し直し、この年7月に卒業しています。この後、智恵子の郷里の父母らは光太郎との交際にいい顔をしませんでしたが、セキだけは光太郎と直接面識を持ち、二人の後押しをいろいろしてくれたようです。前月に智恵子が光太郎を追って銚子犬吠埼を訪れた際も、同行していました。
書簡に書かれたセキの光太郎訪問については、智恵子も一緒だったのかなど、詳細が不明です。