ニューリリースのCDです。一昨日、タワーレコードさん他のサイトに情報がアップされました。ちなみに旧字体の「惠」の字が使われているのは、制作サイドのこだわりなのでしょう。
定価2,000円+税
詩:高村光太郎
作曲/ピアノ:朝岡真木子
歌唱:清水邦子
収録曲
1 人に(6:02)
2 あどけない話(3:06)
3 千鳥と遊ぶ智惠子(3:59)
4 値(あ)ひがたき智惠子(2:59)
5 間奏曲 ~祈り~(4:19)
6 レモン哀歌(7:19)
作曲家・朝岡真木子氏が令和元年(2019)に作曲された組曲「智惠子抄」のみを収めたCDです。
昨年、メゾソプラノの清水邦子氏が旧東京音楽学校奏楽堂で開催された「清水邦子リサイタル 清水邦子が贈る朝岡真木子の世界」で全曲を歌われ、「ぜひCD化していただきたいものです」と申し上げたところ、とんとん拍子に実現してしまいました(笑)。その行動力、バイタリティーには脱帽です。と言っても、決してやっつけ仕事ではなく、清水氏の歌唱、朝岡氏のピアノ、ともに素晴らしい演奏ですし、ジャケット的なブックレットは全15ページ。こちらもハイクオリティです。
清水氏、どっぷりと「智恵子抄」の世界にはまられ、リサイタル後の11月には智恵子の故郷・福島二本松の智恵子生家/智恵子記念館などをご訪問、今回のブックレットにはその折の写真も多数掲載されています。
ちょうど生家二階の特別公開中でしたし、智恵子の「幻の花嫁衣装」の展示も為されている時でした。
その際に同行された、映画監督の水谷俊之氏が、今回のCDのライナーノートを書かれています。題して「三人の女が生み出した劇的なるもの」。「三人」とはもちろん、清水氏、朝岡氏、そして智恵子ですね。ちなみに水谷氏、一昨年にNHK BSプレミアムさんで放映された「プレミアムドラマ山女日記3 #3 あどけない空・安達太良山」の監督もなさっていて、「智恵子抄」とは浅からぬご縁をお持ちです。
ライナーノートと言えば、当方も書かせていただいております。CDの帯には当方執筆のライナーノートの抜粋も印刷して下さいました。恐縮至極です。
最上部にリンクを貼りましたが、オンライン販売が為されていますし、4月2日(日)に日比谷松本楼さんで開催予定の第67回連翹忌の集いにご参加下さる方は、会場内で販売しますので、そちらでお求め下さい。また、連翹忌の集いでは、清水氏、朝岡氏のお二人直々に、組曲から抜粋での演奏をお願いしてあります。ご参加下さる方、お楽しみに。
それに先だって、やはり抜粋での演奏が為される「朝岡真木子歌曲コンサート第6回」が、3月21日(火)、銀座の王子ホールさんで開催されます。その際にもCDの販売があるでしょう。
さらに、組曲「智惠子抄」全曲が収められた楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』も刊行されています。併せてお買い求め下さい。
【折々のことば・光太郎】
祝入営 明治43年(1910)8月10日 長田秀雄宛書簡より 光太郎28歳
親友・水野葉舟との連名で送った葉書。絵は光太郎でしょう。
長田秀雄は詩人、劇作家、小説家。光太郎も中心メンバーだった芸術運動「パンの会」のやはり主要な一人でした。
「入営」は徴兵によるものです。この年11月、「パンの会」の大会が日本橋大伝馬町の三州屋で開かれ、その際、画像にあるような幟が掲げられ、さらに光太郎がその周りに黒い縁取りをしたところ、訃報の黒枠のように見えました。そこに居合わせた『萬朝報』の記者が「けしからん」と翌朝の記事にし、今で言う「炎上」状態に。
ちょうど幸徳秋水らによるいわゆる「大逆事件」のあった時期で、当局も過敏に反応していましたし、「パンの会」自体、社会主義者の集まりで、「麺麭(パン)」を要求する団体かと警戒されていたそうです。
清水邦子が歌う 組曲『智惠子抄』
2023年3月21日 ムジカフエンテ定価2,000円+税
詩:高村光太郎
作曲/ピアノ:朝岡真木子
歌唱:清水邦子
収録曲
1 人に(6:02)
2 あどけない話(3:06)
3 千鳥と遊ぶ智惠子(3:59)
4 値(あ)ひがたき智惠子(2:59)
5 間奏曲 ~祈り~(4:19)
6 レモン哀歌(7:19)
作曲家・朝岡真木子氏が令和元年(2019)に作曲された組曲「智惠子抄」のみを収めたCDです。
昨年、メゾソプラノの清水邦子氏が旧東京音楽学校奏楽堂で開催された「清水邦子リサイタル 清水邦子が贈る朝岡真木子の世界」で全曲を歌われ、「ぜひCD化していただきたいものです」と申し上げたところ、とんとん拍子に実現してしまいました(笑)。その行動力、バイタリティーには脱帽です。と言っても、決してやっつけ仕事ではなく、清水氏の歌唱、朝岡氏のピアノ、ともに素晴らしい演奏ですし、ジャケット的なブックレットは全15ページ。こちらもハイクオリティです。
清水氏、どっぷりと「智恵子抄」の世界にはまられ、リサイタル後の11月には智恵子の故郷・福島二本松の智恵子生家/智恵子記念館などをご訪問、今回のブックレットにはその折の写真も多数掲載されています。
ちょうど生家二階の特別公開中でしたし、智恵子の「幻の花嫁衣装」の展示も為されている時でした。
その際に同行された、映画監督の水谷俊之氏が、今回のCDのライナーノートを書かれています。題して「三人の女が生み出した劇的なるもの」。「三人」とはもちろん、清水氏、朝岡氏、そして智恵子ですね。ちなみに水谷氏、一昨年にNHK BSプレミアムさんで放映された「プレミアムドラマ山女日記3 #3 あどけない空・安達太良山」の監督もなさっていて、「智恵子抄」とは浅からぬご縁をお持ちです。
ライナーノートと言えば、当方も書かせていただいております。CDの帯には当方執筆のライナーノートの抜粋も印刷して下さいました。恐縮至極です。
最上部にリンクを貼りましたが、オンライン販売が為されていますし、4月2日(日)に日比谷松本楼さんで開催予定の第67回連翹忌の集いにご参加下さる方は、会場内で販売しますので、そちらでお求め下さい。また、連翹忌の集いでは、清水氏、朝岡氏のお二人直々に、組曲から抜粋での演奏をお願いしてあります。ご参加下さる方、お楽しみに。
それに先だって、やはり抜粋での演奏が為される「朝岡真木子歌曲コンサート第6回」が、3月21日(火)、銀座の王子ホールさんで開催されます。その際にもCDの販売があるでしょう。
さらに、組曲「智惠子抄」全曲が収められた楽譜集『朝岡真木子歌曲集2』も刊行されています。併せてお買い求め下さい。
【折々のことば・光太郎】
祝入営 明治43年(1910)8月10日 長田秀雄宛書簡より 光太郎28歳
親友・水野葉舟との連名で送った葉書。絵は光太郎でしょう。
長田秀雄は詩人、劇作家、小説家。光太郎も中心メンバーだった芸術運動「パンの会」のやはり主要な一人でした。
「入営」は徴兵によるものです。この年11月、「パンの会」の大会が日本橋大伝馬町の三州屋で開かれ、その際、画像にあるような幟が掲げられ、さらに光太郎がその周りに黒い縁取りをしたところ、訃報の黒枠のように見えました。そこに居合わせた『萬朝報』の記者が「けしからん」と翌朝の記事にし、今で言う「炎上」状態に。
ちょうど幸徳秋水らによるいわゆる「大逆事件」のあった時期で、当局も過敏に反応していましたし、「パンの会」自体、社会主義者の集まりで、「麺麭(パン)」を要求する団体かと警戒されていたそうです。