昨日は茨城県県央部に行っておりました。
そもそもは、草花好きで御朱印マニアの妻が「水戸偕楽園の梅が見たい」「近くの常盤神社さんの御朱印が欲しい」と言い出したためでしたが、「そういえば笠間で波山展をまだやってたっけな」と思い、「じゃあ行くか」、でした。
「笠間」は茨城県陶芸美術館さん。「波山展」は、「生誕150年記念 板谷波山の陶芸」展。昨秋、六本木の泉屋博古館東京館さんでの巡回を拝見したのですが、光雲・光太郎の彫刻も出ていますし、もう一度見ておくか、と思った次第です。
道々、カーナビのテレビでNHK Eテレさんの「日曜美術館」を拝見。たまたまですが、昨日の放映は「完璧なやきものを求めて 板谷波山の挑戦」。妻に予習をさせました(笑)。ちらっと光雲にも触れて下さっていました。再放送が2月19日(日)、20時からです。ご覧下さい。
さて、まずは妻のリクエストに応え、水戸の偕楽園さんに。水戸藩ゆかりの庭園で、梅園が有名です。事前にネットで調べていったところ「三分咲き」ということでしたが、品種によっては満開に近いものも。
ただ、全体としては、まだ蕾を固く閉じているものが多く、これが全部満開になったらものすごいだろうな、という感じでした。そうなると人でも倍増でしょうし、その意味ではよかったかもしれません。
隣接する常盤神社さん、さらにそう遠くないところにある常陸国三の宮の吉田神社さんをまわって御朱印をゲットし、笠間市へ。
サブタイトルが「帝室のマエストロによる至高のわざ」。以前の巡回先でのそれと異なっていましたが、出品作はほぼ同一、光雲の「瓜生岩子像」、「三猿置物」、光太郎の「手」もちゃんと出ていました。また、それらが東京展の際より近い距離で見られ、ラッキーでした。
そして何より、波山作品の数々。以前にも書きましたが、焼き物そのものにはあまり興味はないものの、波山作品、特に波山独特の葆光(ほこう)彩磁は別物で、いつまでも見ていられます。
こちらの会期は2月26日(日)までで、これで昨年から続いていた巡回はすべて終了です。ぜひ足をお運び下さい。
【折々のことば・光太郎】
昨夜学校にゆきたる処、先週製作中の試験にて特待生となりたる事を知り候へば、一寸書き入れ候。此は「スカラアシツプ」と申すものにて、明年度の一年間は無月謝にて入校を許すもの、日本の特待生と畧同一に候。但し米国の此学校にては、此特待生、二等賞にて、一等賞は現金七十五弗を与へる規則に候。一等賞は小生の友達が取り、小生は二等賞にて特待生を取つた訳に候。 どうも、眼色毛色のちがつた外国人が突然入学して、一年間位にては、一等を取る事はむづかしき様に候。併し公平の不公平のといふ事は、馬鹿々々しき言ひ草なれば、何うでもよろしく候。但し七十五弗取れたら、早速船賃が出来たものをと思はれ候、特待生では、来年紐育に居らぬ身には、何にもならず。
「学校」は、「アート・ステューデント・リーグ」。一等賞が取れなかったことを、自分の技倆不足ではないと確信しているあたり、ものすごい自信ですね。
そもそもは、草花好きで御朱印マニアの妻が「水戸偕楽園の梅が見たい」「近くの常盤神社さんの御朱印が欲しい」と言い出したためでしたが、「そういえば笠間で波山展をまだやってたっけな」と思い、「じゃあ行くか」、でした。
「笠間」は茨城県陶芸美術館さん。「波山展」は、「生誕150年記念 板谷波山の陶芸」展。昨秋、六本木の泉屋博古館東京館さんでの巡回を拝見したのですが、光雲・光太郎の彫刻も出ていますし、もう一度見ておくか、と思った次第です。
道々、カーナビのテレビでNHK Eテレさんの「日曜美術館」を拝見。たまたまですが、昨日の放映は「完璧なやきものを求めて 板谷波山の挑戦」。妻に予習をさせました(笑)。ちらっと光雲にも触れて下さっていました。再放送が2月19日(日)、20時からです。ご覧下さい。
さて、まずは妻のリクエストに応え、水戸の偕楽園さんに。水戸藩ゆかりの庭園で、梅園が有名です。事前にネットで調べていったところ「三分咲き」ということでしたが、品種によっては満開に近いものも。
ただ、全体としては、まだ蕾を固く閉じているものが多く、これが全部満開になったらものすごいだろうな、という感じでした。そうなると人でも倍増でしょうし、その意味ではよかったかもしれません。
隣接する常盤神社さん、さらにそう遠くないところにある常陸国三の宮の吉田神社さんをまわって御朱印をゲットし、笠間市へ。
サブタイトルが「帝室のマエストロによる至高のわざ」。以前の巡回先でのそれと異なっていましたが、出品作はほぼ同一、光雲の「瓜生岩子像」、「三猿置物」、光太郎の「手」もちゃんと出ていました。また、それらが東京展の際より近い距離で見られ、ラッキーでした。
そして何より、波山作品の数々。以前にも書きましたが、焼き物そのものにはあまり興味はないものの、波山作品、特に波山独特の葆光(ほこう)彩磁は別物で、いつまでも見ていられます。
こちらの会期は2月26日(日)までで、これで昨年から続いていた巡回はすべて終了です。ぜひ足をお運び下さい。
【折々のことば・光太郎】
昨夜学校にゆきたる処、先週製作中の試験にて特待生となりたる事を知り候へば、一寸書き入れ候。此は「スカラアシツプ」と申すものにて、明年度の一年間は無月謝にて入校を許すもの、日本の特待生と畧同一に候。但し米国の此学校にては、此特待生、二等賞にて、一等賞は現金七十五弗を与へる規則に候。一等賞は小生の友達が取り、小生は二等賞にて特待生を取つた訳に候。 どうも、眼色毛色のちがつた外国人が突然入学して、一年間位にては、一等を取る事はむづかしき様に候。併し公平の不公平のといふ事は、馬鹿々々しき言ひ草なれば、何うでもよろしく候。但し七十五弗取れたら、早速船賃が出来たものをと思はれ候、特待生では、来年紐育に居らぬ身には、何にもならず。
明治40年(1907)4月(推定) 東京美術学校校友会宛書簡より
光太郎25歳
「学校」は、「アート・ステューデント・リーグ」。一等賞が取れなかったことを、自分の技倆不足ではないと確信しているあたり、ものすごい自信ですね。