新年早々残念な話題ですが……。
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千葉県銚子市犬吠埼の老舗旅館・ぎょうけい館さん。明治7年(1874)創業で、大正元年(1912)夏には、結婚前の光太郎が写生旅行のため滞在、それを追ってきた智恵子も宿泊し、愛を確かめ合った宿です。光太郎智恵子ゆかりの宿としてテレビ番組等で紹介されたこともたびたびでした。

光太郎が「智恵子抄」を執筆した宿、と紹介されることもありました。ただ、確かに犬吠から帰った直後に「智恵子抄」に収められた「或る宵」「梟の族」「郊外の人に」などの詩を発表していますが、これらをこの宿で書いたという事実は確認出来ていません。
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建物は建て替わり(明治期の生け簀の跡などは現存)、経営も代わって(現在の母体は日本ビューホテル株式会社さん)、宿の名も元々漢字だった「暁鶏館」から平仮名交じりの「ぎょうけい館」となりはしましたが、連綿と歴史を刻んで来られました。

当方、宿泊したことはありませんが、何度も訪れ、食事はさせていただいたりしました。

しかし、1月16日(月)のチェックアウトをもって、およそ150年の歴史に幕を閉じられるとのこと。残務整理等のため、1月31日(火)までは業務を続けるそうですが。
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既にレストランは営業を終了しています。

特に言及はされていないのですが、やはりコロナ禍によるところが大きいのではないのでしょうか。コロナのため全国的に大ホテルさんの営業停止が続いていますし。

どこか他の会社さんで営業を引き継いで「暁鶏館(ぎょうけい館)」の名を残していただければ、と思うのですが、難しいのでしょうね。

かえすがえす残念です。

続いて、まったくの別件ですが、テレビ放映情報です。

徹子の部屋 渡辺えり

004地上波テレビ朝日 2023年1月10日(火) 13:00~13:30

演劇の道一筋50年、渡辺えりさんがゲスト。高校卒業後は地元・山形に残ってほしかった父の反対を押し切り上京。当時、娘を心配した父からは毎日手紙が…。それほど娘を溺愛した父が昨年95歳で亡くなった。病室で最期に対面した後は葬儀までバタバタと進んだ。突然のことで気が動転する自分をなだめ、全てを取り仕切ってくれたのは弟だったという。実は父が他界する直前に足を剥離骨折した渡辺さん。自分のことまで気遣ってくれた親族のありがたさが身に沁みたと語る。

出演 黒柳徹子 渡辺えり

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ゲストの渡辺えりさん、昨年亡くなったお父さまについてのお話もなさるそうです。お父さまの渡辺正治氏、戦中、戦後と、光太郎と交流がおありでした。

ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

ひる頃奥平さんくる、岩国のハスをもらふ、 ヒゲソリ、洗髪、 藤島さんくる、詩朗読の話、
昭和30年(1955)12月31日の日記より 光太郎73歳

昭和30年(1955)も暮れて行きました。光太郎の生命の炎、あと3ヶ月と少しです。