今年一年を振り返る、7~9月編です。

7月1日(金)
土曜美術社出版さん発行の雑誌『詩と思想』7月号で光太郎と交流のあった詩人・高祖保の特集が組まれ、光太郎にも触れられました。
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7月4日(月)
岩手県花巻市の道の駅はなまき西南(愛称・賢治と光太郎の郷)さんへ、隣接するガソリンスタンド「リベルタはなまき西南SS」のオープンを記念し、運営会社の冨士見総業さんから光太郎・賢治関連等の新刊図書が大量に寄贈されました。

7月6日(水)
宝島社さんから硯昨真氏著のライトノベル『小説家・芥木優之介には恋と飯が足りていない』が刊行されました。「高村光太郎の牛鍋」の章で、詩「米久の晩餐」(大正10年=1921)がモチーフとして使われました。
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7月8日(金)・7月9日(土)
大阪府豊中市の大阪大学豊中キャンパス 学生会館で、「劇団星今宵 第一回公演 売り言葉」の公演がありました。登場人物が智恵子一人の演劇で、脚本は野田秀樹氏でした。

7月9日(土)
新宿区の矢来能楽堂さんで、和編鐘奏者・有機音(ゆきね)氏による「CD発売記念コンサート in矢来能楽堂 癒しの響き 鐘シンフォニーへの誘い」が開催されました。菜月ひとみ氏朗読による「智恵子抄より 愛はすべてをつつむ」がプログラムに入っていました。
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7月16日(土)~9月30日(金)
花巻高村光太郎記念館さんで、令和4年度高村光太郎記念館企画展「光太郎、海を航る」が開催され、光太郎から実弟道利に宛てた留学中のローマ絵葉書などが展示されました。

7月16日(土)~9月19日(月)
青森市の青森県近代文学館さんで、令和4年度特別展「教室で出会った文学」が開催され、光太郎に関わる展示も為されました。
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7月17日(日)
宮野真生子氏著、奥田太郎氏編『言葉に出会う現在』が、ナカニシヤ出版さんから刊行されました。「「一つになる」愛の果てに」の章が「⑴ 高村光太郎・智恵子夫妻の悲劇」「⑵ 二人が目指した理想の結婚」「⑶ 「一つになること」の真相」「⑷ 不可能な理想と化した「愛」」という構成になっていました。

同日、文芸評論家の近藤信行氏が亡くなりました。元山梨県立文学館館長であらせられ、在任中の平成19年(2007)には、同館で企画展「高村光太郎 いのちと愛の軌跡」を開催して下さいました。その際には、関連行事として、光太郎令甥で写真家であらせられた故・髙村規氏、世田谷美術館館長・酒井忠康氏との鼎談「高村光太郎の人生 パリ・東京・太田村」をなさったり、同展図録には館長としての巻頭挨拶文「開催にあたって」、論考「高村光太郎の“戦後”」をご執筆されたりしました。

7月31日(日)
岩手県花巻市で、小学生時代、生前の光太郎にかわいがられ、近年まで光太郎の語り部として活動されていた高橋征一氏が亡くなりました。
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7月(日付不明)
michino絵本 器と楽しむ光太郎ランチ』が刊行されました。企画デザイン/文/写真/発行 やつかの森LLCさん、色鉛筆画/MICHINO氏でした。刊行を記念し、花巻市の道の駅はなまき西南さんで「器と楽しむ光太郎ランチ」展が開催されました。

8月4日(木)
『財界ふくしま』2022年9月号が、㈱財界21さんから発行されました。「時代の最先端を走り抜いた福島県出身の偉大な女性たち、そして現在日本の看護を支える「令和の瓜生岩子」―新島八重、高村智恵子、田部井淳子、そして福井トシ子―」という記事が掲載されました。
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8月5日(金)
渡辺祐真/スケザネ氏著『物語のカギ 「読む」が10倍楽しくなる38のヒント』が、笠間書院さんから刊行されました。「第二章 虫の視線で読んでみる」中の「メタファーを使いこなせ!-『呪術廻戦』で呪術師たちは何を祓うのか?」で、詩「道程」(大正3年=1914)を引いて下さいました。

8月6日(土)
3D彫刻複製さんから 「西郷隆盛像」高村光雲【大】が発売されました。
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8月6日(土)~9月25日(日)
台東区の 東京藝術大学大学美術館さんで、特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」が開催され、光雲作の「矮鶏置物(ちゃぼおきもの)」(明治22年=1889)、「鹿置物」(大正9年=1920)が展示されました。

8月7日(日)
北海道北見市総合福祉会館さんで「北見市朗読赤十字奉仕団創立40周年記念朗読会」が開催され、岩井正氏(元NHKアナウンサー)による「高村光太郎「智恵子抄」から「智恵子の半生」」がプログラムに入りました。

8月9日(火)
第9回 松岡貴史&みち子作品展 小川明子、加耒徹が歌う 新作日本歌曲コンサート」が世田谷区のオーキッドミュージックサロンさんで開催され、松岡みち子氏作曲の新作(初演)「『智恵子抄』~女性から見た智恵子と光太郎の愛のかたち~」が演奏されました。徳島公演が8月30日(火)、徳島県板野郡北島町の北島町立図書館 創世ホールさんで行われました。
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8月10日(水)
杉並区の名曲喫茶ヴィオロンさんで、朗読公演「ノスタルジックな世界」が開催され、「智恵子抄」が取り上げられました。朗読はMIHOE氏、藤澤由二氏がピアノ演奏をなさいました。

8月18日(木)
競馬に関するエッセイ集『月をみるケンタウルス 紳士の心得帳』(法橋和彦氏著 未知谷さん発行)が刊行されました。「松若騎手を悼みおくる高村光太郎の「秋の祈」」、「魔の三年目の悪相(紳士の心得帳1)」という章で光太郎詩が引用されました。
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同日、盛岡市ご在住だった、光太郎の年齢の離れた従妹、加藤照さんが亡くなりました。105歳の大往生でした。

8月16日(火)
当会顧問であらせられた故・北川太一先生の奥様、節子氏が亡くなりました。御夫妻で最晩年の光太郎を訪問されたことがおありでした。

8月18日(木)
福島県二本松市で、智恵子顕彰団体「智恵子の里レモン会」会長を務められていた、渡辺秀雄氏が亡くなりました。

8月26日(金)
郁朋社さんから智本光隆氏著の小説『猫絵の姫君 戊辰太平記』が刊行されました。若き日の光雲が登場します。
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8月27日(土)
盛岡市の岩手県立美術館さんで、「館長講座2022 作り手の視点 第2回 岩手の美術教育」が行われ、光太郎に触れられました。講師は同館館長・藁谷収氏でした。

8月30日(火)
朝日新聞出版さんから高橋源一郎氏著『ぼくらの戦争なんだぜ』が刊行されました。光太郎が序文を書き、詩「軍人精神」を寄せたアンソロジー『詩集 大東亜』、光太郎が推薦文を書いた山本和夫編『野戦詩集』などを取り上げ、光太郎にも言及されました。
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9月3日(土)~10月10日(月・祝)
調布市武者小路実篤記念館さんで、秋季展「作家の筆跡(ひっせき)」所蔵原稿名品展が開催され、
光太郎が訳した『ロダンの言葉』の一節「鐘の鳴るのをきゝに ロオマに行きたい」を光太郎が揮毫した短冊、実篤の書いた光太郎追悼文(昭和31年=1956)の原稿などが展示されました。

9月10日(土)~10月8日(土)
港区のタカ・イシイギャラリーさんを会場に、現代アート作家・梅津庸一氏の個展「緑色の太陽とレンコン状の月」が開催されました。光太郎の評論「緑色の太陽」からのインスパイア作品が展示されました。

9月10日(土)
平櫛田中著、小平市平櫛田中彫刻美術館さん編『平櫛田中回顧談』が、中央公論新社さんから刊行されました。随所で光雲、光太郎に触れられています。
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9月11日(日)
岩手県一関市の一関文化センターさんで、「曽部遼平 増田達斗 リートデュオリサイタル」の公演があり、増田達斗氏作曲の「あどけない話」がテノール歌手・曽部遼平氏の歌唱で演奏されました。豊橋公演が9月23日(金・祝)に開催されました。

9月15日(木)
京都市の池坊学園こころホールさんで「モンデンモモありがとうコンサート はじまりは 花に溢れ」が行われ、シャンソン系歌手のモンデンモモ氏と、華道家のロザリア氏のコラボによる「智恵子抄」収録詩にモモ氏が曲を付けた作品の演奏、ライブパフォーマンスが行われました。
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9月17日(土)~9月19日(月・祝)
特別企画 秋川雅史 木彫展」が、中央区の靖山画廊さんで開催されました。昨年の二科展入選作「木彫楠公像」が展示されました。

9月17日(土)
兵庫県養父市のやぶ市民交流広場さんで、「豊岡演劇祭2022」の一環として、高橋源一郎氏原作、平田オリザ氏脚本の演劇で、光太郎も登場人物の一人である演劇「日本文学盛衰史」が上演されました。9月24日(土)、25日(日)には豊岡市民会館さんでの上演もありました。
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9月17日(土)~10月16日(日)
第46回千葉県移動美術館」が木更津市郷土博物館金のすずさんで開催され、光太郎ブロンズ「薄命児男児頭部」が展示されました。
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9月22日(木)
岩手県花巻市で、光太郎が山居7年を過ごした高村山荘などを巡る「新花巻発見探訪ツアー太田・湯口地区」が開催されました。花巻市コミュニティ会議の地域振興部会さんが主催でした。

9月24日(土)
NHK FMさんの「ビバ! 合唱」で「合唱で聴く詩人の世界(13)~高村光太郎の世界」のオンエアがあり、清水脩氏、鈴木輝昭氏、西村朗氏、三好真亜沙氏、新実徳英作曲の「智恵子抄」詩篇に作曲された合唱曲が一挙に放送されました。
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同日、台東区の旧東京音楽学校奏楽堂さんで「清水邦子リサイタル 清水邦子が贈る朝岡真木子の世界」が開催され、朝岡真木子氏作曲の独唱歌曲「組曲 智恵子抄」の演奏が行われました。歌唱は清水邦子氏、ピアノは朝岡氏でした。
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9月24日(土)・9月25日(日)
京都市の東山青少年活動センターさんで「演劇ビギナーズユニット2022(#28)修了公演XX文士(ハロゲンブンシ) 日本文学盛衰史」の公演がありました。高橋源一郎氏原作、平田オリザ氏脚本の演劇で、光太郎も登場人物の一人でした。

9月25日(日)
椿エンタープライズさん主催の演劇公演『
百花繚乱』が、福岡市のシアターカフェ愛と青春のふる~れさんで行われ、玄海椿氏のひとり芝居「智恵子抄」が上演されました。
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9月30日(金)
福島県二本松市で智恵子顕彰活動に当たっていた「智恵子の里レモン会」さんが、会長であらせられた渡辺秀雄氏の逝去に伴い、解散することを発表しました。

明日はこの項の最終回、10~12月をご紹介します。

【折々のことば・光太郎】013

藤島宇内氏くる、武智鉄二氏の話を伝言、面のスケッチを示すこと、京都の或職人がそれによつて面打をすること、「智恵子抄」能形式演能のこと、


昭和30年(1955)10月9日の日記より
 光太郎73歳

武智鉄二構成演出、観世寿夫作曲の新作能「智恵子抄」。光太郎も乗り気で、面のスケッチも残しましたが、結局、光太郎生前には実現せず、昭和32年(1932)になって上演されました。

以後、ダイジェスト版の舞囃子の形式などで演じられることが多くありました。来年2月にも公演があります。近くなりましたらご紹介します。