今年1年を回顧する第2回、4~6月分です。

4月1日(金)
齋正機氏著『福島鉄道物語』が福島民報社さんから刊行されました。「ほんとの空」という章で智恵子に触れられています。
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同日、青土社さんから発行されている月刊文芸誌『ユリイカ』、4月号の巻頭に文芸評論家・中村稔氏による、当会顧問であらせられた故・北川太一先生の回想文「故旧哀傷・北川太一 」が掲載されました。

4月2日(土)
第66回連翹忌でしたが、新型コロナウイルス感染症のオミクロン変異株による第6波で「まん延防止等重点措置」が発令され、集いは3年連続での中止となりました。

同日、高村光太郎研究会さんから『高村光太郎研究(43)』が発行されました。安藤仁隆氏による「光太郎・智恵子が暮らした旧居アトリエの建築について」、「智恵子抄ゆかりの「田村別荘」(その変遷と間取りについて)」、当方編集の「光太郎遺珠⑯」、「高村光太郎没後年譜 令和2年1月~令和3年12月」等が掲載されました。
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さらに同日、当会から『光太郎資料』第57集を発行いたしました。

4月2日(土)~5月8日(日)
台東区の東京藝術大学大学美術館さんで「藝大コレクション展 2022 春の名品探訪 天平の誘惑」展が開催され、光太郎の父・光雲を含む帝室技芸員とその候補者、東京美術学校教授らにより制作された木製のつづら折りになる小屏風「綵観」が出品されました。
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4月2日(土)~6月26日(日)
長野市の長野県立美術館さんで「善光寺御開帳記念 善光寺さんと高村光雲 未来へつなぐ東京藝術大学の調査研究から」展が開催され、光雲とその高弟・米原雲海による善光寺仁王像関連の展示が、AR技術を駆使して為されました。

4月9日(土)~6月5日(日)
神奈川県平塚市の平塚市美術館さんで「市制90周年記念 リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち 生きること、写すこと」が開催され、光雲木彫「魚籃観音」「寿老舞」が展示されました。その後、栃木県足利市立美術館さんに6月12日(日)~7月21日(木)、富山県高岡市美術館さんで7月29日(金)~8月31日(水)、広島県ふくやま美術館さんが9月23日(金・祝)~11月20日(日)、新潟市美術館さんへ11月29日(火)から2023年1月29日(日)、それぞれ巡回があり、さらに福岡県久留米市美術館さんには2023年2月11日(土・祝) 〜 2023年4月2日(日)で巡回予定です。
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4月15日(金)
全音楽譜出版社さんから『朝岡真木子歌曲集2』が刊行されました。独唱歌曲の組曲「智惠子抄」を含みます。

4月16日(土)~6月19日(日)
茨城県筑西市のしもだて美術館さん、廣澤美術館さん、板谷波山記念館さん3館合同の同時開催で「特別展 生誕150年記念 板谷波山の陶芸-近代陶芸の巨匠、その麗しき作品と生涯-」展が開催され、光太郎ブロンズ「手」、光雲木彫「三猿置物」「瓜生岩子像」が展示されました。その後、6月25日(土)~7月24日(日)に石川県立美術館さん、9月3日(土)~10月23日(日)で京都市の泉屋博古館さん、11月3日(木・祝)~12月18日(日)には港区の泉屋博古館東京館さんを巡回しました。来年1月2日(日)~2月26日(土)には茨城県近代美術館さんに巡回予定です。
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4月16日(土)~6月26日(日)
島根県益田市の益田市立雪舟の郷記念館さんで「雪舟等楊 終焉の物語 ~室町から令和へ~」展が開催され、光雲作の「雪舟禅師像」が出品されました。

4月19日(火)
朗読系公演「My Favorite Story ~美しき詩の世界~」が、荒川区の日暮里サニーホールさんで開催されました。「「智恵子抄」より抜粋 光太郎.智恵子へのオード」(宮尾壽里子氏の翻案構成・朗読、電子ピアノ・Yoshi氏)がプログラムに入りました。
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同日、渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホールさんで「第11回 21世紀合唱音楽祭」が開催され、安藤由布樹氏作曲「女声合唱組曲 青鞜の女たち(ショパンのエチュードに基づくパラフレーズ) 」の初演がありました。「樹下の二人(高村智恵子のつぶやき)」を含みます。

4月22日(金)
NHK青森さんで放映されているロカールワイド「あっぷるワイド」で「"わが詩をよみて人死に就けり" 高村光太郎 ~「乙女の像」に込めた願い~」の放映がありました。
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4月23日(土)~5月8日(日)
千葉県成田市の三里塚コミュニティセンターさんで「三里塚の春は大きいよ! 三里塚を全国区にした『幻の軽便鉄道』展」が開催され、光太郎に関わる展示も為されました。
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4月28日(木)~5月29日(日)
二本松市の智恵子生家/智恵子記念館さんで「高村智恵子生誕祭」が開催され、紙絵の実物展示、生家2階特別公開、上川崎和紙で作る「智恵子の紙絵」体験等の催しがありました。

4月29日(金)
BS松竹東急さんで、昭和42年(1967)公開の松竹映画「智恵子抄」(岩下志麻さん、丹波哲郎さん主演)が放映されました。再放送は5月1日(日)でした。
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4月29日(金)~5月5日(木)
鎌倉市の建長寺得月楼さんで「三門楼上五百羅漢特別展」が開催され、通常非公開の光雲の師・高村東雲による鋳銅五百羅漢像の一部が展示されました。
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4月30日(土)
河出書房新社さんから同社編集部編『吉本隆明 没後10年、激動の時代に思考し続けるために』が刊行されました。随所で光太郎に触れられています。

5月16日(月)
地上波NHK総合で「鶴瓶の家族に乾杯 市川猿之助が鎌倉でがんばる人を探す旅&坂道を走る人を叱る」の放映があり、光太郎実妹・しづ令孫の山端夫妻がご出演、光太郎やしづについて語られました。
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5月17日(火)
戦中、戦後に光太郎と交流のあった渡辺正治氏(渡辺えりさん御父君)が亡くなりました。
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5月18日(水)
CD「朗読喫茶 噺の籠~あらすじで聴く文学全集~あらくれ/詩集「永訣の朝」/金色夜叉」が、噺RECORDさんからリリースされました。光太郎詩「樹下の二人」、「あどけない話」、「風にのる智恵子」、「山麓の二人」、「レモン哀歌」、「亡き人に」を含みます。朗読なさっているのは、声優の森川智之氏でした。
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5月20日(金)
名古屋市の宗次ホールさんで「ランチタイム名曲コンサート vol.2313 音の情景 語りの調べ ~風を聴く~」が開催され、シューマン作曲「飛翔」に乗せて、光太郎詩「風にのる智恵子」朗読が為されました。ピアノは佐藤美和氏、朗読は野田育子氏でした。
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5月23日(月)~6月1日(水)
豊島区の映画館・新文芸坐で「丹波哲郎 生誕100年祭」が開催され、昭和42年(1967)公開の松竹映画「智恵子抄」も上映されました。

6月1日(水)
写真家の田沼武能氏が亡くなりました。生前の光太郎を撮影された他、光太郎令甥でやはり写真家だった髙村規氏とは、同じ木村伊兵衛門下ということで親しくなされ、平成26年(2014)の規氏のご葬儀では、弔辞を読まれました。

6月2日(木)
慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団さんの第146回定期演奏会DVDが発売されました。1月に公演があった演奏会のライブ録画で、新実徳英氏に委嘱作曲の「愛のうた ― 光太郎・智恵子 ―男声合唱とフルート、クラリネット、弦楽オーケストラのために」、初演が含まれています。
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6月10日(金)
文治堂書店さんからPR誌『とんぼ』第14号が発行されました。作曲家・仙道作三氏による当会顧問であらせられた北川太一先生の追悼文「人間の魂を愛し続けた人 北川太一」、平成29年(2017)に亡くなった、版元の文治堂書店さん創業者・渡辺文治氏の追悼文「渡辺文治さんのこと」(佐藤博久氏ご執筆)、当方の連載「連翹忌通信」が掲載されました。

6月13日(月)
BSJapanextさんで、二本松市を舞台とした「徳永ゆうきの一期一会はなうた旅 #12」の放映があり、智恵子に触れられました。再放送が6月20日(月)に為されました。
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6月17日(金)~7月23日(土)
京都市の京都精華大学ギャラリーTerra-Sさんで、「京都精華大学ギャラリーリニューアル記念展 越境ー収蔵作品とゲストアーティストがひらく視座」が開催され、 3月、東京上野の森美術館さんで開催された「VOCA展2022 現代美術の展望-新しい平面の作家たち-」に、智恵子紙絵、『青鞜』表紙絵オマージュの「はいけい ちえこ さま」を出品され、VOCA佳作賞を受賞された谷澤紗和子氏が、同作を出品なさいました。

6月27日(月)
石川善助詩集『亜寒帯』復刻版』が、モリナカヒデキ氏編で、あるきみ屋さんから刊行されました。昭和11年(1936)刊行の元版の光太郎による序文も収録されました。
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6月30日(木)
文藝春秋さんから夢枕獏氏著『仰天・俳句噺』が刊行されました。「第四回 「おおかみに螢が一つ――」考」という章で、光太郎について触れられています。

同日、河出書房新社さんから奥泉光氏/加藤陽子氏著『この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか』が刊行されました。「Ⅱ なぜ始めたのか、なぜ止められなかったのか」で光太郎に言及されています。
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明日は7~9月を。

【折々のことば・光太郎】

后、NHKより録音にくる、草野心平さんと「よもやま話」2回分、20分づつ2回、十月十八日、廿五日放送の由、


昭和30年(1955)9月25日の日記より 光太郎73歳

この際の対談テープがNHKさんに残っており、そこからCD化もされました。余命半年余りの光太郎でしたが、声にはまだ張りがあり、気のおけない心平との対談ということもあり、楽しそうに笑う場面も見受けられました。