新刊……といっても2ヶ月近く経ってしまっていますが……昨日、たまたま行った新刊書店で見つけました。
泥酔文学読本
2019年5月30日 七北数人著 春陽堂 定価2,400円+税酒と文学はよく似ているーー 陶酔を誘う文学と酒は、ともに摂取した者を別世界へ連れて行ってくれる。 酒も文学も、その世界の心地よさにハマってしまうと、抜け出せなくなる。 だから、読み続けるしかない、飲みつづけるしかない…… 古今東西の文学作品に描かれてきた、様々なる酒と多様なる酔い方を紹介。 すべての文学と酒愛好家に送る珠玉のエッセイ!!
【登場する作家たち】※五十音順
赤江瀑、赤塚不二夫、亜樹直、芥川龍之介、阿刀田高、アポリネール、アンダソン(シャーウッド)、アンデルセン、アンブローズ・ビアス、飯田蛇笏句、池澤夏樹、石川桂郎、石田波郷、色川武大、ヴァーリイ(ジョン)、ヴァレリー、宇能鴻一郎、大藪春彦、岡本かの子、小川未明、開高健、甲斐一敏、梶井基次郎、片岡義男、香山滋、北方謙三、北原白秋、グリーン(グレアム)、ゲーテ、源氏鶏太、古今亭志ん生、小酒井不木、コッパード、小松左京、コルタサル(フリオ)、坂口安吾、坂口綱男、佐藤垢石、沢木耕太郎、サン=テグジュペリ、司馬遼太郎、澁澤龍彥、杉浦日向子、スティーブンソン(R・L)、ダール(ロアルド) 、高村光太郎、太宰治、田中康夫、谷崎潤一郎、種田山頭火、チュツオーラ(エイモス)、筒井康隆、デフォー(ダニエル)、中井英夫、中里介山、中島らも、中原中也、中村彰彦、ニエミ(ミカエル)、萩原朔太郎、原田禹雄、火野葦平、フィニイ(ジャック)、藤枝静男、藤本義一、ブラウン(フレドリック)、ブラッドベリ(レイ)、プルースト、古谷三敏、ヘンリー(O)、星新一、牧野信一、三浦哲郎、水谷準、宮沢賢治、宮本百合子、村上春樹、莫言、森鴎外、山川健一、山川方夫、山本昌代、夢枕獏、吉田秋生 吉田健一、吉行淳之介、四方屋本太郎、ロート(ヨーゼフ)、若山牧水
赤江瀑、赤塚不二夫、亜樹直、芥川龍之介、阿刀田高、アポリネール、アンダソン(シャーウッド)、アンデルセン、アンブローズ・ビアス、飯田蛇笏句、池澤夏樹、石川桂郎、石田波郷、色川武大、ヴァーリイ(ジョン)、ヴァレリー、宇能鴻一郎、大藪春彦、岡本かの子、小川未明、開高健、甲斐一敏、梶井基次郎、片岡義男、香山滋、北方謙三、北原白秋、グリーン(グレアム)、ゲーテ、源氏鶏太、古今亭志ん生、小酒井不木、コッパード、小松左京、コルタサル(フリオ)、坂口安吾、坂口綱男、佐藤垢石、沢木耕太郎、サン=テグジュペリ、司馬遼太郎、澁澤龍彥、杉浦日向子、スティーブンソン(R・L)、ダール(ロアルド) 、高村光太郎、太宰治、田中康夫、谷崎潤一郎、種田山頭火、チュツオーラ(エイモス)、筒井康隆、デフォー(ダニエル)、中井英夫、中里介山、中島らも、中原中也、中村彰彦、ニエミ(ミカエル)、萩原朔太郎、原田禹雄、火野葦平、フィニイ(ジャック)、藤枝静男、藤本義一、ブラウン(フレドリック)、ブラッドベリ(レイ)、プルースト、古谷三敏、ヘンリー(O)、星新一、牧野信一、三浦哲郎、水谷準、宮沢賢治、宮本百合子、村上春樹、莫言、森鴎外、山川健一、山川方夫、山本昌代、夢枕獏、吉田秋生 吉田健一、吉行淳之介、四方屋本太郎、ロート(ヨーゼフ)、若山牧水
目次
はじめに 陶酔の月ジュース
I 泥酔する作家たち
坂口安吾の酒 べらんめえ文学論 青春のように悲しいビール 電気ブラン今昔
酒中花と水中花 ダダイスト辻潤の放蕩 スペインの酒袋 宿酔日和 酒の音色
末期の水 風狂の吹き溜まり 生きいそぎの記 妄想の酒場 バーボンにはピスタチオを
坂口安吾の酒 べらんめえ文学論 青春のように悲しいビール 電気ブラン今昔
酒中花と水中花 ダダイスト辻潤の放蕩 スペインの酒袋 宿酔日和 酒の音色
末期の水 風狂の吹き溜まり 生きいそぎの記 妄想の酒場 バーボンにはピスタチオを
II 物語のなかのアルコール
村上春樹の酒 サバイバルはラム酒で ヤシ酒が飲みたい! 夕焼け色のワイン
シャンパン・バブル オハイオ州ワイン町 マッコリこわい 不老不死の酒
シャンパンと三鞭酒 雪見酒 鶴血酒 珠玉探求 ウイスキーボンボン XYZは最期の酒
村上春樹の酒 サバイバルはラム酒で ヤシ酒が飲みたい! 夕焼け色のワイン
シャンパン・バブル オハイオ州ワイン町 マッコリこわい 不老不死の酒
シャンパンと三鞭酒 雪見酒 鶴血酒 珠玉探求 ウイスキーボンボン XYZは最期の酒
III 泥酔の文学誌
聖なる酔っぱらいの伝説 楽園へのいざない バーは異界への入口 魔人のいる店
カフェ・カクテール 悪魔の酒 少年と酒とロック おそるべき中国文学
壺の中のユートピア 猩々ども! 酔わせて倒せ! 酔って候 骨酒ヒレ酒スルメ酒
シネフィルの呪文 別れに乾杯! テイスティングは超能力か 白酒と青酎
ウイスキー坊主 硬派なナンパ本
聖なる酔っぱらいの伝説 楽園へのいざない バーは異界への入口 魔人のいる店
カフェ・カクテール 悪魔の酒 少年と酒とロック おそるべき中国文学
壺の中のユートピア 猩々ども! 酔わせて倒せ! 酔って候 骨酒ヒレ酒スルメ酒
シネフィルの呪文 別れに乾杯! テイスティングは超能力か 白酒と青酎
ウイスキー坊主 硬派なナンパ本
IV 酩酊のその先へ……
付喪神の戯れ 酒器愛玩 酒虫の秘技 菊の精の契り 鏡のある酒場 人魚は酒が好き
髑髏盃 海も川も酔っぱらう 人を呑んだ話 恐怖の宴会芸 河童の酒宴 赤い酒の霊力
終わりの日々を…… α次元にいる智恵子
付喪神の戯れ 酒器愛玩 酒虫の秘技 菊の精の契り 鏡のある酒場 人魚は酒が好き
髑髏盃 海も川も酔っぱらう 人を呑んだ話 恐怖の宴会芸 河童の酒宴 赤い酒の霊力
終わりの日々を…… α次元にいる智恵子
あとがき
作家・作品名一覧
作家・作品名一覧
酒文化研究所さんという団体が発行の『月刊酒文化』という会員誌に連載中のものの既発表分だそうです。古今東西の文学作品等から、「酒」にまつわる一節を書き出し、そこから広がる酒談義・作家論・人生論といった趣です。
光太郎が名誉ある大トリです(笑)。「α次元にいる智恵子」という項で、メインは詩「梅酒」(昭和15年=1940)の一節。それプラス『智恵子抄』や『智恵子抄その後』から、「亡き人に」(昭和14年=1939)、「元素智恵子」(昭和25年=1950)、「案内」(同)、「智恵子と遊ぶ」(昭和27年=1952)から詩句が引用され、戦後の花巻郊外旧太田村での山小屋生活、それを切り上げて取り組んだ生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作などに触れられています。
また、この項以外でも「サバイバルはラム酒で」という項で、やはり旧太田村での蟄居生活に筆が及んでいます。この項、メインはR・L・スティーブンソンの『宝島』なのですが。
その他、光太郎智恵子と交流のあった面々――岡本かの子、北原白秋、中原中也、萩原朔太郎、宮沢賢治、森鷗外など――も登場します。
「パンの会」の盟友だった白秋はともかく、ストイシズムのかたまりのような(笑)賢治は、酒と関係ないのでは……と思ったら、童話「やまなし」の最後で、川に落ちた梨が発酵して酒が出来るという話(「海も川も酔っぱらう」)や、同じく童話「雪渡り」の、狐の幻灯会で「お酒をのむべからず」という話が出て来た件(「雪見酒」)でした。
ぜひお買い求めください。
【折々のことば・光太郎】
明治十六年三月生 東京美術学校出身 彫刻自営
雑纂「略歴」全文 昭和16年(1941) 光太郎60歳
詩集『智恵子抄』に載せた略歴です。
昨日ご紹介した「高村光太郎自伝」も短いものでしたが、こちらはさらに上を行く短さ(笑)。いったいに光太郎、ある時期まで自らの来し方には興味があまりない、というスタンスだったように思われます。