都内から演奏会情報です。
時 間 : 開演15:00 開場14:30
会 場 : 台東区立旧東京音楽学校奏楽堂 台東区上野公園8番43号
料 金 : 全席自由 ¥3,000

プログラム : 
 作曲部門 (演奏順)
  第二位 畑中良輔賞 麻生海督
   ごびらっふの独白(詩・草野心平) テノール 金沢青児 バリトンサックス 楠瀬亮
  第二位 中田喜直賞 箭内明日香
   ましろの月(詩・ヴェルレーヌ・永井荷風訳) ソプラノ 谷原めぐみ ピアノ 髙木由雅
  第一位 山中惇史
   風三章 (詩・茨木のり子) メゾソプラノ 山下裕賀 ピアノ 高橋優介
 歌唱部門 (演奏順)
  審査員特別賞 藤本保江(ソプラノ)
   山田耕筰 みぞれに寄する愛の歌(詩・大木惇夫) ピアノ 奥田和
  第三位 西村知花子(ソプラノ)
   小林秀雄 つるぎの歌(詩・鶴岡千代子)/中田喜直 
   ”マチネ・ポエティク”による四つの歌曲
   ピアノ 山崎未貴
  第二位 紀野洋孝(テノール)
   別宮貞雄 歌曲集『智恵子抄』(詩・高村光太郎)より  ピアノ 森裕子
   人に/あどけない話/人生遠視/千鳥と遊ぶ智恵子/山麓の二人/レモン哀歌
  第一位 田坂蘭子(ソプラノ) 
   木下牧子 おんがく(詩・まど・みちお)/C.ロセッティの4つの歌/
   涅槃(詩・萩原朔太郎)
  ピアノ 宮脇貴司

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奏楽堂日本歌曲コンクール」は、「日本歌曲の普及と創造的発展を目指し、歌唱部門と作曲部門のコンクール」だそうで、主催は公益財団法人台東区芸術文化財団さんとのこと。

歌唱部門第二位の紀野洋孝氏が、故・別宮貞雄氏作曲の「歌曲集 智恵子抄」から抜粋で演奏なさいます。

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013別宮氏の「歌曲集 智恵子抄」は、昭和57年(1982)の作品で、翌年に初演、昭和61年(1986)には音楽之友社さんから楽譜が刊行されています。

全9曲、今回のプログラムに入っている6曲以外に「深夜の雪」、「僕等」、「晩餐」があります。

全9曲収録のCDは、永田峰雄氏(テノール)歌唱、アントニー・シピリ氏のピアノ伴奏で、カメラータ・トウキョウさんからリリースされています。

抜粋で収録されているCDも、当方、2枚持っております。

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左はビクターさんから出た「わたしたちのにっぽんの歌 第2集 早春賦 城ヶ島の雨 斑猫」。故・四家文子さん他の演奏によるオムニバスで、北村敦子さんという方が、「あどけない話」と「千鳥と遊ぶ智恵子」を歌われています。右は自主制作版とおぼしきCDで、野崎幹子さんという方のライヴ録音。「人に」、「あどけない話」、「」千鳥と遊ぶ智恵子」、「レモン哀歌」が収録されています。

今回もそうですが、各種演奏会等でぽつりぽつりと取り上げられています。


ぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】010

私の性来が持つ詩的衝動は死に至るまで私を駆つて詩を書かせるであらう。そして最後の審判は仮借なき歳月の明識によつて私の頭上に永遠に下されるであらう。私はただ心を幼くしてその最後の巨大な審判の手に順ふほかない。

雑纂「詩集「典型」序」より
 
昭和25年(1950) 光太郎68歳

自らの生涯を振り返る連作詩「暗愚小伝」20篇を含む、生前最後となった詩集『典型』の序文から。

刊行日は昭和25年10月25日。第一詩集『道程』は、大正3年10月25日。偶然かもしれませんし、光太郎が意図してその日を指定したのかも知れませんが、同じ10月25日です。