まず明らかに「智恵子抄」に触れられるもの。

やすらぎの刻~道 #48 テレビ朝日開局60周年

地上テレビ朝日 2019年6月12日(水)  12時30分~12時50分
BS朝日      2019年6月13日(木)  7時40分~8時00分

巨匠・倉本聰氏が1年間をかけて描くのは、山梨を舞台に昭和~平成を生き抜いた無名の夫婦の生涯。そして『やすらぎの郷』のその後。2つの世界が織り成す壮大な物語!

出演
 清野菜名 風間俊介 宮田俊哉(Kis-My-Ft2) 佐藤祐基 風間晋之介 井上希美
 木下愛華 (他)
作  倉本聰
主題歌 中島みゆき『慕情』『進化樹』『離郷の歌』
(株式会社ヤマハミュージックコミュニケーションズ)

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放映開始前の4月、このブログでご紹介しましたが、いよいよ劇中で「智恵子抄」が取り上げられる回の放映があります。舞台は太平洋戦争開戦前夜、山梨県の山間部・「小野ヶ沢」という架空の集落です。元養蚕農家だった根来家、語り手の四男・公平(風間俊介さん)は、半年ほど前の父(佐戸井けん太さん)に続いて母(岸本加世子さん)を亡くします。公平の親友たちの家を含む集落のかなりの世帯が開拓団として満州に渡る直前、という設定です。霞ヶ浦の海軍航空隊に入営していた次男の公次(Kis-My-Ft2の宮田俊哉さん)が、母の死の知らせを受けて帰郷、公平に『智恵子抄』を渡すそうで。昭和16年(1941)という設定ですから、龍星閣版『智恵子抄』はこの年8月に刊行されているので、矛盾はありません。

書き込みのしてあるページがあることに気づく公平。それは「あどけない話」(昭和3年=1928)のページで、「阿多多羅山の山の上に/毎日出てゐる青い空が/智恵子のほんとの空だといふ。」の箇所、「阿多多羅山」が消されて「小野ヶ沢」となっているそうです。

このドラマ、人にとっての「故郷」「原風景」とは何か、的な問いかけが全体を貫くメインテーマとなっており、そうした中でこのような展開となるのでしょう。

ネット上では無料配信も為されています。


続いて再放送ですが……。

昼の特選ドラマ劇場 おかしな刑事~居眠り刑事とエリート警視の父娘捜査 東京タワーは見ていた!消えた少女の秘密・血痕が描く謎のルート!

BS朝日 2019年6月13日(木)  12時00分~13時55分

伊東四朗が叩き上げの刑事、羽田美智子がエリート警視という凸凹父娘コンビを演じる大人気シリーズの第8弾 ‼ 篤志家の社長が刺された! その背後には、30年前、東京タワーの下で起きた誘拐事件の影が…!?

出演 伊東四朗 羽田美智子 石井正則 小倉久寛 辺見えみり 山口美也子 木場勝己 小澤象
   丸山厚人
 菅原大吉 (他)

初回放映は平成23年(2011)。その後、年に数回、地上波テレ朝さんや系列のBS朝日さんでくり返し放映されています。当方、しばらくその存在に気づきませんで、今年の4月、やはりBS朝日さんでの再放送を初めて観ました。

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事件の鍵を握る母子が、智恵子の故郷・福島二本松出身という設定(実際には違うのですが……)。

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そこで、伊東四朗さん扮する鴨志田刑事、娘の(実は秘密)岡崎警視(羽田美智子さん)と共に、二本松へ。岳温泉、安達太良山、智恵子生家、その裏手の鞍石山などでロケが行われました。

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ところで下の画像の石碑、安達太良山にあるようなのですが、当方、場所が分かりません。先月、安達太良山の山開きに参上した際に探したものの、見つけられませんでした。情報をお持ちの方はご教示いただけると幸いです。

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さらに、光太郎の父・光雲が手がけた仁王像が納められた信州善光寺、そして光太郎智恵子が結婚の約束を結んだ上高地をめぐる旅番組。

美しい日本に出会う旅▼初夏、新緑の上高地へ 北アルプスの絶景秘湯と天空の花園

BS-TBS  2019年6月12日(水) 21時00分~21時54分

いま一番美しい季節を迎えた信州へ!善光寺参りをスタートに、安曇野・上高地へと絶景をめぐる初夏の旅です。七味唐辛子に並ぶ大人気名物が、「鯉焼」。そのこだわりの秘密とは?北アルプスの絶景が映る田んぼの絶景、安曇野。ここだけの不思議な蚕は、若草色でした!上高地への入り口に、絶景露天風呂の湯宿がありました。でも離れの湯は、なんと車で20分の秘湯?そして今だけの幻の花・ニリンソウの絶景を求めて、上高地ハイキングへ。そこで出会ったのは伝説の画伯でした。瀬戸康史さんがご案内します。

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安曇野も入っていますので、碌山美術館さんも取り上げていただきたいところですが……。


それから、光太郎第二の故郷ともいうべき岩手・花巻。光太郎を敬愛し、光太郎もその才を高く評価していた宮沢賢治がらみです。

心に刻む風景 宮沢賢治(3) 岩手県花巻市…教師として訪れた地

地上波日本テレビ 2019年6月12日(水)  21時54分~22時00分

歴史に名を残す人物の誕生の地や活躍の舞台、終の棲家などを訪ねます。今も残る建物や風景から彼らの人生が浮かび上がってきます。

語り 中村吉右衛門

5分間番組です。(3)ということで、先々週は盛岡、先週は小岩井農場でした。で、明日が花巻。賢治は花巻出身なので「訪れた」というのはおかしいような気もしますが……。光太郎がその碑文を揮毫した「雨ニモマケズ」碑あたりを紹介してほしいものです。


それぞれ、ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

ひどい時には右手は使へず、左手でハガキなどを書く時もある。卓に向つて字を書くといふ姿勢そのものにすでに病因の一つがあるかと思ふこともある。しかし今年あたりはどうしてもこの病気を退治して、もう一度彫刻の仕事にとりかかりたいと思ふので、自分の健康について、今いろいろ検討を加へてゐる。

散文断片「健康について」より 昭和31年(1956) 光太郎74歳

亡くなったその年の、おそらく正月に書かれたと思われるボツにした原稿の断片から。光太郎、最期まで自身が結核であることを認めたがらず、恢復に一縷の望みを寄せていました。単に生きながらえたいというより、やはり彫刻がやりたかったのですね。