光太郎の親友で、早世した碌山荻原守衛を顕彰する信州安曇野市の碌山美術館さん関連です。
まずはイベント情報。
第109回碌山忌
期 日 : 2019年4月22日(月)会 場 : 碌山美術館 長野県安曇野市穂高5095−1
時 間 : 10:30~
料 金 : 無料
プログラム
10時半~ ミュージアムトーク(碌山館)
1時~ ミュージアムトーク(第二展示棟)
1時半~3時 碌山忌コンサート
4時~ 墓参
5時20分~50分 碌山研究発表「『荻原守衛日記・論説集』の発刊と新発見」
講師 武井敏学芸員
講師 武井敏学芸員
6時~7時45分 碌山を偲ぶ会 会場 グズベリーハウス(会費1,000円)
毎年、研究発表が行われており、今年は同館学芸員の武井敏氏による「『荻原守衛日記・論説集』の発刊と新発見」。『荻原守衛日記・論説集』は、昨秋、同館から刊行されたA4版ハードカバー、571頁という厚冊で、ほぼオールカラー。日記の部分は、日記そのものの画像が全頁掲載され、もちろん活字にもなっており、さらに詳細な注釈も。舌を巻くようなものすごい資料です。
同館では平成21年(2009)にカタログレゾンネ的な『荻原守衛作品集』、同27年には『荻原守衛書簡集』を刊行し、この『荻原守衛日記・論説集』をもって、守衛の作品、資料を網羅する三部作の完結と位置づけているとのこと。
ある意味、同書のプロモーション的な発表になるのでは、と思われます。
当方、昨年は雑用に紛れ、行けませんでしたが、今年は参上つかまつります。
もう1点、明日から開催の企画展。
荻原守衛生誕140周年記念特別企画展 傑作《女》を見る
期 日 : 2019年4月20日(土)~9月29日(日) 会期中無休会 場 : 碌山美術館第二展示棟 長野県安曇野市穂高5095−1
時 間 : 9:00~17:00
料 金 : 一般700円 高校生300円 小中生150円
障がい者手帳をお持ちの方は半額
障がい者手帳をお持ちの方は半額
20名様以上団体料金 大人600円/高校生250円/小中生100円
1910年(明治43)年、荻原守衛(碌山)が亡くなる直前に完成させた《女》は、明治以降の彫刻では第1号となる重要文化財指定を受け、今日においても日本近代彫刻の傑作として評価されています。
腕を後ろ手に組みながら上体は天空に向うポーズの表現は、相克を象徴するかのように浪漫性に溢れ、膝から頭頂部へ繋がる螺旋状の上昇感は、荻原が求めていた彫刻の生命を余すことなく伝えています。
《女》には、荻原が思いを寄せた女性、新宿中村屋の女主人、相馬黒光(本名:良)の面影が心象のモデルとなって表れています。苦難の姿とその先にある穏やかな表情は、悲恋の絶望と苦しみを克服し、美の境地へと昇華した荻原自身の心の姿でもあります。
本展では、黒光への想いが制作背景にある《文覚》、《デスペア》の二作品にも触れ、傑作《女》に見る荻原の精神的な深さと芸術の高さ、またそれらの時代における新しさについて迫ります。
腕を後ろ手に組みながら上体は天空に向うポーズの表現は、相克を象徴するかのように浪漫性に溢れ、膝から頭頂部へ繋がる螺旋状の上昇感は、荻原が求めていた彫刻の生命を余すことなく伝えています。
《女》には、荻原が思いを寄せた女性、新宿中村屋の女主人、相馬黒光(本名:良)の面影が心象のモデルとなって表れています。苦難の姿とその先にある穏やかな表情は、悲恋の絶望と苦しみを克服し、美の境地へと昇華した荻原自身の心の姿でもあります。
本展では、黒光への想いが制作背景にある《文覚》、《デスペア》の二作品にも触れ、傑作《女》に見る荻原の精神的な深さと芸術の高さ、またそれらの時代における新しさについて迫ります。
ぜひ足をお運び下さい。
【折々のことば・光太郎】
しかし私は今、希望に満ちてゐます。山に来てから健康は倍加するし、未来の仕事は大きいし、独居自炊孤座黙念、胸のふくらむ思です。
散文「消息 二」より 昭和21年(1946) 光太郎65歳
空襲による二度の罹災で、数多くのものを失った光太郎。しかしかえってさばさばした思いでした。裸一貫やり直そう、みたいな。