明日から始まるテレビドラマです。
やすらぎの刻~道 テレビ朝日開局60周年記念
テレビ朝日 2019年4月8日(月)~ 毎週月~金 12時30分~12時50分BS朝日 4月9日(火)~ 毎週月~金 7時40分~8時00分 地上波の一日遅れ再放送
巨匠・倉本聰氏が1年間をかけて描くのは、山梨を舞台に昭和~平成を生き抜いた無名の夫婦の生涯。そして『やすらぎの郷』のその後。2つの世界が織り成す壮大な物語!
“姫"こと九条摂子(八千草薫)が世を去ってから、2年余り。相変わらず『やすらぎの郷 La Strada』に暮らす脚本家・菊村栄(石坂浩二)は、古い資料の中に1冊のシナリオを発見する。その脚本は10年ほど前、大型ドラマスペシャルとして撮影寸前まで進みながら制作中止になったもので、白川冴子(浅丘ルリ子)と水谷マヤ(加賀まりこ)も出演予定だった。しかし、突然プロデューサーの財前(柳葉敏郎)と連絡がつかなくなり…!?
出演者 石坂浩二 ミッキー・カーチス 加賀まりこ 橋爪功 山本圭 浅丘ルリ子 柳葉敏郎 他
作 倉本聰
音楽 島健
主題歌 中島みゆき『慕情』『進化樹』『離郷の歌』
(株式会社ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
作 倉本聰
音楽 島健
主題歌 中島みゆき『慕情』『進化樹』『離郷の歌』
(株式会社ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
一昨年、同局で放映され、大きな話題を呼んだ「やすらぎの郷」の続編です。
単なる続編ではなく、石坂浩二さん演じる主人公・シナリオライターの「菊村栄」による、戦前戦中のを山梨を舞台にしたスペシャルドラマ「道」が、劇中劇ならぬ菊村の「脳内劇」として、展開します。
昨年、製作会社の角川大映スタジオさんからメールをいただきました。何でこちらに連絡が? というと、ドラマの中で光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)を使う、というのです。
該当箇所の台本もPDFで添付して下さいました。
「しの」というのが、「道」の主人公、浅井(根来)しの。思春期、青年期(昭和編)を清野菜名さんが、晩年(平成編)では風吹ジュンさんが演じられます。山梨県の山間の集落に生きる少女で、14歳の時、わけあって根来家に引き取られてきた、明るくお転婆な性格。特技は薙刀だということです。
「公平」は、同じく風間俊介さん→橋爪功さん。しのが引き取られた養蚕農家・根来家の四男で、しのに恋心を抱くという設定。
さらに公平の兄、「公次」。Kis-My-Ft2の宮田俊哉さんが扮します。口下手だが、働き者で家族思い。後に海軍に志願するそうです。
「三平」は、根来家三男(風間晋之介さん)、「ニキビ」は公平の親友(関口アナンさん)です。
「小野ヶ沢」は、物語の舞台となる山梨県の架空の地名と思われます。
「あどけない話」が使われるのが、いつごろの放映回なのかまではご教示いただけませんでしたが、台本のページ数が「48-○○」となっていますので、第48回あたりなのかな、と思っています。情報が入りましたらまたご紹介します。
ぜひご覧下さい。
【折々のことば・光太郎】
ちやうど明治さかんな頃のこととて世の中はどんどん進んでくる。僕たち青年の眼には庭の色までもまるで毎日変化し、生き生きとして見えるやうであつた。さういふ時代には何でも実に面白かつたし、僅かな間ではあるが朝から晩まで実際大へんな勉強をしたものだつた。
談話筆記「美術学校時代」より 昭和17年(1942) 光太郎60歳
光太郎が東京美術学校に在籍していたのは、数え15歳の明治30年(1897)から同じく24歳の同39年(1906)まで。彫刻科の予科から本科を卒業した後も、徴兵猶予の意図もあって研究科に残り、さらに同38年(1905)には西洋美術を学び直したいと、黒田清輝らが教鞭を執っていた西洋画科に再入学しました。この時の同級生に藤田嗣治や岡本一平(太郎の父)らがいました。ただ、同科は中退の扱いで、欧米留学に出ています。
明日の月曜あたり、さまざまな学校さんで入学式・始業式が多く行われるのではないでしょうか。青年諸君、しっかり「勉強」してください。ただし、「勉強」といっても、教科書を使っての座学だけではありません。
ちなみにこの談話筆記、ながらく初出掲載誌不明で、筑摩書房さんの『高村光太郎全集』でもそうなっていますが、昭和17年(1942)の雑誌『知性』第5巻第9号に掲載を確認しました。同号、増刊号の扱いなので、検索の網から漏れていたようです。