毎年、春と秋にご紹介しています京都知恩院さんのライトアップ。今年の春は、昨年までより遅い時期の開催となりました。
知恩院 春のライトアップ2019
期 間 : 2019年3月29日(金)~4月7日(日)時 間 : 17時45分~21時30分(21時受付終了)
場 所 : 浄土宗 総本山知恩院(京都市東山区林下町400 )
友禅苑、三門下周辺、女坂、阿弥陀堂
友禅苑、三門下周辺、女坂、阿弥陀堂
料 金 : 大人 500円 小中学生 300円
京友禅の祖・宮崎友禅翁ゆかりの庭園「友禅苑」や、日本最大級の木造二重門である「三門」、御身丈2.7mの阿弥陀如来坐像をお祀りする「阿弥陀堂」をライトアップします。
例年、3月初旬~中旬にかけて行われる東山花灯路に合わせて開催しておりましたが、今年は知恩院の桜の見頃の時期に合わせて3月末~4月初旬の開催となりました。ぜひこの機会に、知恩院へお参りください。
【主な見どころ】
友禅苑
友禅染の祖、宮崎友禅斎の生誕300年を記念して造園された、華やかな昭和の名庭です。池泉式庭園と枯山水で構成され、補陀落池に立つ高村光雲作の聖観音菩薩立像が有名です。
阿弥陀堂
明治43(1910)年に再建。本尊は御身丈2.7mの阿弥陀如来坐像。様々な法要儀式を執り行う堂宇です。堂内に並べられている木魚は自由に叩いて頂けます。法然上人のみ教え「お念佛」に触れて下さい。
関連イベント
「聞いてみよう!お坊さんのはなし」
ライトアップ期間中には、阿弥陀堂にて「聞いてみよう!お坊さんのはなし」を毎日開催します。お坊さんの話を聞いたことがないという方や、仏教のことをよく知らないという方も大歓迎です。どなたでもお気軽にお越しください。
【テーマ】
・3月29日(金)~3月31日(日) 『あの世のおはなし』
・4月 1日(月)~4月 4日(木) 『阿弥陀様ってどんなお方?』
・4月 5日(金)~4月 7日(日) 『「南無」の心』
・3月29日(金)~3月31日(日) 『あの世のおはなし』
・4月 1日(月)~4月 4日(木) 『阿弥陀様ってどんなお方?』
・4月 5日(金)~4月 7日(日) 『「南無」の心』
【開始時間】
18時~/18時40分~/19時20分~/20時~(各回お話15分~20分 木魚念仏体験10分程度)
※状況により時間が変更になる場合がございます。
18時~/18時40分~/19時20分~/20時~(各回お話15分~20分 木魚念仏体験10分程度)
※状況により時間が変更になる場合がございます。
切り絵作家望月めぐみ作品展示
ライトアップの期間中、友禅苑の白寿庵にて切り絵作家 望月めぐみさんの作品展示が行われます。約50メートルの機械漉き美濃和紙に施された切り絵作品を、ライトアップされた白寿庵の広間でお楽しみください。
3月29日(金)、4月6日(土)には望月めぐみさんのトークショーも開催されます。この機会に是非お越しください。
19時〜(全2回) 友禅苑内の白寿庵にて 見学無料(拝観料500円別途必要)
ライトアップの期間中、友禅苑の白寿庵にて切り絵作家 望月めぐみさんの作品展示が行われます。約50メートルの機械漉き美濃和紙に施された切り絵作品を、ライトアップされた白寿庵の広間でお楽しみください。
3月29日(金)、4月6日(土)には望月めぐみさんのトークショーも開催されます。この機会に是非お越しください。
19時〜(全2回) 友禅苑内の白寿庵にて 見学無料(拝観料500円別途必要)
光雲作という聖観音菩薩立像。過日、15年ほど前に購入した『東京芸術大学百年史 京美術学校篇 一巻』という書籍を久しぶりに見ておりましたところ、写真が載っていました。この写真の存在、すっかり忘れていました。
キャプションによれば、明治25年(1892)の作で、後のページの記録等を見ると、上野公園の西郷隆盛像や皇居前広場の楠木正成像などと同様、美術学校として注文を受けたもののようです。「委嘱品竣功ノ分」というリストに、「観音銅像 壹体」「注文者 東京 福田循誘」とあり、おそらくこれがそうでしょう。福田は東京深川本誓寺の住職でしたが、歿後は知恩院さんに墓が建てられています。
やはり西郷像などと同様に、光雲が主任だったということで、光雲作となっているのだと思われます。ちなみに同じリストには西郷隆盛像も載っています。集合写真に写っている岡崎雪声は、西郷像や楠木正成像の鋳造を手がけており、この観音像もそうなのでしょう。明治25年(1892)というと、光太郎はまだ下谷高等小学校に在学中でした。
何はともあれ、ぜひ足をお運びください。
【折々のことば・光太郎】
家は古風な作りで、表に狐格子の出窓などがあつた。裏は南に面して広い庭があり、すぐ石屋の石置場につづき、その前には総持院といふ小さな不動様のお寺があり、年寄の法印さまが一人で本尊を守つてゐた。父の家の門柱には隷書で「神仏人像彫刻師一東齋光雲」と書いた木札が物寂びて懸けられてゐたが、此は朝かけて夕方とり外すのが例であつた。
散文「谷中の家」より 昭和14年(1939) 光太郎57歳
この文章の書き出しは「明治二十四五年頃の話である。」。まさしく知恩院さんの観音像が作られた頃の回想です。後の本郷区駒込林町(現・文京区千駄木)に転居する前の、谷中に住んでいた時期です。