先だってもご紹介しましたが、かつて女川町に建っていた、昭和6年(1931)の光太郎の女川来訪を記念する「高村光太郎文学碑」――東日本大震災の津波に呑まれて亡くなった故・貝(佐々木)廣氏が中心となって、昭和6年(1931)に光太郎が訪れたことを記念して建てられたもの――の精神を受け継ぎ、費用全額を寄付で集めた「いのちの石碑」をめぐる実話を元にしたドラマです。
震災復興支援にも力を入れられているNHKさんらしく、BSプレミアムでは毎日のように5分間の番宣番組が流されていましたが、一昨日の3月3日(日)には、地上波の「どーも、NHK」でも番宣がありました。
いよいよ本放送が今週土曜日となりました(BS4Kさんではすでに先行放映がありましたが)。
ドラマ"女川 いのちの坂道"
NHK BSプレミアム 2019年3月9日(土) 22時00分~23時00分
■あらすじ
咲(サク)は、「いのちの石碑」活動の中心メンバーだったが、地元の高校を卒業と同時に、ダンサーになる夢をかなえるため、上京して1年半になる。映像作家を目指す彼(翔太)もできて、新しい一歩を踏み出したつもりだったが、偏見の目でみられることを恐れ、自分が被災者であること、母親が未だに行方不明であること…を翔太にも打ち明けられず、生きづらさを感じていた。
咲(サク)は、「いのちの石碑」活動の中心メンバーだったが、地元の高校を卒業と同時に、ダンサーになる夢をかなえるため、上京して1年半になる。映像作家を目指す彼(翔太)もできて、新しい一歩を踏み出したつもりだったが、偏見の目でみられることを恐れ、自分が被災者であること、母親が未だに行方不明であること…を翔太にも打ち明けられず、生きづらさを感じていた。
咲は、もう一度故郷と向き合ってみようと、ドローンカメラを携えた翔太と共に女川への旅を決意する。「この道を登って避難した」「この体育館で、眠れない夜を過ごした」…ふたたび“あの日”をたどることで、咲は自分自身の原点と向き合うことになる。そして、町の人々と共に石碑まで登る避難訓練の中、「いのちのつながり」を確信していく。
出演 平祐奈 平埜生成 岡本夏美 皆川猿時 田根楽子 ほか
ぜひご覧下さい。
【折々のことば・光太郎】
人はむかし海から出て来た。海にかへると本能は強く深い。浪に研がれた肌をひるがへして、海の獲物を手づかみにする時、自分のものを自分が取る我を忘れたよろこびに人は身ぶるひする。漁撈は最も根源的な生業だ。
散文「漁」全文 昭和13年(1938) 光太郎56歳
島国で、海と共に生きてきた我々日本人。時に牙を剥くこの海と、これからも共生していかねばなりません。
巨大防潮堤。力学上、垂直に近い壁を立てることは不可能で、高さの2倍から3倍の幅で、断面が三角形のスロープにする必要があるそうです。震災後、女川町ではそれを造るという選択をしませんでした。代わりに居住区域はすべて高台にし、海岸近くは事業所や商業施設としています。