昨日の『毎日小学生新聞』さん、マルチアーティスト・井上涼さんの連載「井上涼の美術でござる」が「高村光太郎の巻」でした。
井上さんといえば、NHK Eテレさんで放映中の「びじゅチューン!」のアニメーション制作や歌、さらに出演もなさって取り上げた美術作品や作者の解説もされています。同番組ではこれまでに光太郎ブロンズの代表作「手」(大正7年=1918)を扱う「指揮者が手」、光太郎の心の師・ロダンの「地獄の門」(明治13年=1880~大正6年=1917)をモチーフとした「ランチは地獄の門の奥に」などが放映されています。
「井上涼の美術でござる」も、「びじゅチューン!」同様、かなりの脱力系(笑)。なぜか二人の忍者が主人公で、それも「忍者B」と「忍者C」(笑)。
本当にあったら参加してみたいものですが、光太郎との「握手会」というシチュエーションです。
光太郎もノリノリです(笑)。
合間に的確な解説も入り、読者対象として想定されている小学生諸君にもわかりやすいと思われます。
「井上涼の美術でござる」、昨年から連載されているということで、もう少し溜まったら、ぜひ単行本化していただきたいものです。
【折々のことば・光太郎】
木枯らしの吹きすさぶ山麓の曠野を行く時、たちまち私の心を満たして来るのは、その静まりかへつた大地のあたたかい厚みの感じと、洗ひつくしたやうな風物の限りないきれいさと、空間に充満するものの濃密な密度の美とである。
散文「満目蕭條の美」より 昭和7年(1932) 光太郎50歳
この項、一つの作品から一節ずつというのを基本としていますが、例外的に昨日、一昨日と同じ「満目蕭條の美」から。この文章、あまりにも冬を愛した光太郎という人物を端的に物語っていますので、この際、全文を少しずつご紹介してしまおうと思っています。
ところで今朝は今年3回目の雪でした。まぁ、自宅兼事務所のある千葉で雪が降るとなると、冬型の気圧配置がゆるんでからのことなので、春が近いことの証でもあるのですが。