一昨年、日本橋の三井記念美術館さんで始まり、岐阜県現代陶芸美術館さん、山口県立美術館さん、富山県水墨美術館さんを巡回した展覧会の最後の開催地、大阪での開催です。うっかりご紹介するのを失念しており、始まってしまっています。
これまでの巡回各館同様、光太郎の父・高村光雲の木彫「布袋像」が出品されています。他の出展作はこちら。七宝の並河靖之・濤川惣助のダブルナミカワ、牙彫には安藤緑山、陶芸に宮川香山、木彫では光雲の朋友・石川光明など、人気作家がズラリ。さらに現代作家による超絶技巧の作も多数。
驚異の超絶技巧! 明治工芸から現代アートへ
期 日 : 2019年1月26日(土)~4月14日(日)会 場 : あべのハルカス美術館 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
時 間 : 火~金 10:00~20:00 月土日祝 10:00~18:00
料 金 : 一般 1,300(1,100)円 大学・高校生 900(700)円
中学・小学生 500(300)円 ( )内団体料金
中学・小学生 500(300)円 ( )内団体料金
休 館 : 2月18日(月)、3月4日(月)、18日(月)
本物と見まがう野菜や果物、自在に動く動物や昆虫、精緻な装飾や細かなパーツで表現された器やオブジェ…。近年注目の高まる明治工芸と、そのDNAを受け継ぐ現代の作家たちによる超絶技巧の競演をご覧いただきます。人間の手が生み出す奇跡のような技術に加え、洗練された造形センスと機知に富んだ、驚異の美の世界をお楽しみください。
関連行事
超絶!フォトジェニック・ナイト 2月16日(土)・3月16日(土) 各日 18:00~20:00
閉館後の展示室内で自由に写真撮影ができます。気に入った作品とコラボした超絶フォトで、狙おう、インスタ映え! ※本展観覧券が必要です。ストロボ、三脚や自撮り棒などのご使用はご遠慮ください。
ハルカス大学連携講座「金属に託す瞬間の美 超絶技巧への挑戦」 2月17日(日)14:00~15:00
本展出品作家で、蒲公英(たんぽぽ)や桜などの繊細で儚い自然を金工で表現する、若き超絶技巧の担い手、鈴木祥太さん。制作にかける想いと、技の秘密を語っていただきます。
講 師 鈴木 祥太氏(本展出品作家、金工)
会 場 あべのハルカス23階 セミナールーム
定 員 40名(事前申込制、先着順)
聴講は無料ですが、本展観覧券(半券可)が必要です。
お申し込みは、ハルカス大学webサイト(http://harudai.jp/)、お電話(06-6622-4815)、もしくはハルカス大学受付(あべのハルカス23階キャンパスフロア)にて承ります。定員になり次第締め切ります。
会 場 あべのハルカス23階 セミナールーム
定 員 40名(事前申込制、先着順)
聴講は無料ですが、本展観覧券(半券可)が必要です。
お申し込みは、ハルカス大学webサイト(http://harudai.jp/)、お電話(06-6622-4815)、もしくはハルカス大学受付(あべのハルカス23階キャンパスフロア)にて承ります。定員になり次第締め切ります。
スペシャル・トーク「日本美術応援団 驚異の超絶技巧を応援する! in 大阪」 2月17日(日)14:00~15:30
本展監修者で「日本美術応援団」団長の山下雄二氏と、団員の山口晃氏(美術家、本展チラシ挿画担当)が、熱き超絶技巧愛を語る!展覧会が100倍面白くなる対談です。
出 演 山下裕二氏(本展監修者、明治大学教授) 山口晃氏(美術家)
会 場 あべのハルカス25階 会議室 定 員 270名
会 場 あべのハルカス25階 会議室 定 員 270名
聴講料 1,500円(一般観覧券とオリジナルポストカード付き・税込)
※トークチケットは、11月16日(金)~1月25日(金)まで、下記にて販売します。定員に達し次第終了。ポストカードは当日会場にてお渡しします。【チケット販売所】ローソンチケット(Lコード:53513)
※トークチケットは、11月16日(金)~1月25日(金)まで、下記にて販売します。定員に達し次第終了。ポストカードは当日会場にてお渡しします。【チケット販売所】ローソンチケット(Lコード:53513)
この他に、2月6日(水)には出展作の多くを所蔵されている清水三年坂美術館さんの村田理如氏の講演もありました。
「超絶技巧」系、数年前から人気のジャンルで、またいずれ同様の企画が組まれるような気がしますが、今回のものはこの大阪展が最後となります。ぜひ足をお運びください。
【折々のことば・光太郎】
私は緑色を好む。それで紺青の空と海とに挟まれた陸上の濃緑色の展望を見て喜ぶ。
散文「三陸廻り 十 宮古行」より 昭和6年(1931) 光太郎49歳
十回にわたって『時事新報』に連載された「三陸廻り」の最終回から。釜石の先にあるオイデ崎付近の海上を行く船から、リアス海岸の岸壁に密生する広葉樹の原生林を見ての感懐です。
若き日の智恵子がエメラルドグリーンを好んだのは比較的有名な話ですが、光太郎も緑色が好みだったのは意外といえば意外でした。もっとも、ここで言う緑色は、色としての緑というより、大自然の象徴としての樹木という意味なのかもしれません。