一昨日、昨日と、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」について触れましたので、その流れで。
昨年12月28日(金)の地方紙『東奥日報』さんに載った記事です。
十和田湖畔観光 訪日客に優しく/市、ICTで実証実験/看板にQRコード→多言語でスポット案内
青森県十和田市は、増加するインバウンド(訪日外国人旅行)需要を踏まえ、1月1日からICT(情報通信技術)を活用した多言語による観光案内の実証実験を開始する。QRコード付きのプレートを、十和田湖畔にある既存の観光看板や、乙女の像などの観光スポット計14カ所に設置。旅行者がスマートフォンなどで読み込むと、それぞれの言語に翻訳された案内を見られる仕組みだ。
システムは、五所川原市の「立佞武多(たちねぷた)の館」でも採用しているPIJIN社(東京)の「QR Translator」。言語は英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語に対応。
英語の一部で、観光庁の「地域観光資源の多言語解説整備事業」の一環として環境省が翻訳した解説文を活用したほか、中国語は、9月に着任した中国出身の地域おこし協力隊員・上官妮娜さんが翻訳した。
実証実験は、十和田八幡平国立公園が選定された、外国人客誘致の環境整備を集中的に進める「国立公園満喫プロジェクト」の一環で、2019年末までを予定。市観光推進課は「どの言語の利用が多かったかなどを分析し、今後の観光振興に生かしたい」としている。
実際、十和田湖に足を運びますと、インバウンドの団体さんが目立ちます。かつて光太郎が、十和田湖はいずれ世界的な名所になる、と言っており、まぁそこまではともかく、海外の方々に人気のスポットの一つとなったことは間違いないでしょう。そうした面での対応として、この手の取り組みは重要なことだと思われます。
そうすることによって、日本を代表する芸術家の一人、光太郎についても広く知られてほしいものですし。
全国の観光地の皆さん、ご参考になさって下さい。
【折々のことば・光太郎】
友達よ、未知の魂よ、君たちの愛を以て私を包んでくれ。愛によってのみ人は育つ。
散文「工房よりⅣ」より 大正13年(1924) 光太郎42歳
人類皆兄弟。すべての日本人、そして海外の方々にもこう呼び掛けたいところです。争いや憎しみから人は育ちませんし、国と国とのつながりも育ちません。
もっとも、光太郎のこの一言、実は、だから大きな愛を以て私の彫刻を買ってくれ、という趣旨でもあるのですが(笑)。