過日もちらっとご紹介しましたが、テレビ東京さんの美術系長寿番組「美の巨人たち」で、光太郎の父・光雲が主任として制作に当たった上野の西郷隆盛像が扱われます。  
BSテレ東  2018年12月29日(土) 18:00~18:30

太く濃い眉、しっかり見つめる目、一文字の口もと…西郷の死から21年後に建てられた高村光雲作『西郷隆盛像』は“これぞ西郷”というイメージを作り上げました。ところが完成当時、西郷の妻は「主人はこんな人じゃない」と批判。それでも光雲は、このような批判が起こるのを覚悟で、あえて西郷をこの姿で残したと言います。一体この銅像の何に問題があったのでしょうか?日本一有名な銅像の堂々たる姿に潜む意外な真相に迫ります。

ナレーター 小林薫/神田沙也加

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5


ちなみにNHKさんの大河ドラマ「西郷どん」は、翌16日(日)が最終回です。

1月の第1話「「薩摩のやっせんぼ」は、上野の西郷像除幕のシーンからでした。

イメージ 7

イメージ 6

そこで西郷三番目の妻・糸が叫びます。

最終話でも西郷像に関して、できれば光雲も登場させてほしいものですし、この辺りのエピソードについて、「美の巨人たち」で紹介されるようです。話の出所等も紹介していただけるとありがたいのですが……。

それぞれ、ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

英国の芸術の中で、一番英国人の気質の美点を表して居るのは建築だ。彫刻はペケ。絵画は一般に英国人の執拗な点をよく示して居る。コンスタブルでも、タアナアでも、近くはヰスラーでも少し面白い画家は皆英国離れがして居る。可笑しな現象だ。其の癖此等の人を通じて底に流れて居る一脈の水は、争はれない「アングロサクソン」の色である。

散文「画室日記の中より」より 明治41年(1908) 光太郎26歳

ニューヨークに続いて移り住んだロンドンでの感想です。かなり的確に当時の英国美術を観察しています。一面では保守的な部分も持っていた光太郎、ニューヨークでは感じなかった重厚な歴史の厚みを感じ、また、それを好意的に捉えてもいます。