光太郎第二の故郷とも言うべき、岩手花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)脇に立つ、高村光太郎記念館さんからイベント情報です。
高村光太郎記念館 クリスマススペシャルコンサート
期 日 : 2018年12月16日(日)会 場 : 高村光太郎記念館 花巻市太田3-85-1
時 間 : 14:00~
料 金 : 記念館入館料 大人350円 高等学校生徒および学生250円 小中学生150円
今回は光太郎ストリングスに加え、スペシャルメンバーとして花巻の金星少年少女オーケストラのメンバーと地元の方による朗読でコンサートを盛り上げます。
演 奏 光太郎ストリングス
朗 読 高村光太郎「ブランデンブルグ」他
演奏曲 ヴィヴァルディ「二つのバイオリンの為のコンチェルト」
コルレリ「クリスマスコンチェルト」 他
コルレリ「クリスマスコンチェルト」 他
「光太郎ストリングス」は、今年7月にやはり高村光太郎記念館さんで開催された「弦楽四重奏スペシャルコンサート」が初舞台でした。岩手大学管弦楽団の卒業生の皆さんだそうです。
金星少年少女オーケストラのメンバーも客演されるとのこと。同オケは宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシユ」に登場する「金星音楽団」から名付けられています。さらに地元の方による朗読も入るそうです。
ちなみに同館では、先週末から「平成30年度花巻市共同企画展 ぐるっと花巻再発見!~イーハトーブの先人たち~ 光太郎の食卓」が始まりました。展示風景の画像等、送られてきましたのでご紹介します。
それから常設展示ゾーンから、肥後守(折りたたみナイフ)を移動。これは昭和25年(1950)1月1日発行の『アサヒカメラ』第35巻第1号に載った、濱谷浩が撮影した光太郎の手の写真に写っているものです。削っているのは鰹節です。
想像でしかありませんが、濱谷は彫刻刀を持って木を削る写真を撮りたかったところ、光太郎は戦時中の戦争協力を恥じて、「自己流謫」(自分で自分を流罪に処すること)と称した蟄居中。天職と考えていた彫刻も、自らへの最大の罰として封印していました。そこで、彫刻刀ならぬ肥後守、木材ならぬ鰹節を削っている写真を撮らせたのではないかと思われます。そう考えると、ある意味、壮絶な写真です。
こちらの写真もパネル展示されているようです。その他、パネル展示で光太郎の食生活の様子や、数々の「食」をモチーフにした詩を紹介しているとのこと。
また、前回企画展示「光太郎と花巻電鉄」のために、品川在住の石井彰英氏が制作された昭和20年代花巻町とその郊外のジオラマも、引き続き展示中です。
ぜひ足をお運びください。
【折々のことば・光太郎】
自然の大きな、ゆつたりとした姿を眺めると、何事も皆面白くなる。全く所謂煩悩といふものが清められる。頭の中を綺麗なもので洗ふ様な心持ちがする。
散文「雲と波」より 明治40年(1907) 光太郎25歳
今朝は自宅兼事務所のある千葉県北東部で、おそらく初霜が下りました。愛犬と散歩しつつ、いよいよ光太郎が愛した本格的な冬だな、と思いました。ぴいんと張り詰めた冷気の中、当方も多少は煩悩が浄められるような気がしました。